魔力とは
「戦闘終了です」
特に息を切らすことも無くヴァイルは魔物を倒したことを報告した。
「お…………」
お疲れさまでした、とヴァイルに声を掛けようとしたティエルだったがそういえば近くに冒険者達がいることを思いだした。
声を掛ける、会話を自由にしていいと言われている奴隷もいるにはいるがそれは少数でしゃべることすら禁止されている奴隷の方が多いとヴァイルから教わっていたティエルは、開きかけていた口を閉じた。
「おお、すげえなちびっこ。一体全体どうやったんだ?」
その代わりに、冒険者が話しかけた。
「詮索は無しでお願いします」
「わかった、でも何か礼をさせてくれ。あのままだとメンバーの何人かがころされてたかもしれねぇからな」
「……では、ここ一帯の情報を教えてください。僕たちは身分証明書を作るためにゴブリンの討伐をしなくてはいけないのですが見当たらないんです」
「わかった、じゃあ俺たちが知りうる情報を伝えよう」
そうして、ヴァイルは冒険者から森の中の情報についていろいろと教えてもらった。
「……しかし、ゴブリンがいないってのはどういう事なんだ?」
だがゴブリンがいない理由を知ることはできなかった。
この冒険者達はほぼ毎日森の中に入っているらしいが冒険者達は昨日まではゴブリンはいたといったたから。
「この森ってかなり大きいですよね?」
「ああ、それなりのデカさを誇ってるな。だから魔物が一晩で狩りつくされるなんてことは無いはずだ」
魔物が冒険者達によって借りつくされてしまった可能性もヴァイルは考えたがそれも現実的ではないようだ。
「……情報、ありがとうございます。気を付けて帰ってください」
ヴァイルは冒険者から情報を得て冒険者達が街に戻て行くのを眺めながらもヴァイルはティエルに意見を仰ぐ。
「このままゴブリンを倒すのを頑張るか全く違う魔物の討伐するのか、どちらにしますか?」
ティエルは迷ったのちに答える。
「私は、ゴブリンを倒す方がいいです。ゴブリンを見つけることができればゴブリンがいない理由もわかると思うんです。それと、一応依頼ですから。別の魔物を倒したからそれでいいとはならないと思うんです。それに何度もギルドを訪ねるのも……少し……」
「わかりました。では時間が許す限り捜索を続けましょうか」
「お願いします」
そうして、二人は森の中の探索を再開した。
「そういえば、なんで人型のスケルトンがこんな場所にいたんでしょう……?」
森の中を移動している時、ティエルはふと疑問に思ったことを口に出す。
「……原因はわかりませんがこの森の中で人が死んで白骨化もしくは骨だけを残して全身を食い荒らされ残った骨が……そういえばなぜ骨や木材などが魔物になるのでしょうか?」
「放置されると魔物になるみたいです。詳しいことはわかりませんがヴァイルさんの魔力に何かしらの影響を与えるその能力が魔物に通じるということは……魔物は魔力と深い関係にあるのでしょう」
「……魔力が、魔物だという可能性は?」
「それは、一体どういう……」
「すみません。何でもないです」
ヴァイルは、その質問の真意をティエルに話すことは無かった。




