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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター6 DO OVER 
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第74話 久し振りの依頼


対人戦は芽神の圧勝だった

安斎は防戦一方 しかし彼女の動きは容易くガードを凌駕する


「痛ってぇ!!」


「ごめんね安斎先生…… 私昔から加減を知らないの」


それでも安斎は立ち上がる

全身痣だらけになっても脇腹を押さえて芽神の行く手を阻んだ


「……二つの財閥を皆殺しってのは本当なんだな? ハァハァ……」


「本心だよ でも成功させたいから詳しい事は教えないね!」


「……うっ!!」


安斎はその場に倒れてしまった 芽神は一階下の物置部屋への梯子に手を掛ける


「話せて良かったよ安斎先生 身近に愚痴を言える人間がいなかったんだぁ」


「ま…… 待て……」


「もっと話したいな……!! だから…… 時間が有る限り待つよ

次もまた味方になってね 東海林妖を探していた時みたいにさ」


安斎はそのまま気を失い 芽神は芸風寮の外へ

空は白み始めており 日の陽光が山の裏側より存在をアピールしている


「もう日が昇るなぁ…… そろそろ行かなきゃぁ……」




目が覚めたのは昼過ぎ 退院してはすぐに怪我をしている自分に

笑うしかないのと悔しさが交互に襲っていた


「ここ最近負け続けだなぁ…… 松原さんの気持ちが分かるわぁハハ……」


誰もいない屋根裏部屋での独り事が癖になってくる


「クソォ…… チクショォ~~……」


床を何度も叩き 顔を腕で覆って仰向けになる安斎

数時間項垂れて起き上がる彼は 足を引き摺って事務所に帰った

待機していた柴塚は深い溜息と共に彼の手当を済ませ これからの行動を話し合う


「まずは反省会だな……」


「弱気になさりなさんなや所長

女子中学生に負けたのは何も今回だけじゃないでしょ?」


「っ……!! 芽神も河上も…… まさか体術身に付けてるなんて思わねぇだろ」


「すごいですよねぇ…… 所長を打ち負かす二人がフリースクールに居たんですからぁ」


「チクショウ……」


「でも芽神さんの情報を仕入れられただけ収穫ですよ」


「人体に毒腺があるなんて未だにファンタジーだ

だけどその嘘みたいな難病患う人間が世界にはいるんだよなぁ」


「歌舞伎症候群とか多指症とか過剰歯とか…… 調べられるだけでも本当にあるんだってなりますね」


「それとアイツが世界中の子供を救うとか大層な思想

田舎にいる子供が真面目に向き合う目標じゃねぇのも驚きだ

……まぁ本当に俺と同い年らしいんだが」


「……話を聞いて欲しかったんだなぁって思いますね 信頼されてますねぇ所長」


「同窓会で聞いたが ついでに俺に恋心を抱いてたらしいな……」


「じゃぁ尚更ですねぇ 好きな相手には自分のこと知って欲しいですもん

……嫌な顔してませんでした所長? よく顔に出るから女の子を泣かせるプロなので所長は」


「……俺ボコボコにされたんですけど?」


安斎のポケットからバイブ音が聴こえる 画面には松原の名前が


「もしもし松原さん?」


『朗報だ 四ノ海所有の倉庫 正確な名前は【甲斐枝かいえだ倉庫】だが

正式に摘発の許可が降りた 今日の夜にでもパトカー引き連れて突撃する』


「さすがっすね松原さん 汚名返上ですか?」


『うるせぇ馬鹿野郎!! だが許可が降りるってことは……』


「裏か罠がありますよね 警察内部にスパイがいるんですから」


『だから非公式だが 警察としてトアル探偵事務所に依頼する

倉庫の連中が俺等に集中している間 誰でも良い……

売られる人間を一人二人 俺達の前に連れて来て欲しい』


「……良いっすねぇその案

松原さんが行かなければ倉庫を荒らして 嫌でも警察を呼ぶのが俺の案でしたが」


「いつまでも寝ぼけてられねぇよ 枷か鎖なんかで繋がれている人間ならこっちも動きやすい』


「分かりました じゃぁ俺達はもう動きます」


『あぁ…… 依頼料は期待しててくれ』


通話を切った安斎はすぐに立ち上がった


「退屈しませんねぇ所長といると じゃぁ支度します」


「松原刑事からの提示された久方振りの新しい依頼だ

俺が闇バイトしていた倉庫に向かう

そして商品にされている人間を一人二人警察の前に晒すんだ!!」


「腕が鳴りますねぇ…… 証拠を突き付けてこそ探偵冥利です!!」


安斎はいつもの革ジャンを装着 柴塚もスーツでビシッと決めて事務所の外へ


「…………」


「どうされました?」


「いや…… ここに戻って来れる保証が無いからなぁ 眼に焼き付けておこうと」


「……そういうのもフラグですよ 四肢切断しても生きて帰りましょう

無事に生還することに意味があるんです もし所長が不自由になっても私が介護しますから」


「じゃぁお前が不自由な身体になったら俺が介護してやる」


「イヤン…… タオルで拭く時オッパイ触り放題ですよ?」


「……そういうのいいから マジで」


「出た罪悪感…… 弄り甲斐があるやら無いやら……」


「フゥ…… おそらく安久谷も袴田って奴も

泉太郎や建守や芽神もいる 気張って行くぞ!!」


「了解です!!」


バスを二回乗り継いで港町へ


「そういえば…… お前は両親の墓参り行ってるのか?」


「ここ最近は…… お盆の時に手を合わせるくらいですかね」


「そうか…… 河上ん家に仮住まいしてる時 俺が行っといたから」


「あぁ門脇さんの葬儀の時にですね じゃぁ誘って下さいよ?」


「お前抜きでオッサンと話したいことがあったんだよ……」


「ヘェ…… どんな話ですか?」


「っ…… 言う訳ねぇだろ……!!」



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