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魔力0の魔法使い  作者: bccbcd
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強襲

 休日二日目の殆どを小説を読んで過ごしたヴァイル達は学校に行かなくてはいけない日を迎えた。

「ティエルさん、大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫だと思います」


 いまだに恐怖心を覚えているのか顔色が若干悪いティエルだったが一度深呼吸をすると顔色の悪さも気にならない程度にはなった。


「ありがとうございますヴァイルさん。おかげで行かなくてはいけない学校に行くのが嫌ではなくなりました」


「いえ。お役に立てたのなら幸いです」


 そんな会話をしつつも学校に行くための準備を終えた二人が学校に向かって行った。


 学校に着き、向けられるのは異質な視線。


ティエルはほんの少し顔を歪ませるが特にこれと言った反応を見せずに自分の席に着く。


ヴァイルはそう言った視線を送っているのは誰なのか、送っている人間の中に危害を加えてくるようなものはいるかどうかを確認していた。


 ティエルがヴァイルの奴隷になったことを話したのは三日前。


もう話が広まっていたもおかしくはない。


広まった結果、自分の玩具が取られたとかそういう言った理由で逆上しヴァイル達を襲ってくる人間がいるかもしれなかった。


 そして、実際に見つけてしまった。


ヴァイル達に明らかな敵意を向けている人間が何人かいてその中には今すぐにとびかかってきてもおかしくなさそうな人間もいた。


 明らかに平常心を保てておらず若干目が血走っている人間もいた。いつ襲い掛かってきてもおかしくない、そんな風にヴァイルは警戒をしながらも自分の席に座った。


「ヴァイルさん、どうかしましたか?」


 好き好んで周りの様子を確認しようとしないティエルはヴァイルが何を確認していたのかが分からなかった。


「いえ、ティエルさんは気に為さらなくても良いですよ」


「そうなんですか?」


「はい」


 変に心配させたり気を遣わせる必要もないと判断したヴァイルは気にしなくてもいいと言い、周囲に改めて視線を送ると視界の端の方で魔法の輝きが見えた。


ヴァイルはとっさにティエルと抱き寄せ、魔法に向けて見えない障壁を展開するように手のひらを魔法の輝きが見えた方向に向ける。


 すると、手のひらを向けた方向には確かに魔法が存在していていたずらでは済まされないような威力を持った火球がヴァイル達に向かってきていた。


 魔法は当然ながらヴァイルの近くに寄っただけで消失し、ヴァイル達には何の被害も及ぼさなかった。


反対に周囲に対してはある程度の被害を出していていくつかの机に火球がかすったようで机が焦げて居たり生徒の中でも制服に引火してしまっている人もいた。


「学校の中でそのように魔法を発動させるのはいけないはずでは?」


「ああ!? 知らないですよそんなこと!?」


「そうですか。なら今教えますね。学校の中で許可されていないにもかかわらず魔法を使用することは禁止されています。今後はしないでくださいね。被害が出なければ僕としても注意にとどまるのですが机が焦げたり他人の制服に引火してしまっているので先生に報告させてもらいますね」


 何か特別な意図もなく淡々と言うヴァイルだが淡々とした声も相まってか魔法を放ってきた男子生徒は青われたと勘違いし再び魔法を放った。


 放たれた魔法は水魔法。水球を飛ばしヴァイルひいてはティエルの意識を奪うことが目的のようだ。


 だがその魔法はヴァイルには届くはずもなかった。


「二回目ですよ? 気を付けてくださいね?」


「ふざけないでください!」


 やはり相手にはヴァイルの言葉が煽っているようにしか聞こえなかったようでヴァイルに対して殴りかかって来た。


 ヴァイルは殴りかかってきている相手もその周囲も確認したが周囲は慌てている、と言うよりかは悪態をついているようだった。


「なるほど…………」


 ヴァイルは一人で納得し、身体強化魔法を使い距離を詰めてきたせいで派手に転んでしまった相手を見下した。


「こうなることは予想されていたようですね」


 ヴァイルはそんなことを言いながら、相手の頭を踏みつけた。


「何が目的ですか?」


「目的!? 目的だって!? そんなの分かっているでしょう!! お前のような下劣な存在が高貴で純白な彼女を物として扱った!」


「それが?」


「それがだって! 貴様! 彼女は……!」


「もう、うるさいですよ」


 ヴァイルは、足を一瞬あげて力ずよく後頭部を踏みつけた。


 ガッ――と鈍い音が鳴るのとともに相手の悲鳴が上がる。


「うあ゛! 何を――!」


「うるさいんですよ。もしかして聞こえませんでしたか?」


 ヴァイルは再度相手の後頭部を踏みつけ相手の悲鳴を聞いてから、先ほどと同じことを口にする。


「うるさいんです」


「貴様!」


 相手は懲りずに声を上げたために、ヴァイルは自分の体質を用いて相手のことを気絶させた。


「申し訳ありません。少々不快な声でしたので」


 淡々と、一切そんなことなんて思っていなさそうな声で、ヴァイルは言った。


相手の声を不快だと思っているのはヴァイルではなくティエルだったがティエルが強く言えそうにないのでヴァイルが代弁したような形だ。

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