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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター2 ギャザリング
27/43

第24話 保険金疑惑


「よく逃げなかったな?」


「逃げませんよ 遺体の身体に俺の指紋がベッタリなんですから……」


パトカーが数台列を作っていた

検視の為 鑑識が既に中に入っており

安斎と松原は外で話をしている


「するとお前がここに来た深夜一時頃には 仏が砂壁に埋もれていたと?」


「そうです」


「そしてお前は壁を掘り出して? 遺体にベタベタ触って財布の中身も荒らして?

話のオチにはビックリした拍子に机の角に当たって気絶しましたぁってかぁ?」


「嘘偽りありません」


「ハァ…… 随分と警察ナメた行動をしてくれてるが……

お前が探偵って前情報があるから少しは心にゆとりが出来るよ」


「さーせんねぇ」


「まぁ手掛かりは靴の足跡・指紋・後は繊維鑑定やDNA鑑定と色々と落ちてるらしいから……

今回は状況の空白を 第一発見者のお前の口から聞けたんで免除してやる」


「……もしかして犯人は素人ですか?」


「含みのある言い方じゃねぇか? そういえば聞いてなかったがお前何でここに来たんだ?」


「っ……」


安斎は人目を盗んで建物同士の隙間へと松原を誘い込んだ

強引に服を引っ張られた為 彼はちょい不機嫌状態になる


「何だよ……?」


「俺だって言うかどうか迷ってるんです……!! 因みに松原さんご家族は?」


「独り身だバカヤロウ」


安斎は怪しまれるよりは打ち明けるべきと思い

あくまで松原にだけ話そうと決心する


「はぁ?!!! 闇バイトの掛け持ちだと?!!!」


「シーーーッ!!」


「お前なんて無茶なことやってんだよぉ? てめぇは裏社会と通じる闇探偵か?」


「事情と解釈で松原さんには理解して欲しかったんで白状したんですよ

これでも俺も迷ったんす 見てしまったのは旧二大財団の内の一つの闇ですよ?

もしもこれが警察に広く知れ渡って 松原さんが()()に遭ったら目覚めが悪いんで」


「だからってお前…… うーん……」


松原は苦い顔を中々戻せずにいた 何せ目の前にいるのはちゃんと犯罪を犯した人間だ


「……まだこの事件を追うのか?」


「そのつもりです」


「悪いがお前が思っているデカい事件ヤマに全面協力って訳にはいかねぇ

俺の仕事範囲はあくまで四季園蕾が中心であって 他に介入すると現場を混乱させる

寺田昌治の一件は別の刑事が担当するからそのつもりでいてくれよ?」


「行動の仕方によっては松原さんよりおっかない刑事が俺の敵になる訳ですね?」


「分かってんじゃねーか 俺はお前の事件前の姿勢を知っているが他はそうじゃねぇってことだ」


「注意します」


吸っていた煙草を吸い殻入れに入れる松原は深い溜息を吐く


「まぁそろそろあっちの捜査も打ち切りってところまで出てるんだ

……署内でこんな噂まで出回ってんだぜぇ?」


「何です?」


「四季園蕾の誘拐はヤラセ…… 目的は海外の保険屋から大金をせしめるってな」


「……何ですかそれ? 根も葉もないって事は無いんですよね?」


「〝誘拐保険〟って知ってるか? 文字の通り誘拐という事故が生じた場合に発生する奴だ」


「……名前くらいなら」


「誘拐犯から身代金が要求された場合 代わりに保険屋が補償してくれる

テロや戦争が頻発している国で 且つ富裕層を主に対象にされた保険商品

日本で取り扱われていないのは監禁や身代金目的の誘拐を誘発する恐れがあるからだな」


「そんな保険があるんすねぇ」


「訊いた話じゃぁ国によっては幽霊保険や吸血鬼保険 狼男保険なんてのもあるらしいぜ?」


「……んでその誘拐保険と四季園家がどう関係してくるんですか?」


「まさに身代金目的で自作自演の誘拐劇を仕立て上げたんじゃねぇかってな……

知り合いの聞屋ブンヤから得た情報だが

四季園春次が最近になって海外の誘拐保険に入ったらしい

んで今回の事件だ 誰がどう見たって怪しくねぇかって話なんだよ

おそらく誘拐犯も四季園家の内部の人間で 上手く外国先で演技決めて大金を頂く流れだろうな」


「あくまで噂程度なのに随分ストーリーが出来上がってますね? それにブンヤとも仲良しとは」


「日本は言論統制よろしくの国だからなぁ 繋がるところはとことん繋がってるぞう?

まぁ誤解を招かないようにして欲しいのはうちの県警の意向としては

仕事で疲れている大人や好奇心ある子供が 記事やらを見て何の間違いか

人間の死体の写真や過激な内容を目に入れて心身に支障をきたさないように監視しているんだ」


一通り話し終えた松原は現場に戻ろうとする


「まぁあくまで噂だ 証拠もねぇのにこれ以上の愚痴は言っても仕方ねぇ」


「……泳がしてくれるってことで良いんですね?」


「あぁ…… 俺も臆病体質な日本人の一人だが

もしお前がそれなりのモンを集めて悪人をハッキリさせてくれたらぁ……

そん時は仲間の一人になってやるよ」


手を振って彼は行ってしまった

安斎はその場から早々に離れ そしてトロリーに連絡を入れる


『どうだった?』


「死んでたよ しかも俺の顔見知りだった」


『そう…… 家の前をパトカーが走って行ったから予想はしてたけど……』


「……確認だが アンタは四季園蕾の誘拐には関わってないんだよな?」


『当たらずとも遠からずね

その子供の誘拐に四ノ海の連中の息が掛かっていたら間接的に私も仲間だし』


「直接的では無いだけ安心したよ ……アンタはこれからどうするんだ?」


『大々的にニュースになってるくらいだもの 暫くこの稼業からは足を洗うよ

子供の頃からアパレル関係の仕事に就くのが夢だったから地道に働くわ』


「そうか…… じゃぁ俺達の付き合いもこれで終わりだな」


『えぇ…… 薄暗い世界であなたに会えて良かった これから少し明るく生きられそうだ』



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