ゲーム
《もう この辺までこれば大丈夫よ・・》
少女は 走るのを勝手にやめる。
『なぜ 勝手に止まるの?
ここはまだ危険よ・・』
朱雀は 少女を見る。
《うふ あの異形と呼ぶ 怪物なら大丈夫よ・・・
あなたのお友達は 確かアルパカちゃんって言ってたっけ?
そのアルパカちゃんに 貴方のお友達と遊ぶように言っておいたから・・
アンダーティカーは あたしに忠実なの♪》
少女は朱雀から手を離し
彼女は朱雀に向け微笑を浮かべる。
《あの子 仲間を二体も殺られているから
かなり落ち込んでいたの・・
可哀想になって 手助けしちゃった♪
ほら ペットの世話をするのも飼い主のつとめでしょ♪》
少女は笑う
『なら ・・・貴女も怪物なの・・・』
朱雀は 腰に手を回し
二頭の牛を象った短刀を握る。
《まぁ 貴方達オリジナルから見たら
あたし達は 化け物かもね♪》
少女は戯けた口調で言う。
『そう・・・
このふざけた趣味の悪い悪戯も貴女が考えた事ね・
目的はなに?』
《悪戯・・?
この私が・・・・そう・・
そうね♪
もうバレたのか・・・
なんでわかったのかな?
あんなに慎重に計画したのに・・
少女は首を傾げ 不思議そうに朱雀を見る。
《あなたこそ どこまで知っている?》
『それを知ってどうする・・・』
《どうもしないわ・・・どうせ貴女達じゃあ
私達の計画はとめられない》
少女は頭を振る
『私達って他に仲間が・・・・』
《この素晴らしき計画・・・
いいえ 最高の遊戯を悪戯と呼ぶなら
好きに呼んでも構わないわ・・・
でも あたし達に味方する同志もまた多勢いる
そして・・勝つのはあたし達よ・・》
少女は腕を胸の辺りで組み 朱雀を見上げる
『そんなことはさせないわ・・・・
私が貴女を倒し 今度は私が宮原を救う。』
朱雀は二つの短刀を少女に向け構える。
《クッフ・・・あっはははははは・・・・・
貴女如き人間が あたしを倒す。
貴女ほんとに
馬鹿なの・・・?
ククククク・・・・》
少女は朱雀を挑発するように お腹を抱えて笑い出す。
『お尻を叩く程度で許してあげようと思ったけど・・・
そう行かなくなったね・・・』
朱雀は 少女を睨みつける。
《それは こっちの台詞だ。
弱い人間が好き勝手言って・・・
貴女が相手にしているのは
誰だと思ってんの!
ラスボスよ
ラ
ス
ボ
ス
貴女如きに負ける訳ないじゃない・・・》
少女は口元を吊り上げニヤリと笑う。
『そう 貴女がラスボス・・・・
なら貴女を倒せば あなたが言うゲームはお終いね』
朱雀は 地面を強く蹴り少女に向かって斬り掛かる。
《ほんと・・・あんたって嫌な女・・
・えっ!?
・・うそッ・
少女の目が大きく見開く
ちょっと待って・・速くない!?・・
朱雀はいっきに間合いに入り込み
少女の喉元目掛け短刀を振る。
少女は 身体を横にスライドさせ朱雀の攻撃をかわし
朱雀は 少女の残像を斬りつけた!!
『あと一歩・・』
朱雀はそう言いながら 間髪入れずに
身体をひねりながら 少女の方に向けジャンプ斬りを放つ
少女はまた 身体を横にスライドさせ
朱雀の斬撃をかわす。
《なぜ・・・・なぜ・・・
なぜ・・・この女の攻撃に迷いがないの・・・
はっ・・・!?
少女の目が大きく見開く
朱雀の 斬撃が 目の前に迫っていたからだ。
《殺られる・・・》
少女は死を感じた。
ガシッ!!
宮原の胸元に 怪物の手が添えられた
つぎの瞬間
190cmを越す宮原の身体が浮き上がり
風の抵抗を受けながら飛ばされていた。
ドーーン!!
グハッ・・・・
背中に強い衝撃が走り宮原は膝から崩れ落ちる。
地面に手をつき
何とか倒れるのを避けた。
宮原は 放置された車体に背中を叩きつけられのだ。
車体側面は大きく凹み
まどガラスは粉々に飛び散った。
アーマースーツのお陰で 致命傷は免れた宮原
とはいえ 不完全アーマースーツでは
あと1、2回耐えるのが精一杯であろう
と
宮原は 考えたが
そのうちの1回目が 直ぐに訪れる。
地面に四つん這いになった宮原の顔面を掴まえると
片手だけで 宮原を持ち上げる
グうおおおおぉ
怪物は咆哮をあげ
車のボンネットの上に
宮原を叩き落とした。
『グハッ・・・!!』
・・・あの野郎・・完全に遊んでやがる・・・
宮原の身体が持ち上げられ
まるでキャッチボールでもしているかのように
宮原の身体を遠く離れた車体に向け投げ飛ばす・
ドシャーーーン
数メートル先のワゴン車に激突し 宮原は地面に倒れる。
コロン
激突の衝撃で 宮原の前に箱型の物が転がり落ち
宮原は その箱を見つめる。
歯を食いしばり 満身創痍の身体に鞭を打って
宮原は 立ち上がるが
フラフラと身体を揺らし
バランスを崩しその場に崩れ落ちた・・
異形の怪物アンダーティカーは 二足歩行で
ゆっくりと宮原に向かって歩いてくる。
宮原は 再び ゆっくりと立ち上がる
フラフラとバランスを崩し ワゴン車にもたれ掛かる。
『来いよ・・・・アルパカちゃん・』
宮原は ワゴン車に身体をあずけたまま 拳銃を抜く
そして
ゆっくりと銃口を向け
引き金を引いた。
パーン パーン パーン!!
数発撃ったうちの 二発は命中したが
異形の怪物の硬い皮膚に阻まれ
アンダーティカーには効いていなかった。
寧ろ 半端な攻撃が 怪物を怒らせる結果となり
怪物は ワゴン車に身を任せる宮原に向かって
飛び掛かった。
『そうだ…馬鹿物………』
グワッシャーーーーン!!
アンダーティカーの攻撃でワゴン車が半壊するが
宮原はギリギリの所までひきつけてから
攻撃をかわしていた。
『終わりだ・・・・』
それと同時に 宮原は横っ飛びをしながら
銃口をワゴン車に向け引き金を引く
ダーン!!
弾道は 宮原の計算通りに飛んで行き
目標物を貫いた。
ドゴオーーーン!!
爆音 爆炎 黒煙があがり・・・
異形の怪物アンダーティカーは
ワゴン車ごと爆風で吹き飛ばされ
怪物は頭から垂直落下に地面に叩きつけられた。
グゥギギィ・・・・・・
追い打ちをかける様に ワゴン車が怪物の身体の
上に落下し
怪物の動きが止まった。
『ジ・エンドだ。』
満身創痍の宮原は
怪物に背を向け朱雀の元に向かって歩き出した。
『これで三体目…
アルパカキラーだな…』
宮原は呟いた。




