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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター6 DO OVER 
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第71話 責任ってのは


「どうするんです所長?」


「行くしかねぇだろぉ…… 面会は終わりでいいっす松原さん」


安斎達が立ち上がって面会室を出ようとすると


「待って」


弱竹がか細い声で呼び止めた


「佐田さんを守って上げて…… 多分助けを求めているから」


「……えぇ本人が叫んでたんで知ってますよ だけどアンタと約束は出来ない」


「…………」


「アンタは無関係な人間をも巻き込んで殺したんだ

その遺族からもしあの日 殺さないで下さいって言われたら アンタは約束して上げたのか?」


「……おそらく無理ね」


「……じゃぁするわけねぇだろ

互いに信頼し合えて始めて約束事が成立するんだよ

誰が人殺しの極悪人なんかを信用するかっての」


「寄って集って娘を痛めつけて 罪を逃れた人間に制裁を下して何が悪いの?

責任感というものを知らない未熟な学生達は 罪を逃れることに関しては一人前なのよ?」


「じゃぁその前に娘さんから目を離したアンタは育児放棄だろ?

自分の過ちを棚に上げて 罪も無い子も殺した そういう省みないアンタこそ無責任じゃねぇのか?!」


「っ……」


「あの世で悪さした生徒等と一緒に娘さんに怒られろ」


安斎はそのまま出て行ってしまった

柴塚と松原も彼女に頭を下げて後を追う

気が抜けた弱竹は椅子に座り


「……フッ 噂通りの男だったわね安斎賢也 佐田さんの初恋相手ってのも頷けるわ」




拘置所の外に出た安斎達は車中でその後の段取りを決めていた


「そういえばの話なんですけど……

そろそろ四ノ海所有の倉庫に令状フダとか出せませんか松原さん?」


「前に聞いた時はお前を信用し切ってなかったから動けなかったが

今回はさらに動きにくい 署内で反応を見せれば内通者に知られるだろ?

売られる人間達は探し出せない場所に隠されて終わり まぁどっちにしろだよなぁ」


「ゴリ押しで何とかなんないんすかぁ? 内輪だけで密かに行動するとか?」


「そもそも事件化してねぇのに踏み込む大義もねぇんだよ

痴漢や嫌がらせの被害者が訴えても 警察がすぐに行動出来ねぇのはそういうこと

それに足る証拠が必須ってことだ」


「写真は一応撮ってますけど駄目っすかねぇ~~?」


「コンテナの中だって言われても弱ぇし…… 今はさらに無理だって言っただろ?」


「……何か問題起こせば良いんですか?!」


「おいおい何考えてやがる……」


「警察が総動員しなければならないような事態を引き起こせればいいんですね?」


「ハァ…… 聞かなかったことにする」


松原は二人を事務所の前に降ろしてくれた


「でもまぁ…… 俺達も泉太郎を追ってるんだし

近々その倉庫には捜査を入れさせて貰うよ 何も出なかった時は後が怖ぇんだけどなぁ」


「摘発よろしくお願いしますよ松原さん」


車窓が閉め切られ 発進した車はすぐに見えなくなる


「今夜大丈夫ですか所長? もしもに備えて近くで待機してますから」


「いいや…… 得体が知れない分 芽神も何を仕組んでいるか分からねぇ

いざって時は闇に乗じて逃げるから大丈夫だ」


「そうですか…… ならまた外食でもします?」


「……そうだな じゃぁすぐ行くか!!」


「あっ!! 私着替えてきます!!」


「いや…… スーツ姿のままでいい……」


「いやいや着替えますってぇ~~ ちょっと汗も掻いたしぃ……」


「そのままで良いって…… ちゃっちゃと食って済まそうぜ?」


「一旦着替えるって言ってんだろうが!!!!」


またもやお洒落していつものファミレスで合流する二人

決まって安斎は口数が減るが それが柴塚の楽しみなのだからコーデは譲れない


「ハァ…… 目に毒だ」


「目の保養の間違いですよね?」


「あっ…… あぁ……」


「…………」


ダマスカスハンバーグを頬張ってる安斎を見ながら 頬杖を着いてただジュースを飲んでいる柴塚


「何処まで行くんでしょうねぇ…… この事件は……」


「報酬2000万だろ? こんなもんだ」


「いやいやこれからを考えるともっと貰っても良いと思いますよぉ?」


「……なぁ久留美」


「ふえ……?! 所長が面と向かって私を名指しで呼ぶの激レアですね」


「……もしもん時は降りていいぞ この調査から」


「何言ってるんです急に? 報酬は全部私の物ですよ?」


「それでも構わねぇ…… 何なら事務所にある非常用の金を全部持って地元に帰れ」


「地元っつっても近場ですけどね 某宗教施設があった場所と同じ地域ですから」


「ハァ…… お前の私服なんて見るんじゃなかった…… 柴塚のオッサンに申し訳立たねぇ……」


「私服見れば父親がチラつくって何ですかぁ……」


「だってよぉ……」


「もしかして私服の私といるとき 口数が減ってるのって罪悪感ですか?」


「まぁなぁ……」


「ハァ?! トキメケよ?! 今日の私は可愛いだろうがよぉ?!」


「あぁ可愛いっちゃ可愛いんだよ…… だけどそれ込みで罪悪感がのし掛かると言うか……」


「へっ/// あっ…… そう…… それなら良いんですよ」


柴塚は髪を掻き分けながらストローに口を付け

黙ったまま窓の外を眺めていた


「んでどうすんだ? 引くなら今だぞ?」


「私が引いたら所長が独りぼっちじゃないですかぁ……

付いて行きますよ 何処までも」


「そうか 自分で決めてるならそれでいい」


「私指示待ち人間じゃないので もし子供扱いしてるならぶっ飛ばしますからね??」


「いやしてねぇ……!! 大丈夫だ……!!」


「あっしてたんだ…… もしかして父親代わりのつもりでした?」


「っ……!!」


「まったく何でそういう所は律儀なのか…… ンフフっ……♪」



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