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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター2 ギャザリング
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第21話 闇バイトの本性


人の目が届かない所まで建守を連れて来ると 安斎は掴んだ首を離して上げる


「なっ…… 何なんですかあなたは……」


「何なんですかじゃねぇだろ? もういいから家に帰れ!!」


「……助けてくれるんですか?」


「あぁ…… だがあんな危ない事は二度とするなよ?! NPO団体にも行くな!!」


「……嫌です」


安斎のせっかくのアドバイスを 建守は拒む


「何だと?」


「お前は…… 闇バイトの人だよな? だったら真相を警察に話せよ……」


「急に口調変わりやがって…… お前の為に言ってんだぞ!!

たった二十歳そこらの若者がどうこう出来る話じゃねぇって言ってやってんだよ!!」


「……何で俺が二十歳だって知ってんだ?」


「細けぇことはいいんだ!! さっきの今でよくそんな強気になれるなぁ?!

もうちょっとでお前の親も含めて大変な事になる筈だったんだぞ?」


「俺は正義の為に動いてるんです!!

いけないことをやっている人間に声を上げて何が悪いんですか?!」


「その結果がさっきだろうが!! あんなに縮こまっといてよく開き直れるなぁ!!」


「あれは…… 世を忍ぶ仮の姿ですよ」


「なぁに意味不明なこと言って格好付けてんだよ~~ ……いいから今日は帰れ!! な?!」


「……仕方ねぇから引き下がってやるよ」


そう言い残して建守は早歩きで帰って行った


「行動力のある中二病ってあんなに危ねぇんだなぁ…… 楽校に連絡入れるべきか……」




倉庫に帰ってきた安斎に 警棒で手の平を叩く監督官が待機していた


「んで……? あのガキどうしたんだよ?」


「ちゃんと払って貰いましたよ…… ほら」


安斎は懐から自腹で二万円を取り出して監督官に渡した


「ほぅ…… なかなか見所があるじゃねぇか?」


「あざっす!!」


「お前出て行くときに俺に言ったよな? ()()()って……」


「えっ…… えぇ言いました」


「ハッハッハァ!! 気に入ったぜぇ!! 今日から俺達は兄弟だぁ!!」


「アハハ!! ありがとうございま~す……」


「今日の残業はお前も残っていけ!! なっ……!!」


残業ってワードだけで目の前の監督官を殴ってやりたかったが

この気持ち良くなっている男から発せられる残業には 何かがあると安斎は勘付く


「俺は〝五人組監督官〟の一人 フレバー・ホープだぁよろしくな!!」


「外国の方でしたか」


「いいや イタリアと日本のハーフだ

しかし初日でツイてるぜぇ新人!! いきなり刺激的な業務に就けるんだからよ!!」


「刺激的ですか……」


積荷運びが一段落して午後17時を迎える頃

残業組と帰宅組で極端に別れ 残業組の安斎達はこことは別の倉庫に連れて行かれた

すると先程の監督官五人が真剣な顔をして フォークリフトでコンテナを運んでくる


「お前達は目の前に置かれているコンテナの中身を船に積んで貰う

船までは上り坂だから慎重に運ぶように!!」


「「「「「 はい!! 」」」」」


残業組がさっそくコンテナの中を覘く そこには


ーー……ビンゴ


誘拐されたり 金で売られたり 借金で連れて来られたりもしたのか

老若男女の人間達が鎖で繋がれていた


「ふぅ……」


安斎は覚悟していたが こういう光景を生で見るのは初めて

故に平静を保とうと意識を心掛けるが どうしても動揺は隠せずにいる


「ヒッヒィィ!!!!」


残業組の内の一人のバイトが逃げ出した しかしそいつは早々に取り囲まれ


「何逃げてんだよぉ~~?」


「こんな…… こんなバイトは内容に書かれて無かった!!」


「……ハハ 書くわけねぇだろこんな事ぉ!!!!」


警棒で滅多打ちされるバイトは痙攣した後に失神してしまう


「おい!! 商品の追加だ!!」


複数の男に連れて行かれ それを見ていた安斎の後ろからフレバーが腕を組んできた


「お前のお陰で儲かったぜ~~ 安斎~~」


「何かされてたんです?」


「ちょっとしたギャンブルだよ

今運ばれてったバイト四ヶ月の男と新人のお前 どっちが喚くかってな

四人がお前に賭けたから俺は一人勝ちの大儲けだぜ~~」


「……質問一ついいですか監督?」


「アーニーキって言えコノヤロウ!!」


「すみませんアニキ…… ここにいるその……

奴隷はいつ頃に捕まえた者達が載せられているんですか?」


「知らねぇ…… 何でそんなこと聞くんだよぉ?」


「俺はこれでもテンパってるんです

コンテナの中を見たときにふと思った事がたまたまそれでした」


「可愛いじゃねぇの~~」


フレバーは安斎のお尻を撫でながら説明して上げる 奴はゲイだった


「俺達五人組監督官は四ノ海の末端で組まされているチームだ

名前の通り五人の内 誰かがミスをすれば連帯責任として降り掛かる運命共同体よぉ

……俺達だって別に偉くはねぇんだ 会社で例えるなら係長クラスだな」


「態々ありがとうございます」


「良いって事よぉ!!!!」


思いっ切りお尻の片割れを握られる安斎は身震いしている


「おらさっさと仕事に戻れ 因みに怠け者でも使える奴のお仕置き担当は俺だからな♡」


「肝に銘じます」


さっそく安斎は檻を載せている台車を押して 四人掛かりで商品を船に運んだ

所々から悲鳴は聞こえてくるが 敵の数が計り知れない中で滅多な行動は出来なかった

監督官五人だけならまだしも 眼前の船には四ノ海グループの関係者がほとんどだと考えるべきだろう


しかしやれる事はあった

コンテナは薄暗いが けして真っ暗ではない

安斎は人目を盗み フラッシュを焚かずに檻に入れられた人間達と

そしてコンテナの中から船の写真を撮影してみせたのだった



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