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高校入学2日目から、転生魔王がうざい  作者: 林海
第二章 冒険の始まり

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第9話 「むーむーむーむーむー」


 材料がない中での話し合いって、不毛だわー。

 私がなぜ前世を思い出せないのか、ケイディとああだこうだ話したけど、生まれ変わりのシステムとかもわかっているわけじゃなし、どうにもこうにも話が進まない。


 ケイディは、私の中になにか思い出せない理由があるはずだって言う。そして、その延長で心理テストみたいなのを私にたくさん仕掛けてきたけど、だからといってなにかがわかるわけでもないよね。

 最後の方は、なんかケイディに心の動きを見透かされているような気がしてきて、私、結構いい加減に答えていた。

 ケイディは真面目にメモっていたけどね。


 私のことは私が一番わかっている。前世を思い出せないのは、そんな私の中だけのもんだけじゃなく、なにかもっと大きな理由があるはずなんだ。だってさ、橙香だって思い出せていないんだから。



「……そろそろお茶菓子も出しませんか?」

 私の問いに、ケイディは露骨に顔をしかめた。

「空茶で3杯目。まぁ、たしかに美味しいけど、おせんべいかなんか欲しいわね」

「ない。ここは基本的には飲食禁止だ。だが、今は片目をつぶっているのだ。食料まで出したら言いわけができなくなる」

「嘘だよね、それ。そうだとしたら、なんでお湯が沸かせる設備があるのよ?

 てかさーーー、これだけ協力しているんだから、この尋問部屋から出しなさいよ。そろそろ、トイレだって……」

 私がそう言いつのるのに、ケイディは吐き捨てるように答えた。


「熱湯を使った拷問だってあるんだ。それに、勇者にボールペンの1本でも持たせたら、その段階で我らは終わりだ。そのリスクは負えない」

「信用されてないのね、私」

 まぁ、そうなんだろうけどさ。そんな感じで部屋の空気が悪くなったところで、ドアがノックされた。


「入れ」

 ケイディの言葉にドアが開いて、2人の男が入ってきた。そしてその間には、ぐるぐる巻きに縛り上げられ、頭から麻袋を被せられた辺見くんの姿が……。


「むーむーむー」

 あ、袋の上から猿ぐつわが掛けられているのね。その減らない口はこうやって閉じればよかったんだ……。さすが国家機関。勉強になるわー。次から私もこうしよう。


「魔王が真っ先かよ」

 ぴた。

 私の声に、元魔王の辺見くんの藻掻きは一瞬で止まった。そして、頭の部分の麻袋が横に傾げられた。

 うんうん、「?」の古典的表現だね。でも、それって女子が使う表現方法じゃない?


「とりあえず、5分間、黙って話を聞いて。そうしたら、拘束は外すから」

 こくこく。

 うん、ちょっと面白い。


 ケイディと視線でなやりとりして、了解を得て私は辺見くんに説明を始めた。

「あのね……、実は……」

 と話したところで気がついた。


 私、同じことを辺見くん、戦士の橙香、賢者の結城先生、武闘家の宇尾くんにも言わないといけないんだ。

 つまり4回繰り返すってこと。そう思ったら面倒くさくなっちゃってね……。


「あのさ、説明繰り返すの面倒くさいから、全員揃ってからにするわ。しばらくそのままで待っていてくれない?」

「むーむーむーむー」

 なによそれ。抗議?

 生意気ね、元魔王。


「むーむーむーむーむー」

 アンタ、猿ぐつわされていてもうるさい。

 足踏んでやるっ!!

やはり、前世の知り合いと合流すると、人格が変わる勇者なのであった……。

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