決闘前の会話
メモ帳に書いたものをコピペして投稿しているので投稿遅れや話の前後が合わないなどがありますがご了承ください。一応二日に一話更新したいとは考えています。
そして昼休みも終わり、本来なら授業が始まるという時間になったころ。
ヴァイル達は学校内に設備されている闘技場に集まっていた。闘技場とは言え使うのが生徒であるという点を考慮され道場や室内運動場のような木材などが使われいるだけで精神を圧迫するかのような物々しさはどこにもない。
闘技場には他の生徒も観戦できるように観客席が設けられていて観客に被害が出ないように魔法的な仕組みを使って見えない幕が張られている。
「相手は五人全員揃えてきましたね……」
闘技場内に既に集まっているヴァイル達とその対戦相手を見てティエルはがヴァイルに話しかける。確かに対戦相手は五人全員で戦いに参加してきているようだったが、参加者誰が見てもわかる問題があった。
それは今回決闘を受けたヴァイル達に殴りかかった生徒一人を除いた他四人が明らかに冒険者だということだ。
「それも、冒険者を四人ほど連れて……あの冒険者ですがCランク近くありますよ……大丈夫なんですか?」
「ええ。大丈夫です」
不安に駆られるティエルとは違いヴァイルはいつも通り、淡々といつも通りの声で焦りも余裕もその他さまざまの感情も感じさせない。
「槍などのリーチが長い武器を持ってこられていたらどうしようかと思っていましたが相手の中に槍を装備している人はいません。それに相手は冒険者で僕たちは学生です。相手がひねくれていた場合別ですが全力で殺しに来ないとは思うんです。そして僕はその攻撃を避けることなく受けて、その隙に触れるなり体質の効果範囲内に入れてしまえばそれで終わりです」
「……できればそういう捨て身の攻撃は控えて欲しいです」
「ヨルにも言われたことはありますからね。善処はしたいと思います」
いつも通りの平坦な声で言うせいで善処し要素する意思が全く見えないヴァイルに対してティエルは不満げだ。
「おいお前!」
ヴァイルに声を掛けたのは決闘を受けることになった生徒だ。
「僕の名はオルス! 奴隷などと言う卑劣で外道な行いをする部外者を裁いてやる!」
オルスは高らかに宣言しているがヴァイルは聞いていないしティエルは少しオルスに目を向けてすぐにヴァイルの方を向くし後ろに控えるオルスが大金をはたいて雇った冒険者達は最初からオルスのことなんて見ていない。
「おい、あいつ結構上物じゃないか?」
「ああ、胸も尻も学生の年齢にしては大きいしクビレもあれば肌もきれいだ。将来有望だ。加えて……」
「首についているのは間違いなく奴隷だ。雇い主の反応からして隣にいるあいつが主人だ……殺してしまえばあの奴隷、俺たちの物になるんじゃないか?」
「そろそろこの国からも出ていこうと思っていたところだし、いいんじゃない。殺して女を誘拐して玩具として使って必要が無くなれば奴隷商人にでも売ればいいんだよ」
「だな……この依頼も受けていたことが露見すると問題になること間違いないのいいことのないからな……何かうまみがないとやってられないぜ」
こんなことを依頼主であるオルスから離れたところで誰にも聞こえないような声で冒険者達は話していた。
オルスがなぜこのような冒険者を雇うことになったのかと言うと学生同士のチャンバラごっこに参加したいと思うような冒険者がいなかったからだ。
それに加えこれはオルスが勝手にしていることだということもあり報酬金も少なければ依頼人はかなりわがままでEやD程度のランクの冒険者では受け付けないなんて馬鹿なことを言いさらに決闘が行われる場所は貴族の子息しかいないような場所で関わらないほうがいいだろうと考えている人が多い。
そうなると依頼を受けてくれる冒険者なんて限られてくる。そしてオルスが引いたのが犯罪や殺人を必要ならばためらわない冒険者だった。
「よし、双方そろったな!」
今回決闘を仕切るのは提案者のヨルだ。
ヨルは冒険者を連れたオルスとヴァイルを見比べ、頷く。
「どちらの装備も問題がないな!」
観客席から見れば絶対に問題のあるというような装備をみてヨルは問題がないと言い切る。
ティエルは制服で、何か装備を着ているわけではなく素手だ。
そしてヴァイルは一応装備を着ているみたいではあるが防具は身に着けているわけではなくティエルと同じで制服で手に持っているのは木材で作られているちんけな盾でもう片方の手で持っている片手剣は刃が潰してある訓練用の物で誰かを傷つけるようなものではない。
対して相手は冒険者でさらに明らかに真剣で武器もただの鉄という訳ではなく特殊な合金だったりする。人に向けて振るえば簡単に人を殺すころができる。そしてオルスも武器は真剣で装備もちゃんとしたものを装備している。
「……ヴァイルさん、これは問題が無い範疇にあるのでしょうか?」
「問題は無いと思いますよ。ヨルからすれば僕と言う存在自体が反則みたいなものですからね。魔法は聞かない、近距離戦闘するためにひとたび使づけば簡単に、それも抵抗の仕様もなく気絶しそのままの状態が継続されればたちまち命を落とす。存在自体が凶器なんですから……まあ仕方がないと言えます」
「確かに、それはそうかもしれませんが……ヴァイルさんの戦い方は捨て身の戦い方ですよね……そんな戦い方ですから一歩間違えれば死んでしまうかもしれないんですよ……」
「…………ああ」
ヴァイルの返事は、なぜかワンテンポもツーテンポも遅れていた。まるで、何を言っているのかわからない、そんな風貌だった。
「僕は死ねませんよ。簡単には」
「え?」
「さあ始まりますよ」
ヴァイルは、ティエルのことを一切見ずにそう言った。視線の先にいるのは、ヨルだ。




