特殊能力
少しして着替えを済ませたティエルとヴァイルは机を挟んで向き合うようにして座り、ティエルは自分の話を始めた。
「私は、どことは言えませんが身分の高い人の娘です。なので私はこの学校に行くように義務付けられています。それ自体に不満は在りませんが……こちらも詳しくお話しすることができないのですが色々あって私はこの、本物の奴隷の首輪をつけています。奴隷の首輪をつけているということは私は誰かの奴隷だということになり、私には主人がいる、そのはずでした。しかしなぜか私には主人がおらす私は奴隷ではないそうなんです。ですが奴隷の首輪は主人がいないと外せません。なので私は奴隷の首輪をつけているだけの人間になりました。奴隷はこの国においては珍しいものではなかったのですがそのせいで私は中等教育を受けている時は誰からも蔑まれていました。蔑まされるだけなら問題ではなかったのですが中等教育を受けている過程で私とほかの生徒たちとで模擬戦を行うことになったのですが、その時に主人のいない奴隷の首輪が作動しました。主人がいないからなのか私の首元にある奴隷の首輪は主人以外の人でも奴隷の首輪を使えることが明らかになりました。奴隷の首輪は奴隷の躾や行動の制限をするために使われます。奴隷の首輪に魔法を使う時と同じ感覚で魔力を流し込むと奴隷の首輪は魔法を発現させます。時間差で発動させることも可能です。また、ある一定の行動をしてはいけない行動としてしてはいけない行動をしてしまった場合、奴隷の首輪を締め奴隷の首を絞める、と言うことができます。そんな奴隷の首輪が効力を発揮する状態で私の首についていることを知ったほとんどの生徒たちは私に……奴隷のような言動を強制してきました。たくさんの理不尽を……すみません、話がそれました。奴隷のような言動を強制する際には行動の制限等もかけられたのですが高等教育に切り替わるタイミングで、それらは全て解除されたのですが私を奴隷のように扱った人たちはまた再開すると言っていました。高等教育に切り替わりしばらくたったので私に言った通り、昨日からまた躾が、始まったんです」
「なるほど…………だから今、貴方の奴隷の首輪は光っているのですね」
「え?」
ティエルは自分の体を見てみる。するとヴァイルの言った通り首輪が緑色に光っていた。
「落ち着いてください」
ティエルが首輪の発光を確認し取り乱してしまう前にヴァイルが声をかける。
「え、あ、あ、あぁぁ」
叫ぶことは無かったがティエルは覇気のない声が漏れる。
しかし、一向に何も起きない。
それはヴァイルがティエルの体の一部に触れているからだが、ティエルはヴァイルの特殊な能力について知らないので混乱するばかりだ。
「ティエルさん、手を僕の方に」
ヴァイルは今、ティエルの足と自分の足を触れ合わせているが光が一向に収まりそうにないことと足だと不意なことがあれば離れてしまうかもしれないので、簡単には離れないように手を出す様に要求した。
ティエルはヴァイルの言う通りに手を出した。
「失礼します」
ヴァイルは一言断りを入れてから手を握り、自分の能力について説明を始めた。
「僕は、魔法を無効かすることができます」
「…………え?」
収まらない光に加え何を言っているのかわからないヴァイルにティエルは頭を働かせることができず聞き返してしまう。
「そのままです。私は魔法を無効化することができるんです。私が貴族の関係者でも魔法が使えるわけでもないのにこの学校に入学できたのはこの能力のおかげなのです」
「…………なる、ほど?」
まだうまく情報を処理できていないティエルだったが改めて奴隷の首輪が光っていることを確認し、納得をしたようにうなずいた。




