介抱
酷いありさまのティエルを見たヴァイルはとりあえず水にぬれたティエルの体を拭くために立ち上がりタオルを手にとりティエルの体を背中から拭いていく。
できれば正気に戻り自分でしてほしいとヴァイルは思っていたが背中を拭き、ついでに髪の毛や膝より下を拭いたがティエルはいとことも発しなかったので仕方がなく臀部回りや胸部、腹部などに残る水気を拭いていった。
できるだけ素肌を見ないように、なんてことはできなかったので外傷がないかどうかも確認してしまう。
見た感じ外傷はなさそうなのでヴァイルにできることは無かった。
全身から水気が取れたたが、これからどうすればいいのか迷ったヴァイルは一度ティエルの様子を確認してみることにした。
歪んでいた顔は全ての感情が抜け落ち蝋人形のように固まって動いていない。
体を拭く前にメンタルのケアを優先するべきだったと後悔しながら裸のティエルを抱きかかえる。
そして浴室を出ていき、ティエルのベッドに運び寝かせる。
裸で眠ってしまっても寒くないように対策をして、ヴァイルは自分の麻袋の中から睡眠薬を取り出した。
「……これは、一応俺のために用意されたものだったんだろうけど……まあ、いいか」
ヴァイルはキッチンに向かいコップに水を入れ、ティエルの口に睡眠薬を放り込んでからコップの水を飲ませて睡眠薬と一緒に胃へと送り込んだ。
睡眠薬を飲ませると上がっていた瞼が次第に落ちてきて何度か上がり下がりを繰り返したあと完全に閉じられた。
瞼が完全に閉じられると安らかな寝息が聞こえ始めたのでヴァイルは椅子を持ってきてティエルのそばに行き、ティエルの手を握った。
ヴァイルが手を握ったのには二つの理由があった。
まず一つ、他人との肌と肌の接触でもたらされる温かさと言うものは安らぎの効果があるとヴァイルは思っているから。
そうしてもう一つが、また奴隷の首輪の効果で魔法が待つどうしてしまうのを防ぐためだ。
ヴァイルは、魔法を無効化できる、と言う特殊な能力を持っている。
まさかこんなところで使用するなんて思ってもいなかったが有用な使い方ができたとヴァイルは思っていた。




