戦闘開始
冒険者達とスケルトンの戦闘は苛烈を極めていた。
接近した冒険者の一人が武器を振り上げ大きく攻撃する。
しかしその攻撃は当然化のようにスケルトンにはじかれてしまう。が、攻撃を弾いたせいで生まれた隙を使い側面に回っていた冒険者がスケルトンを横から攻撃しようとする。
だが、スケルトンは武器を使うことなく屈み、跳躍。そんな柔軟な動きができるスケルトンなど本来はいないのだが、このスケルトンはどうやら特別な魔物のようだ。
スケルトンの体の各関節には筋肉のようなものがこびりついていてそのこびりついている物が、スケルトンの柔軟な動きを可能としているようだ。
跳躍したスケルトンは武器を空中で武器を構え、攻撃を仕掛けてきた冒険者に切りかかる。すかさず他の冒険者が縦をもって守りに入るが盾とスケルトンの武器はぶつかった結果、激しい金属音をまき散らしながらスケルトンの持つ武器が冒険者の盾に食い込んでいく。
盾を持っている冒険者はスケルトンの持つ武器を折ってしまおうと盾を船ろうとするがその前にスケルトンは盾から武器を引き抜き、盾に意識が向いている冒険者に対して膝蹴りを叩きこむ。
そんなことをすれば骨が割れてしまいそうだがそんな雰囲気は一切なくスケルトンの膝は冒険者の腹に突き刺さ羅冒険者が後方に吹き飛ばされる。
飛ばされた冒険者と入れ替わるようにして他の冒険者がスケルトンに向かって行くが、簡単に返り討ちに在ってしまう。
「そ、そろそろ助けに入ってもいいのではないでしょうか……!?」
目の前で魔物に襲われているおぶ権者を見ているのが不安なのかティエルはヴァイルに聞いてくる。
ヴァイルとしては助けに入ってもいいのだが、ティエルを連れて行くわけにはいかない。
だからと言ってティエルをこの場所に残すのはヴァイルの本能的な何かが危険だと訴えている。
今、ティエルと離れないほうがいいと、そんな風に感じるのだ。
それを感じ始めたのはスケルトンを発見したときからだ。
「ヴァイルさん、さすがにそろそろ助けないと!」
ティエルがそう言うと、考え事をしていて冒険者のことを全く見ていなかったためヴァイルは冒険者達を見る。
すると、冒険者達は大きなけがこそしていないがいつしてもおかしくないぐらいには消耗していたし大小さまざまな切り傷や打撲後をたたえていた。
「……確かにこれ以上戦闘行為を続けると大変なことんなりそうですね……ティエルさん、戦闘には参加しなくていいので顔を、ティエルさんがティエルであると分かるようなものを隠して僕についてきてください」
「わ、わかりました」
ティエルは外套を深くかぶり、特徴的な色をしている髪の毛を括りフードから垂れてこないようにした。
「行けます」
「では、遅れないようについてきてください」
そういってヴァイルはスケルトンに向かって走り出した。
冒険者達は近づいてくるヴァイルに気づいたが声を荒げることも無く逆に半分捨て身の攻撃を行うようになった。
捨て身による攻撃で冒険者達が負傷することはなさそうだがその後、魔物からの攻撃を許してしまい大惨事になりそうだった。
だが、走り出したヴァイルはスケルトンが攻撃に移る前に自分の特性が効果のある範囲内に魔物を捉えようとして、失敗した。
魔物は、ヴァイルに近づくのが良くないと分かったのか大きく飛びのき、ヴァイルから距離を取った。
「え、な、なんで……」
それに驚くのは後ろからついてきているティエルだ。
自分でさえ気づけなかった魔法を無効化するヴァイルの時姓が魔物にはわかりそれでいて回避行動をとったからだ。
「……すみませんが、あの魔物の情報を教えてください」
回避行動をとり距離が開いたスケルトンとにらみ合っているヴァイルは近くにいる冒険者に問いかける。
「ほぼ人間だ」
「わかりました」
ヴァイルは冒険者達の言葉にうなずきながら、一歩前進する。
それに対して魔物は一歩後退する。
ヴァイルがさらに一歩近づくと魔物は一歩後ろに下がる。
「……こいつ、何がしたいんだ……」
そんなことを言ったのは冒険者だ。
冒険者にとって魔物とは出会ったとたんに襲い掛かってきてどちらかが死ぬまで戦いを続ける、それが魔物だ。
だというのに目の前の魔物は引く姿勢を見せている。
冒険者達からすればスケルトンが一体何をしているのかなんてわからないだろう。
「わかりませんが、相手は魔物です。倒す以外の選択肢はないでしょう」
「ああ……すまないが手助けを頼んでもいいか?」
「そうしたいのですが攻撃に巻き込みかねないので下がって僕が手こずった時にの追い打ち役として待機していて欲しいです。もちろん手柄や素材等は全てあなた達の物です」
「そうか、それなら頼んだ」
冒険者達から許可をもらい一人で戦うことになったヴァイルはティエルに指示を出す。
「僕が走りだすタイミングに合わせてあの魔物を拘束してください」
「わかりました」
ヴァイルの指示に対して一切の躊躇もなくうなずいたティエルには、それなりの自信があった。




