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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター6 DO OVER 
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第66話 悪魔も潜む世界


6月17日


ベッドでギャグ漫画を読んでいる安斎のもとに

お菓子を持って柴塚は入室してきた


「所長の思った通りでしたかね…… 赤坂沙希の実家は四季園一派の〝分家〟でした」


「……詳しく頼むわ」


続いて松原と 椎野が車椅子に乗って入室する


「いいのかこいつまで連れてきちまって……」


「情報提供してくれたんです 往生しているようですし信用してやって下さい

……それに内面はクソでも赤坂舞香ちゃんの父親なんですから」



「悪いな……」



四人が揃って柴塚の口が再び開く


「赤坂家は主に老舗サポート事業ですね

京都を主に創業五十年から五百年まで

経営不振で畳もうかって飲食店やら小売店など

旅館までに手広く通販やレシピなどを提供して活路を支援する

大手フードコンサルティング会社 父親がCEOです」


「……マジかよ もしかして沙希はそこのご令嬢とかか?」


「えぇ…… とんでもないお嬢さんに乱暴したようですねぇ」


「俺殺されるのか刑事さん!! 死刑確定か?!」



「知らねぇよ…… 裁判官に聞け」



尋常ではない汗を掻く椎野を無視して安斎は続きを求める


「分家ってことは本家の金集めにも参加してるのか?」


「そこまでは…… ただ沙希さんは三姉妹の三女だったようですね」


そこへ松原が手を挙げる


「こっちも調べた ……実のある話だぜぇ?

四季園一派の子供はここ二年以内で計八人も誘拐されている」


「何……? 四季園蕾と赤坂舞香以外にニュースなんてやってたか?」


「あぁなってたぜ だが認識してねぇのも無理はねぇ

誘拐された子供のほとんどは 四季園蕾を除いて〝母方〟が四季園一派に関係しているんだからな」


「つまり苗字は父親の方…… 本家は黙ってたのか……?」


「四季園家は親類間での上下関係が半端ねぇんだ

同族経営みてぇに内輪が固まってなくて 分家はあくまでビジネスの都合に理由する感覚だな」


「……政略結婚って奴か」


「母体を中心にして他は極力蚊帳の外

代々婚姻を重ねて血が薄まった分家ほど関心なんてねぇんだろうなぁ」


「よく情報を集められましたね またお得いの人脈ですか?」


「まぁな 俺は余所の刑事と仲良くするタイプだ」


「…………」


今度は柴塚達が安斎の直感に問う番


「んで所長? 何か見えて来ましたか?」


「……もう一押しだな」


そう言う安斎はある人間に電話を掛ける


『おぅ安斎ちゃんかぁ!! どないしたん?』


「そっちの進捗はどうかなって思ってよ」


『……残念やがグラスフロッグの情報は擦りもせぇへん すまんのぉ』


「いやこっちも難航してるから…… それでさぁ岳斗

四季園本家と赤坂家ってどれくらいの距離感なんだ?」


『…………』


ガチャ切りされてしまった 正確には互いにスマホなので音は鳴らないが


「どうしたんだよ安斎? 岳斗はなんて?」


「切られた…… 怒ってたって感触じゃねぇな

アイツなりに俺達に気を遣って情報を遮断したってとこか」


「じゃぁそろそろ名探偵さんの推理ショーを聞かせて貰おうか?」


「いやいやまとめるだけですよ……

そもそもこの気持ち悪い事件の数々は何処から始まったと思います?」


「……そりゃぁまぁ 分かっている範囲では三年前か?

確か岳斗が言ってた四季園春義がいきなり金を集めるよう

跡取りをチラつかせて身内を焚きつけたんだよな?」


「俺もそこだと思います 計画的に…… 用意周到に……

四ノ海の人身売買も同時期か少し前に始まったと思うんですよ 当時から結託していた場合ですがね

なのにそのビジネス相手の孫を誘拐するのは何でだろうなってのが疑問だった」


「岳斗が双方協力関係とは言ってたらしいが……

まさか仕事が上手く行くように保険を掛けたなんてねぇよな?」


「そのまさかですよ 大胆かつ効率的

口止めも込みにすればニュースになるものの世間はそこまで騒がない

よくよく考えれば互いの仕事が不釣り合いなんですよね

金は汚職でも犯罪でも 誘拐に比べればリスクが低い

四ノ海は保険を掛けらざる必要性に迫られたんじゃないでしょうか?」


松原は一旦状況を整理させる為 柴塚とチェンジした


「そうなると血縁の子供の誘拐には本気になりますね

椎野さんに近付いたのが袴田ってのも納得します」


「それに四ノ海は四ノ海で実子が後を継ぐって話まできていたタイミングだ

この状況で大規模な〝何か〟が水の泡になるのを現CEOの四ノ海額蔵は焦ったんじゃねぇかなぁ?

親心かグループ存続の保身か…… だから口約束や契約書……

もしくは前金なんかでの秘密保持だけでは不安が募った」


「こうなってくるとグラスフロッグも四ノ海お抱えの人間になるかもです

松原さんが口にしてた大陸の殺し屋説も 強ち間違いじゃないのかもしれませんね?」



「別に嬉しくねぇよ…… そんな噂が当たっててもよぉ」



両手の指を重ねて額に付ける安斎の顔は事の深刻さを示す


「つまりはっきりしないが 一連の事件は〝政財界に影響を連ねる旧二大財閥間で起きた事件〟

運悪くその子供達が犠牲になってしまったという糞みてぇなシナリオが出来上がる」


「証拠を押さえなければいけませんね…… そして助けてあげないと!!」


「……だが誘拐は四季園蕾で最後だと思ってる」


「何故です?」


「今までは分家の子供を攫ってもそこまで四季園春義に圧力を掛けられなかったんだと思う

だからガードマンなんかもいたであろうリタワールドで遊んでいた蕾ちゃんを

安久谷達にすら頼まず その大役を担えるレベルのグラスフロッグを送ったのも納得がいく」


「そこまでする大掛かりなビジネスって何なんでしょう?

もはや悪魔も日常に蔓延る異次元ですよ……」


「松原さんが言っていたテロってのも現実味が帯びて来てるなぁ……」



「やめろよ縁起でもねぇ……!!」



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