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高校入学2日目から、転生魔王がうざい  作者: 林海
第三章 魔界にて

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第28話 核爆弾の真意


 だけど、ケイディの返答はあまりにそっけなかった。

「答える義務はない」

 それだけ。

 これってさ、持っているってことに他ならないよね。


「2週間くらいしか有効期限のない核弾頭ということだが……。

 ワイバーンが3日間飛ぶ距離となると、徒歩で60日間掛けてもたどり着けない。余が魔法を解禁され、全面的に協力したとしても10日は掛かるだろう。極めて順調に行っても、だ。そのようなもの、持ってきたこと自体が無駄になるかもしれぬぞ」

 元魔王の言葉を、ケイディは無視した。つまり、なんの反応もしなかったんだ。


「それに、なにより問題なのは、あのロボット犬、バッテリーが1週間しか保たないんでしょ。熱がどんどん出ちゃうよね?

 そのあとはどうなっちゃうの?

 っていうより、どうしようと考えているわけ?」

 それにもケイディは答えない。


 そのとき、私の頭に神様がささやいた。

 ケイディの考えていること、雷に打たれたような衝撃とともにわかっちゃった。

「ケイディ、私、さっきの賢者の『対物ライフルの弾丸に仕込むことだってできるでしょ』ってのに引きずられちゃったけど、弾丸にする必要はないんだよね。時限爆弾にして、ここ、魔王城に仕掛けて去るつもりだったんでしょ?

 過去、私たちの世界に直接攻撃してきたのはここの魔族。そういう意味で、この魔界は脅威。だけど、魔王城が消滅すればここは深奥の魔界の魔族の草刈り場になっちゃう。

 こうなれば、しばらくは私たちの世界に深奥の魔界の魔族が攻め入ってくることはない。その間に異世界への通路構築の準備を進めておいて、事態がきな臭くなったらこの魔界に核をどっかんどっかん使って、ここと深奥の魔界の魔族を皆殺しにするつもりなんだよね?

 ここで核を使うなら放射能汚染とかも考えなくていいし、生態系も破壊し尽くして構わない。核実験もし放題。いいことづくめよね」


 私の言葉に、ケイディはなにも言わずに視線を逸らした。

 だけど、私、わかっちゃった。ケイディ、今まで視線を逸らすとき、いつだって左右のどちらかだった。下に視線を逸らすことは一度だってなかった。今回はさすがに罪深さを感じていて、だから下を向いた。きっとケイディだって、内心に葛藤を抱えているんだ。

 ケイディ個人としては、こんなことをしたくはないんだろうな。まぁ、よほど脳みそがイッちゃっていなければ、核爆弾の起爆なんかできないはずだよね。


「これって、ケイディへの命令なの?」

 おおう、久しぶりに橙香がしゃべったぞ。

「軍人って大変よね。命令だから、従うしかないんでしょ?」

 さらにそう言って、ケイディの顔を覗き込む。だけどケイディは、顔を橙香から背けた。


「ここへ来てみて、魔族たちと話して、どう思った?

 私ね、勇者の阿梨の言葉に疲れ果てる『謀略のアウレール』を見ていたらね、私たちと変わらないんだと思ったよ。姿は怖いけどね」

「うん、俺もそう思った。ここに来るとき、スライムたちがきいきいと高い声で『……家計が』とか『教育費もままならず』とか言っていたもんね。普通のサラリーマン家庭みたいだと思ったよ」

 と、今度は宇尾くんが追い打ちを掛けた。


 ケイディは、手をぎゅっと握っている。きっと、いろいろと悩み、考えているに違いない。

うわぁ、怖い怖い。

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