表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校入学2日目から、転生魔王がうざい  作者: 林海
第一章 冒険仲間と魔王との再会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/184

第35話 4日目の朝3


「阿梨、わかった。

 魔王の辺見くんが嫌でなければ、私が行く。その代わり、聖剣タップファーカイトの力は出し惜しみしないで協力してね」

 燈香の言葉に私、なんの反応もできなかった。口を開きかけ、でも言葉なんかでやしなかったし、そもそも反対したら良いのか、賛成したら良いのかすらわかっていない。


「辺見くん。私じゃ役者不足だとは思うけど、深奥の魔界と共に戦おうね。この世界を救うために、私、がんばるから」

「なぜ……」

「……勇者1人に犠牲を強いるのは、よくないことだもんね」

 魔王の問いに橙香はそう応える。

 その覚悟が示された顔はとても美しく見えた。


「あの……」

 私が言いかけるのを、橙香は遮る。

「もういいよ、勇者阿梨。それより魔王、あなたの意志が聞きたい。私でも良い?」

「そんな、人身御供に差し出される村娘みたいな顔で言われても……。あのな、余は最初から勇者の協力は求めはしたが、それだけぞ。『余と勇者で子を成し、2つの世界の融和の象徴とせよ』というは、そちらの賢者の案。かつて戦士であった蓮見橙香が余と、その、あの……」

 ……なにをテレているんだ、この魔王は?

 ……余と勇者で子を成しって言っていたときはテレなかったよな、コイツ。

 なんか、猛然と腹が立ってきたぞ。


「成敗っ!」

 私がそう叫んで、元魔王の辺見くんの頭を張りとばすのと、一時間目の授業で数学の掛川先生が入ってきたのが同時だった。


「五月女さん、なにをしているのっ!?」

「……あっち向いてホイの手が滑りました」

「どういうこと?」

 ……そうだよね、これじゃ納得しないよね。この間、隣の県でいじめで自殺者が出た事件もあったし、疑われるよね。うう、とはいえ、いじめですって告白できたらどれほど楽だったんだろう。2つの世界を救うための痴話喧嘩……、いいや、痴話喧嘩なんかじゃない。私は魔王をキライなんだからっ!


「あっち向いてホイで勝ったら攻撃、コレで防御できたらセーフ、できなかったら痛いというゲームで……」

「五月女さん、あなたがいうコレって、辺見くんの数学の教科書じゃない。どういうことよ?」

「いや、あの、その」

 うわぁ、地雷踏んじゃったよ。なんでノートの方を持たなかった、私?


「高校生にもなって、教科書を人を叩くようなゲームに使うのは……」

「それはごめんなさいっ。机の上のものならなんでも良いってルールだったんで、つい……」

「つい、じゃないでしょ?」

「……はい」

 しーん。

 クラス中が静まり返っている。

 ああもう、私のバカ。なにをやっているのよ?


 そこへ辺見くんの声が響いた。

「……先生、五月女さんが言っていることは本当です。蓮見さんが審判でした。クラスの学級委員同士で、そんないじめとか、バカなことはしません」

「本当なのね? いじめじゃないのね?」


 その追求に、今度は燈香が答えた。

「はい。辺見くんの言うとおりです」

「本当? ならいいけど、妙に五月女さんの腕に力がこもっているように見えたのよね……」

「それは盾がある前提だからです。でも僕、実際には教科書を盾にするのは躊躇ってしまい、つい叩かれてしまいました」

 くそ、得点稼いだな、元魔王め。


「……辺見くんがそう言うなら、まあ、いいわ。五月女さん、あまり調子に乗らず、次からは自分の行動に気をつけるのよ」

「ちぇっ」

「五月女さん?」

「……ごめんなさい」

 私はそう、しぶしぶ謝ったんだ。

今年最後の更新が「……ごめんなさい」で終わろうとは……w

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ