覚悟
気の抜けたティエルをよそにヴァイルは自分の考えを口にする。
「あなたが今抱えている問題の原因となるものは貴方がその首に奴隷の首輪をつけている、と言う事です。ですが奴隷の首輪は主人にしか外すことができない。なので、僕が主人になり貴方の奴隷の首輪を外してしまえばいいのではありませんか? それにもし外せなかったとしても僕が貴方の主人になればあなたは私の所有物です。他人の所有物に手を出すのはれっきとした犯罪行為。相手が貴族なのでごまかされる可能性はありますがそれでも確かな効果があると僕は踏んでいます。それで問題が起こるような間また別の対策をとります」
突拍子のない言葉かと思えば案外考えられ確かな効果が期待できそうなヴァイルの案にティエルは目を白黒させながらもヴァイルが口にしていない自分がヴァイルの奴隷になることのメリットに気づいた。
それは、ヴァイルが魔法を使えないということはヴァイルが自分を気づつける手段を持たないということだ。さらに言うともしヴァイルが魔法を使えるようになったらこの忌々しい奴隷の首輪を外してくれるかもしれないと、そう思った。
ティエルは他人に自分の立場を口にするのを躊躇ってしまうぐらいには身分が高い。
それゆえに周りの人からは大体顔を覚えられているためとてもではないが信頼のできない人に奴隷の首輪のことを話し首輪を外してもらうことができない。
その秀麗な容姿も相まってティエルがティエルであることが知られると誘拐だったり監禁されて酷い拷問に在ったり実験台にされたり見世物や性的な娯楽品として慰み者にされてもおかしくはなかった。
しかし、ティエルの目の前いる少年は自分の正体を知らない。これは自分の現状を変えるための大きなきっかけとなる、それをティエルは確信した。
「わ、私とあなたの奴隷にしてください!」
だから、ティエルはこの少年の奴隷になることを決め、自分を奴隷にすることになる少年にわずかな罪悪感を覚えた。




