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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター2 ギャザリング
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第18話 多方面潜入


バスが向こうからやって来る


「安斎さんがここに現れてくれたお陰です お世話になりました……」


「良ければ住所教えてくれ 赤坂沙希さん」


「えっ……?」


「俺はこの事件をこれからも追っていきます

道中娘さんに逢ったら 帰れるよう手助けしますので」


「……ありがとうございます」


バスに乗る赤坂 希望と不安に満ちている彼女の姿を 安斎は見送った

そして刑事の松原に連絡を入れる


『小柄な闇バイト野郎か…… 複数犯って点ではお前が正解だったな

それに現場は同じリタワールドだったかぁ……

二年前だから難しいなぁ…… 共謀だとしたら当時の捜査資料もアテになるかどうか』


「そっちは何か進展は?」


『悪ぃが何も無い…… だが直接子供を攫った犯人

そいつを警察で〝グラスフロッグ〟と呼ぶことになった

いくら透明になろうとも内蔵エビデンスはしっかり見える場所に必ずあるぞと

まぁ…… 内輪を鼓舞する意味合いで付けられたんだがな』


「その言い方だとまだまだ難航しそうな雰囲気ですね」


『あぁ…… 俺の勘だがこれはもっと視野を広げねぇといけねぇデカいヤマになりそうだ』


「それは同感です ……それとは別に松原さん 四季園岳斗ってご存知ですか?」


『あぁ知ってるぞ テレビには出ないが関東ではちょっとした問題児だ

ヤクザよりも質が悪い半グレだな』


「やっぱり四季園一派が後ろ盾にあるんですね?」


『何か気になるのか?』


「こっちの県に来てます」


『はぁ?!!! ……いや四季園蕾ちゃん探しに駆り出されてんのか』


「そう言ってました」


『あまり関わるなよ? ……奴にはある意味暴対法が効かねぇ』


「法治国家が何言ってんすか……?」


『根回しだよ根回し!! どれだけアイツを豚箱にぶち込んでもスルっと出所されちまうんだよ

報道規制が入ってマスコミもまるで興味無いフリして相手しねぇ……

捕まるとこから出るとこまで世間に知られなければ 実質何も起きてねぇってマジックだ』


「財の力は恐ろしやっと…… まぁ俺からはこんなもんです」


『分かった 引き続きホウレンソウだからな!?』


「了解で~~す」


通話を切る安斎はそのまま事務所へと戻った




辺りが真っ暗になってようやく帰宅すれば

日頃の疲れが溜っていたのか 柴塚はソファーで爆睡していた

安斎はパソコンを起動し 昔使っていたダークウェブを開く


「子供…… 買い取りと……」


勿論すぐにヒットする訳ではない

闇サイトの質が悪いところは バカ正直に目的を文字に起こさないところだ

寧ろあからさまなサイトほど外した方が得策


ーーどうせ赤坂夫妻に近付いたガキも騙された口だろうしなぁ……


しかし闇バイトこそが今の安斎が掴んで離さない解決の糸口

サイトそのものを見つけるよりも 四季園に関するワード検索も並走させていた


ーー赤坂舞香の件と四季園蕾の件ではまだ同一犯だと言えない点がある

それは赤坂家は両親が合意という形で起きた事件だが 四季園家はそうではない

親がうちに依頼を出すほど血眼になって捜しているから 四季園家が子供を売るとは考えにくい


ネットサーフィンは夜通し続き




5月26日


朝方 柴塚が起きると何やら紙にメモっている安斎の姿が

顔を洗って何をしているかと覗いてみると


「何してるんですかぁ~~?」


「やっぱりこの二つだな…… どれだけ近付けるか……」


「……?」


「悪ぃがこれから数日姿を消すから」


「……何故?」


「闇バイトしてくる」


「朝っぱらから冗談キツいっすわ~~ 所長~~」


「しかも掛け持ちだ」


「闇バイトのダブルワークって聞いたこと無いんですけど?」


「一つは受け子 目的の物が金とは書いてなくてニホンカモシカと書いている」


「ジビエが欲しいなら普通に買えばいいのに……」


「いいやおそらく体重がヒント

赤坂舞香も四季園蕾も両方10歳だ 小学四年生の平均体重は約35㎏

ニホンカモシカのメスの理想体重は約35㎏と言われている だからこれは隠喩と見た」


「ターゲットとしては申し分ないけど…… 考え過ぎな気も」


「もう一つは四ノ海グループが所有する港の倉庫で コンテナに何かを積むバイトがある」


「何で闇サイトなんかに…… 普通に表で人を雇えば……」


「連れ去って来た子供を海外に輸出するとしたら?」


「……何故四ノ海が関わってくるんです?」


「それは俺の直感だ 今はまだ話せねぇ」


「……あんまり危険なところに行かないで下さいよ?」


「子供じゃねぇんだから…… 今日から別行動になるがお前はどうするんだ?」


「実は四季園蕾のご家族クライアントから直接会いませんかって言われたんです

今までメールや電話でのやり取りだったので 一回依頼相手と接点を深めようと思います」


「……気を付けろよ?」


「えっ……?」


安斎は柴塚に四季園岳斗のことを伝える


「そんな危ない人間が四季園の一派に?」


「俺に躊躇無く刃先を向ける奴が旧財団の中にいると思って行動しろよ?」


「……大丈夫ですよ!! 今の時代は特に殺しはハイリスクですよ?」


「……そこんところ一般基準で通らねぇのが金持ちの思考だ」


「何ですかぁ? 私のこと心配して下さるんですかぁ??」


「……うるせぇ!! いいから用心しろ!!」


「はいはい…… 私がいなくなったら所長泣いちゃいますもんね~~!!」


「……互いに朝食まだだろ? たまには外食しようぜ」


「……えっ まぁ良いですけど じゃぁ一旦家に帰らせて貰います」


唐突の外食のお誘い 柴塚は脱いだスーツを抱いて事務所から出て行った



ーーいやっ…… 近くのファミレスで軽く済ませるだけなんだが……



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