見極め
外に出たヴァイル達は宣言通りにまずは洋服店を目指した。ある程度どこに何があるのかを学校に入る前に確認していたため迷うことなく洋服店にたどり着いた。
「いらっしゃいませ、どのようなものをお求めになられますか?」
店に入ると手が空いていたのか店員に話しかけられた。正直ななことを言うとオシャレとか服の良しあしが分からないヴァイルは隣にいるティエルを見て言う。
「彼女にあった服装をお願いします。サイズとかは試着して決めます。あとは……できるだけ静かにお願いします」
「承りました。では適当なものを見繕ってきますので店内を見て回っていてください」
「お願いします」
ローブを着ているティエルは勝手に進んでいく話についていけないが店内を回りだしたヴァイルにとりあえずついていった。
「あの、ヴァイルさん?」
「なんでしょうか?」
「ヴァイルさんの衣服を購入しに来たのではないのですか?」
「いえ、今回はティエルさんの衣服を購入するために来ました。制服で外に出るのは嫌でしょう?少なくても僕は嫌ですから」
「ああ、だから私にローブを着せたんですね」
ティエルはどこか安心したかのように言う。
「そういえば理由を言っていませんでしたね。すみません」
「いえ、大丈夫ですよ」
ティエルの反応を見る限りヴァイルがただ単に言うのを忘れていたと思っているようだがヴァイルは何も忘れていたわけではない。
どちらかと言うとティエルの反応を確かめたかったからヴァイルは何も言わなかった。
ヴァイルは今日の授業の中でティエルの首輪が光ったのを見て間違いなく本物の奴隷の首輪だと判断したのだが経緯が全く不明だった。
もし犯罪などを犯した結果だった場合、奴隷商人によってある程度の教育が施されている筈で奴隷にローブを着せる場合は奴隷の容姿や服装を見られたくないからだということぐらいなら簡単にわかるはずだ。
しかしティエルは分からない様子を見せていたためどうにも犯罪を犯して、という訳ではなさそうだ。残された選択肢としては誰かに強制的につけられた場合だ。
学校に来れている、と言う時点で犯罪を犯していないことは確かだし貴族の子孫や息女が集まる学校でヴァイルと言う正当な手段を踏まずに入学した生徒に対して何かしようとした結果奴隷の首輪をつけたなんてことになればその生徒たちの退学は間違いがないことを考えると今までのティエルが表に出していた恐怖などは全部本物でしかも奴隷の首輪が付いたままでも学校に向かうことが許されているというかなり稀有な状態だということがティエルの反応から分かった。
だからと言って大きく反応するわけでもなく心のよりどころを求めているのならよりどころになってあげようと思うだけだった。
しばらくすると店員がいくつかの衣服を持ってきたのでティエルを更衣室に向かわせて持ってきてもらった服を着てもらい、サイズに問題がないかどうかだけ確認したが店員が持ってきた服を着たティエルはどれもサイズに問題ないと言った。




