唖然
《S通りに着いたわ・・・ダラ
貴方は今 どこにいるの?》
ノエルは 無線機に向かって話す。
「おっけーノエル
いま君の姿を確認した・・・
思ったより君が 若いのでビックリしたよ」
《それはどうも・・・それで何処に行けばいい。》
「いま 君の向かいで手を振ってるよ・・」
ダラは そう言いながら
トラックの窓から手を振ってた。
《トラック?》
ノエルは笑いながら言う。
「どうだよ 宅急便のトラックだけど
色々運べて便利なんだよ。」
ダラは 冗談を交じえながら言うが
彼の視線は既に 少女を観察していた。
「あの子は ・あの格好で
どうやってこの地獄から逃れた・・・・」
ダラの彼女に対するファーストインパクトは
疑問符が浮かんだ。
ノエルは 小走りで道路を横断し
ダラの待つトラックに向かった。
ダラは 運転席から降りると
ノエルを後ろに誘導し荷台の扉を開けた。
《えっ・・・まさか後ろに乗せるき・・・》
「そうだよ!!」
ダラは即答した。
《えっ・・・あたし女の子だよ・・
荷台はちょっと・・・無理だわーーーーッ》
ノエルは高速で首を振る。
「でも・・君・・助かりたいんだよね?
俺だって予定外の任務を任されてるんだ。
それに・・俺達のコロニーの場所を
簡単に教える訳には行かないし・・
生存者を受け入れてない・・・・・
それが嫌なら 自力で生き残れよ・・ 」
ダラはワザと突き離す言葉を吐き
荷台の扉を閉めようとする。
《困っている時は 助け合うべきよ!》
「そう思うなら 文句を言わずに乗ってくれ・・」
ダラは 扉を再び開け 荷台に乗るように促す。
《わかったわ・・・》
ノエルは仕方なくトラックの荷台に乗り込むと
「協力的でありがとう・・・・」
ダラは 夜空に一際輝く閃光を見ながら扉を閉めた。
ガシャーン!!
ガチャガチャガチャ・・・
朱雀と 宮原の前に武装した集団が行く手を塞いだ。
『なに者・・・だ・・・』
瀕死の宮原だが 武装した者達に銃口を向ける。
『大丈夫・・我々の同志だ・』
朱雀は 宮原の銃を持つ手を下げる。
『彼等はいったい何者・・・
自衛隊でも・・・SATでもなさそうだ・・』
『彼等は 我々コロニーで訓練された戦士
フロンティアの戦士よ』
朱雀が言う。
『コロニー・・・フロンティア・・・・
何を言っている・・・・
まさか!?
えっ・・・・
もしかして・・・
俺・・死んで・・・異世界にでも来たのかな・・・
ゾンビいるし・・怪物だっている・・・
宮原 浅からず遠からずだ・・・
『今の貴方に話したところで
最初から理解などしない・・
だから 安全なフロンティアに行ってから
ゆっくりと順を追って話をする。
よし 宮原・・・
これから 我々のフロンティアに行くぞ・・・』
『フロンティア・・って ・・
どうやって行くのか知らないけど・・・
東京は 自衛隊に包囲されている・・・
脱出は不可能だ・・・』
『ふっ・・・我々を甘く見るな ・・・上がある・・』
朱雀が空を指差すと ビルの合間から
黒い機体が姿を現した。
『あれは・・オスプレイ・・』
朱雀はニヤリと笑う。
宮原に思い当たる節があった。
SATの特殊訓練に参加して来た時点で
何らかのコネがあると思っていたけど・・
規模がデカすぎ・・・
『君達は何者だ・・・』
流石の 宮原も唖然とするしかなかった。
「朱雀さん大丈夫ですか?」
隊員の一人が言う。
『大丈夫だ・・・・・
そんな事より・・・・
通信機を』
隊員が急いで イヤホン型のマイクを渡す。
『リン聞こえる?』
「朱雀聞こえてるよ!!」
『怪我人がいるタンカーを降ろして欲しい』
「わかったわ・・・直ぐに降下させる。」
『頼むわ・・
スクタ聞こえる・・・・
あの女情報を・・・・』
「朱雀無事で何より
あの女とは・・・
天海ノエルの事かな?
それなら大丈夫!!
ジャンに任せてある。」
『そうか ・・・』
「彼女のプロフィールを聞きたいか?」
スクタは パソコンを巧みに操り ノエルの情報を見る。
『今は あの女のプロフィールなどどうでもいい』
「まあまあ 聞いて損はないよ・・・
朱雀・・・
天海ノエルは 天海光彦と
その妻 天海タムとの間に産まれた一人娘で
生きていれば 三十代前後ってところだ」
それを聞いて 朱雀は目を見開く
『三十代・・・間違いないのか?
でも あたしが見た奴は
どう見ても十代の少女・・』
「さっきも言ったが 生きていればだ・・・
だが 天海ノエルは 残念ながら 十数年前に
母親とともに事故死している・・・」
朱雀の目が大きく見開いた。
『死んでる・・・・・・
それ………本当なの……
じゃあ あの女…ノエルはいったい誰なの?』
「いいや そうとも言いきれない・・・・
少なくと あのノエルは・・・
本物の可能性も捨てきれない・・・」
『スクタ・・・何をまた訳の分からない事を・・』
「まぁ聞け・・・
その謎を解くのが父親である
天海光彦
この名は偽名だ。
彼は ある学会で ある発表をした事で
変人扱いされ 博士号を剥奪
つまり マッドサイエンティストとして
学会を追われた
その男の名は明智 光彦だ。
『その男がなんの関係がある・・・・』
「大ありだ。
彼は なぜ学会を追放されたか?
彼が研究していたのは禁断の秘術とも呼ばれる
クローン計画だからだ。」
『明智はなんの為にクローンの研究をしていたの・・』
「彼は 我々が考えるほど 悪い人間ではなく
寧ろ
医学の為に役立てようと考えていた。
だが・・・・・
例の如く 神への冒涜から始まり
他の科学者達から変人扱いされ
彼は学会を追放された・・」
『それが 今回の動機に?』
「いいえそこまではまだ分かりません・・・」
『そう 分かり次第連絡して・・・・』
朱雀はそれだけいうと通信を切った。
宮原は降りて来たタンカーに
乗せられ運ばれるところだった。
『ゾンビ騒ぎが発生するとわかってるのに
食い止められなかった・・・
だが手掛かりは 見つけた・・・・
1度フロンティアに戻って態勢を立て直すわ。 』
朱雀は 不満そうな表情で言った。
『彼女を追わなくていいのか?』
朱雀は頭を振る。
『あんな怪物がもっと他にもいるとしたら
今の装備では 戦い抜けない・・・』
朱雀は深いため息を吐く
『朱雀・・・・気休めかもしれないが・・
・ こうなったのは 誰のせいじゃない・・
君はよくやった・・・・・ 』
『えぇ・・・・・・』
朱雀は力なく応え 合図を送ると
宮原の乗ったタンカーは 引き上げられて行った。




