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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター3 ワーウルフゲーム 
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第35話 休息地


電話を終えた安斎は南原宅にお邪魔した

既に中へ寄せて貰っていた大家が 晩飯の準備をしている南原家に歓迎されている


「本当にご飯を頂いてもいいんですかお母さん?」


「いいんですよ~~ 聞けば娘が世話になったって話じゃない?

取り敢えず座って座ってぇ!!」


茶の間で琴乃の親父さんと酒を酌み交わしている大家

安斎にもコップが回って酒が注がれた


「それで賢也君…… 刑事さんとは?」


「あぁ事情を話してきた 今夜の内にパトカーが二台停まるけど気にしないでくれ

あと明日に事情聴取しに来るらしいから」


「……本当に何から何までありがとうね」


泣き出す琴乃 そして琴乃の親父さんまで泣き出す


「琴乃が良い婿を連れて来て父ちゃんは嬉しいぞぉ!!!!」


「違うってば父ちゃん!! 何回その話するの?!」


「しかもお相手の親御さんも一緒たぁ明日には祝言だぁ!!」


「違うの……!! 本当に違うの……!!」



「まぁ俺は 中学を中退した頃から賢也の面倒を見てるから親同然だよなぁ……?」



話を合わせてくる大家に安斎も困った顔をしていた

大根の煮付けや唐揚げ 芋煮などがテーブルに並ぶ

せめて警官達が来るまでと遠慮なく二人は晩飯にがっついた


「それで賢也がふらっと宗教団の施設に行きやがってなぁ?! しかも俺の車でだぜ?

二日経っても返って来ねぇんで心配して見に行ったらそこの奴等に襲われてやんの!!」


「えっ?! えっ?! じゃぁ大家さんもその場に駆け付けたんですか?」


「俺が助けに行かなきゃ賢也は死んでたよぉ…… 一生俺に頭上がらないもんな?!」



「っ……!!」



酒の肴にしては興味をそそられまくる大家と安斎の武勇伝

琴乃の親父さんは既に瓶ビールを二本空けていた


「そりゃぁ革友会つったら当時はえらいニュースになったもんだよなぁ?

あんなデカい組織を…… 二人でやっつけちゃうんだからよぉお?! たまげたねぇ……

こりゃ…… 有名人に会ってるみたいだなぁおい!!」


「お父ちゃん呑み過ぎ……」


夜も更けて外に警官達が待機してくれていた

安斎は琴乃の親父さん共々ぶっ倒れている大家を担いで玄関へ

琴乃と彼女のお母さんが見送ってくれている


「二軒目行くぞぉ賢也ぁ!! にけんめぇ~~!!」


「行かねぇよ…… それではご馳走になりました 本当に美味かったです!!」



「おしょうしなぁ!! こっちも琴乃の事でありがとうねぇ!!」



外で大家をタクシーに詰め込む安斎を琴乃は呼び止めた


「ねぇ賢也君…… まだあういう奴等と戦うの?」


「あぁ一人が死んで一人がまだ行方不明なんだよ

依頼されたからには全てをハッキリさせたい だから俺は探偵になったんだ」


「……ずっとかっこいいんだね賢也君は」


「でもその所為で南原さんを巻き込んだ……

今まで無かったわけじゃないけど 改めて痛感したよ

……だけど止まる気はないから」


「……私のことは気にしないで 私ももう逃げない

今度は自分に誇れる選択をして生きていくよ 賢也君みたいに!!」


「自分に誇れる選択か…… 良いなそれ!!」


南原の笑顔は印象に残った 故に今まで積もった抑えきれない気持ちも溢れ返りそうだった

既に死人が出ている安斎達が追う事件は そう温かい晩飯の余韻には浸らせてくれない




マンションで大家と 大家の車を連れて来てくれた代行と別れてタクシーは事務所へ

中に入れば柴塚がパソコンと睨めっこしている


「どうでした同窓会?」


「波瀾万丈だったよ…… イテテ……」


「どうしたんですかその怪我? しかも泥だらけで事務所入らないで下さいよ!!」


「ヒドいな~~……」


外で服を脱がされ 一階のシャワー室を頼み込んで貸して貰った

寝間着に着替えさせられた安斎はタオルを頭に被って水を飲んでいる


「そんな事が…… 事件は向こうからやって来ますねぇ」


「あぁ…… しかも同級を餌にしやがった……」


「でももう警察が守ってくれるんですよね? 良かったじゃないですか命があるだけ」


「いいやちょっと頭に来てるな…… どういうネジの飛び方すれば公園で銃構えられるんだ……」


「……でも楽しかったんでしょ?

同窓会に出れて? そして同級生の家で二次会? 最高じゃないですか!!」


「あぁ…… 初めてだったよあんなの……

あっそういえば四季園蕾の誘拐保険の話はマジみたいだな」


「松原さんと話したんですか? えぇじゃぁ私達も警察も踊らされてるってことですか?」


「そういうことになるんかなぁ……」


「でも話聞いた通りなら四季園家は金を集めてるんですよね?

なのに私達に調査経費をバラ撒いてるって矛盾してません?

……四季園奈美恵さんの口から出た跡継ぎ問題と 金集めは関連してるんでしょうか?」


「一番稼いで来た奴が次の当主になるとかなぁ……

大規模なマネーゲームが始まってんじゃねぇのか?」


「……次はどう動きます? 私はそろそろ早足になりたい気分なんですけど?」


「その為にはまず寺田さんの件をハッキリさせる

安久谷が俺を狙っている以上 こっちから先手を打つのはもう危険だから闇バイトはやれない

だが攫い子をやっていた寺田昌治の死と四ノ海には何か間接的にでも繋がりがある筈なんだ……」


「……そこまで四ノ海と暁風楽校が関連してる根拠は何ですか?」


安斎は缶を少し強く握り締めた


「アイツとの約束だったからどうしようか迷ったが……

目に見えない場所で色んな人間が動こうとしてる だからお前にも話しておこうと思う」


「っ……?」


「鍵は芽神咲彩だ 俺はこの一連の事件の全ての中心に彼女がいると考えている」



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