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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター2 ギャザリング
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第25話 良い女の殺し方


薄暗い個室 空間が揺れていることから船の中だろう

座っているトロリーは今さっき気が付いたところ その直後に電話をさせられた

手足は有刺鉄線の金網で拘束され 縛られる箇所からは血が滴っている


「薄暗い世界であなたに会えて良かった これから少し明るく生きられそうだ」


通話はそこで切られ スマホを持って彼女に話させていた男は物をポケットに仕舞う


「薄暗い世界でかぁ…… 上手く今の状況を表したじゃねぇかぁ」


「……不思議と今まで眠らされたお陰で恐怖を感じないわ」


「クックック…… 怖い自覚は無くても しくじったって自覚くらいはして欲しいもんだ

お前が今置かれてる状況を理解してねぇなら 所詮は田舎の芋娘ってところだな」


「…………」


トロリーは目の前の男から頬を叩かれる

髪を鷲掴みにされ 有刺鉄線の所為で引っ張られると同時に身体中に激痛が走った


「うぅ……!! あなたが私の雇い主ってことでいいのか?」


「この状況で自己紹介を求めるとは褒めてやる

四ノ海グループの中間管理職ってとこだなぁ俺は 安久谷橘平あくやきっぺいだ」


「……名乗ったってことは 私はもう生きて帰れないのね?」


「現状整理の為に説明してやる

ここは今 四ノ海が所有するクルーザーの中だ

これから飛翔島に停泊している奴隷船舶と合流ランデブーして暫し海外へ船旅だな

まさか監視されてるにも関わらず たかだか闇バイトの人間と直接会うたぁ驚いたよ

俺達のタブーは知ってるよな? 最悪のケースも?」


「……下っ端との直接介入は御法度 最悪のケースは芋づる式」


「なのに何で会っちゃんてんだよぉ? あの男が警察に逃げ込んだらどうするんだよぉ?」


「その時は始末するつもりでいた……」


「それじゃ遅せぇだろうがこのアマァ!!!!」


椅子を蹴り倒す安久谷 床と鉄線が当たってトロリーの手足に深くめり込む


「裏社会ナメてんじゃねぇぞ?! 天涯孤独だからって無敵でいられてるとでも思ったかぁ?」


「フゥフゥ……」


「今頃てめぇがお世話になった児童養護施設 付き合っていた元彼

掛け持ちしていた表世界のバイト先 確か小さい呉服屋だったなぁ……」


「っ…… それだけはやめて!!!!」


「豆粒みてぇな老いぼれ婆さんが必死にやり繰りしてた店だよな……

一足早く火葬してやろうかぁ? どうだ同じあの世で会えるかもだぜぇ?」


「……私を始末すれば良いだけでしょ 死体も好きにして良いわよ?」


「おいおい…… それは逃げ勝ちって奴だぜぇ?

裏社会を生きた人間の末路だぁ 自業自得だよなぁ?!」


安久谷は自分のズボンとパンツを降ろした


「さぁ選べよぉ…… お前が死ぬか・周りが死ぬか・商品になるか・俺の慰み者になるかぁ?」


「……私38よ? 需要なんて無いんだから殺しなさいよぉ?」


「俺はそう思わねぇぜ? 寝てる間に睡眠姦すいみんかんっつぅものを試したが中々良い具合だったぁ」


「…………」


「だが睡眠姦は自信のねぇ奴がやるプレイだからイマイチ敗北感があってよぉ……

まぁ何だ…… 一度繋がっちまった身 今じゃぁお前からの正式な同意を求めてる」


照れ臭そうな安久谷の顔に トロリーはつい顔が綻んでしまった

延命出来るならば 目の前のこいつの女になって見るのも第二の人生と考えた矢先

その緩んだ顔の額に銃口が押し付けられた


「へっ……?」


個室に何発もの銃声が響く

赤い液体の上をピチャピチャと歩く安久谷は下の者に命令を下す

トロリーの死体は外の海に投げ捨てられた


「選択肢を与えたのは余興…… お前の身体に興味を持ったのは本当……

お前の近隣の他人なんかは興味すら持っちゃいねぇ…… ただそれだけのことだ」


クルーザーの外へ出た安久谷は海を眺めながら部下に質問する


「おい袴田ぁ お前心霊主義者スピリチュアリズムか?」


「全然違ぇっす!!」


「クハハァ!!!! 俺もだぁ!!!!」


「さっきあの世とか言ってたじゃないっすか!?」


「死んだらその先は無だと思ってる

だからこそ死ぬ間際の女に希望を持たせるのは一番ゾクゾクするんだぁ……

そいつが撃たれる寸前までどんな走馬灯を描いていたのかなぁとか!!」


「走馬灯とかは信じるんですねぇ?」


「記憶のフラッシュバックは信じるぜぇ? 俺は良い思い出は忘れねぇからなぁ

……それよりあの女と会っていた男はどうした?」


「それが尾行させましたが…… 実は警察さつに知り合いがいるらしくて」


「これだよもぉ……!!!!」


「……どうします?」


「身元を調べ上げて複数人で始末させろ 今警察に嗅ぎ回れるのは面倒だ

四季園の連中にも四ノ海の上の奴等にもバレるわけにはいかねぇ」


「うっす…… では早速調べさせます」


部下は下に降りていき 安久谷はそのままクルーザーの柵に凭れ掛かっていた


「良い女だったぜぇチクショー

ったく迷惑この上ねぇ…… 次の良い女を見つけて殺す俺の身にもなってくれよぉ……」




場所はトアル探偵事務所に移る

先に安斎の事を調べ上げた安久谷の刺客達が事務所に潜伏し

そして二時間遅れで安斎が建物前に到着した


「二日振りの我が城が輝いて見えるぜぇ…… てかここ最近陸に寝てねぇ……

結局アイツとは連絡取れねぇし事務所にいればそれでいいんだが……」


グチグチ言いながら階段を登る安斎 扉を引けばそこには


「デュヒヒヒヒ!!!! 遅かったやないかぁ安斎ちゃん!!!!」


「ゲッ?!!! 鍵閉めた筈なのに…… って何だこの状況?!」


安斎の机の上に座る四季園岳斗 そしてソファーに座らされている柴塚

何より周囲の床には安久谷の刺客達が半殺し状態で倒れていた



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