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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター2 ギャザリング
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第22話 一難去ってまた一難


ここの港では 証拠を残す機器は一時没収される

安斎のスマホ二台装備作戦は成功した

四季園蕾に似た子供も発見できず ならば早々に退散したいところだ


「よぉし全部積み終わったなぁ?」


「フレバーさん 質問良いですか?」


「ホント怖い物知らずに聞いてくるなぁ

……お前が俺のお気に入りじゃなかったら怪しまれてるぞ♡」


「アハハ…… この船の行き先は何処かなぁって気になって

せっかくこれだけ重労働してたら好奇心も目覚めちゃうんですよ」


「まぁやりがいは感じた方が良いな これの目的地は日本海の【飛翔島】だ」


「……すぐそこなんですね? この町の離島じゃないですか」


「まぁもっと行く場所があるんだが そこから先の目的地は上から教えて貰えない

人に情報が漏れれば漏れるだけリスクが高まるからな そんな俺は早漏だ」


「そっすかぁ!! ありがとうございます!!」


「それで…… 今日はもうこれで上がりだが…… お前これからの予定は?」


「実はこの後もバイトがあります 残業は予想外だったのでかなり時間が押してますね」


「じゃぁ明日にでもそうだな…… 雰囲気の良い店があるんだが……」


「あぁもう遅刻してしまいますので俺はこの辺で失礼します!!!!」


雷光の如く早口でその場を去る安斎 それを見て顔を赤らめているフレバー


「可愛いなぁアイツ…… 99%童貞だなぁ…… 味見してぇなぁ……」


一回一回後ろを振り向いては逃げる様に退勤する安斎は久し振りに恐怖を覚えていた


「もう少しで抱かれるところだったぁ…… 怖い怖い怖い怖い!!

てか得られる物は得られたんだ!! こんな場所二度と来るかってーの!!!!」




5月27日


そして二つ目のバイト先は指定のあった公園だ

港町から北陰市方面に戻る途中の【濃紫沢市こむらさきざわし】と呼ばれる大きな田舎町に集合との連絡が


「……ここで合ってるよなぁ?」


表札には【郷愁の広場】と書かれていることから メールに書かれてある場所で間違いない


「懐かしいなぁここ…… 子供の頃によく遊んでたわぁ」


濃紫沢市は安斎が子供時代を過ごした街でもあった

生まれた頃より小学校から中学の途中まで 中退と同時に別の町に独りで逃げた過去がある


「あなたが受け子?」


思い出に浸っていると 後ろから少量の声が安斎に掛けられる


「アンタが〝攫い子〟か?」


特殊詐欺に役割分担があるように 今回の闇バイトにもいくつか人を使っての経由地点がある

攫い子は子供を直接攫ってくる役割の人間だろう

つまり安斎が目を付けていた四季園蕾の誘拐犯と踏んでいたが


「いいや私はあなたから()()()()()()()を受け取る筈の人間だったんだ

だが事情が変わった 今回の仕事は中止になったことを伝えろと上から連絡が来てな」


「そりゃぁ態々ご足労でした」


「……悪い 嘘だ 私が指示役だ」


サングラスとマスクを着けている女性は 今回のダークウェブに依頼を貼った首謀者と名乗り出す


「つまりアンタがリーダー格でオケ?」


「オケだ…… 見ず知らずのあなたにちょっと助けて欲しいことがある」


なんと闇バイトの雇い主とのベンチでの会話 警察に見られたら人生破滅の展開だ


「私は四ノ海の人売り稼業の者達に 訳ありの人間を引き渡す仕事をしているんだが……

どうも最近になって邪魔する人間が現れてな それも同業の人間も同じ被害を受けてるらしい」


「……この場合は正義のヒーロー現るってことでいいんだよな」


「まぁ自分のやってることがクソだってのは自覚してるよ

だが生まれと環境上 そういう道にヤケクソに跳び込んでしまったというだけだ」


「その邪魔する者がいたとして 俺にどうしろと?」


「別にこれから私と長い付き合いをしてくれと言いたいわけじゃない

ただこういう信頼ゼロの複数人の犯罪は 一人のミスで芋づる式に捕まるのは理解してるな?」


「まぁな…… 何があったんだよ?」


「あなたに引き取らせる筈だった同じバイトの子と連絡が取れなくなった

そんな事態が今回初めてで その…… 様子を見に行ってくれないか?」


「……アンタが出向くって選択肢は? 俺のリスクが増えるばかりだ」


「バイト代は勿論払わせて貰う ……私が行けないのは個人的な理由なんだ」


「………… ……あぁ分かったよ!! 芋づる式は勘弁だ」


「すまない…… これは前金だ」


安斎の手に封筒を握り締めさせ 謎の女性はそのまま姿を消そうとする


「待て…… もし何かあった時は報告して欲しいだろ? 名前と電話番号くらい教えてくれ」


「そうだな…… 私のことはトロリーと呼んでくれ あなたは?」


「俺はミスタートイトロッコだ!!」


「……なんか あなたとは気が合いそうだな もっと昔に逢いたかったよ それじゃ」



ーーこれも悪運か……? どんどんヤバい方向に流されてる気がする……



安斎は煙草を一本取り出して安息の一時を楽しんでいた

スマホを手に持って早速電話したのは柴塚だが しかし三回鳴らしても出る気配は無い

次に刑事の松原に電話しようとしたが やはりなのか指が止まる


ーー今回の事件はあまりにも深くて広い

港の倉庫で見た事を有りの儘に伝えるべきか

伝えたことで刑事さんに危険が及ばないか 否

四季園も四ノ海も平気でヤクザモドキや人身売買を身近に置いている奴等だった

事故か何かの拍子を装って殺されても不思議じゃない


安斎は 結局報告しない選択を取る

そしてトロリーに教えて貰った住所へと足を移動させるのだった



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