実力差
「それは、やりすぎです!!」
攻撃を止めたのは、ティエルだった。
身体強化魔法を使い、ヴァイルに向けて振るわれたメイスを素手で受け止めていた。
メイスは完璧に受け止められ鋭く尖っている部分も、ものともしていない。
「ふざ――」
冒険者は悪態をつきティエルから離れようとしたが、それは間に合わなかった。
目の前に現れた健脚が顔面にめり込み後方に吹っ飛んでいってしまったからだ。
「ヴァイルさん! 私も戦います!」
冒険者の狙っている場所が場所なだけにティエルはヴァイルの言いつけを無視し防御、反撃に回ったティエルが振り返りヴァイルのことを見る。
「……はあ………助けてくれてありがとうございます。ですが余計なお世話でした」
ヴァイルは、ティエルを突き放すような言葉を、面を向かって言い放った。
「怪我はできるだけしないんじゃないんですか?」
それに対して、ティエルも負けじと言い返した。
「それを言われると弱いですね……分かりました、どうしても容認できない場合のみ参戦してください」
「はい」
「気づいているとは思いますが相手の冒険者がCランクだとしてもそれはパーティーでCランクと言う事です。個人のランクはそこまで高くないのでゴブリンキングの時のようなノリで攻撃すると殺してしまうかもしれないので気を付けてくださいね」
「わかっています」
「では、戦闘を再開しましょうか」
ヴァイルは、ティエルより前に出てゆっくりとした足取りで、大けが追っているとは思えない確かな足取りで体から血を流しながらもティエルに吹っ飛ばされた冒険者のサポートに回り体制を立て直そうとしている冒険者達との距離を詰めていった。




