六体目 希望の地
ダンダン ダンダン!!
突然 ロケバスの扉が叩かれた。
慶次達は 驚き 視線を扉に向ける。
佑は 扉に近づいていき
ガラス越しに迷彩服姿を確認した。
「迷彩服を着た自衛隊員もしくは サバイバルの人」
佑はアバウトに言った。
「自衛隊員なら 私達を保護してくれるかも・・・」
黒川は期待を込めて言う。
「おい・・誰かいるのか・・・
おい ・・いたら開けてくれ・・・
俺達は 山形駐屯地から来た者だ。
頼む・・・」
AD佑は 誰の許可をえず勝手に扉を開けてしまう。
「これは 驚いた・・・まだ生存者がいたか・・・
よくもまあ 生き残れたな・・・」
自衛隊員らしき二人はバスに乗り込み
一人の自衛隊員は辺りを確認しながら扉を閉めた。
「俺は長尾で こいつは宇佐美・・・」
自衛隊員は バスの中を見ながら言った。
「ところで 君達は何処から来た・・・
いいや・・・どうやって今まで生き延びた・
この地獄を・・・・
武器は食料は・あるのか?・・」
自衛隊員は 矢次のように質問をしてくるが
慶次達は圧倒され答える事は出来なかった。
「すまない・・
我々ばかり質問して・・」
宇佐美と呼ばれた自衛隊員が頭を下げる。
「あの・・・・山形駐屯地から来たと言いましたが・・
山形駐屯地は無事なのでしょうか・・・」
AD佑は 宇佐美に質問する。
「残念ながら・・・四日前に全滅した・・・
「全滅した?」
「あぁ・・・散々だった・・
大群に襲われ
あっという間だった・・・・あれは戦いでは無い・・
一方的だった・・・」
宇佐美は頭を振る。
「不意をつかれた・・・
いいや・・・
実戦経験がない俺達には・・・・
為す術が無かった・・・」
「それでお二人はどうやって生き延びたのですか?」
AD佑は 皆の聞きたいことをストレートに聞いてくれた。
「俺は戦車隊で正面を守っていた。
さっきも言ったが 不意を突かれ
俺達の隊が気がついた時には
キャンプは敵味方入り乱れての大混戦で
どうにもならなかった・・
壊滅するのに・・・そんなに時間は掛からなかった
長尾は唇を噛み締めていた。
「私は その時生存者の捜索にあたっていました・・・
キャンプに戻った時には・・・」
私も敵の手に 落ちたキャンプ地を
目の当たりにして愕然としました・・・
いま・・日本で何が起こっているんだって・・・
頭の中がパニックになりました・・・
気がついたら森の中をさ迷っていて
そこで
長尾とあって・・今に至ります・・・
「そうでしたか・・」
流石のAD佑も言葉につまり果てる。
「私達は これから
ブルーフォレストという所にに向かうところですが・・
貴方達も ブルーフォレストに向かう
所なんですか?・・・・」
宇佐美は AD佑の表情をうかがう
《ブルーフォレストとは?》
慶次が宇佐美に聞き返す。
「おい・・・まじか・・お前達・・・
ブルーフォレストを知らないのか?」
長尾が 嘘でしょと言わんばかりに慶次達を見る。
「えっ・・・はい・・」
AD佑は頷く。
長尾は頭を振り
「君達は今までどこで暮らしていたんだ。
シェルターにでもいたのか?」
「えっ・・・まぁそうい事ですかねぇ・・
長い間 山奥のシェルターでひっそりと・
・ 暮らしていたから・・・さっぱり…」
佑は大袈裟に頭を振った。
「そう言う事か・・・
ならブルーフォレストの事を知らなくても仕方ないな・
なら ・教えてやる・・・
今の日本と呼べる場所で安全な場所は
多分北か南だけだ・・・
その一つがブルーフォレストがある北
旧名は 青森県・・・・
俺達は 人類最後の砦
ブルーフォレストに向かう。」
自衛隊員長尾は言った。
「もしよければ 君達も一緒に
ブルーフォレストに行かないか?」
宇佐美が提案する。
「間違いなく ここよりは百パーセント安全だ
それは 私が保証する・・・」
《なぜ そう言い切れるのです?》
慶次が宇佐美に聞く
「それは青森と北海道は
世界がこうなる前から準備をしていたからだ。
高い壁をつくってね。」
長尾が言った。
《壁・・・・・・》
慶次は 新聞の記事を思い出した。
《もしかして ・・・・
津波対策の・・》
「何だ知ってるじゃん・・・あれは表向きの話だ。
本当は この時に備えていたのさ。」
《いいえ これは今朝知ったばかりで
そこのコンビニに置いてあった
雑誌で知ったんですよ。》
慶次は 長尾に雑誌を渡す。
「こいつは・・・・・二年前の物だな・・・」
《二年前・・》
ーーーと、
言う事は 俺達は七年の時を越えたのか・・・
「それでどうする?
俺達と ブルーフォレストに向かうか・・・・
食料のないこの土地で食料を探し
またシェルターに戻るか・・・
でも後者はお進め出来ない・・・ 」
《どうしてだい?》
「首都圏を中心に 関東圏や中部圏は
奴らに制圧されたと考えてもいい
ならもう俺達には北に行くしか道はない・・・」
「でも決断するなら早い方がいい・・・
奴らが戻って来る前にここを逃げないと
俺達も仲間入りだ・・」
宇佐美は窓の外を見ながら言う。
「とりあえず 君達がブルーフォレストに行く
行かないにしろ
奴らが居ない圏内まで逃げた方がいいのは間違いない
もし ブルーフォレストには行かないと言うなら
その安全圏内で私達を降ろしてくれれば助かるのだが」
宇佐美は控えめに言う。
「おい 姉ちゃん ここにぶっ倒れている
男は噛まれたんじゃねーよな!」
長尾が持っていたライフルを倒れている男に向ける。
《それは無い 神にかけて誓う》
慶次が言う。
「では・・何だ・・!!」
「ただの良くある意見の不一致だ・・」
黒川が 言った。
「そうか・・・お前が当事者か・・・
ふっ ・・
オッサンあんたは正しいよ!!
このご時世 ハミ出し者は
切り捨てるか殺すしかない・・
そう言う者は必ず混乱を招き・・
いずれ 災いとなる…
俺達が崩壊したようにな・・・
それで運転手は何処にいる。」
「そのハミ出し者が運転手だ。」
黒川が言った。




