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ざまぁ代行 貴方の無念、晴らします!  作者: りっち
チロル・クラート
14/45

02

 『聖女』


 それは神に選ばれし存在であると共に、神への供物であるとも言われる存在のことだ。



 シルヴェスタ王国に限らず、この世界には数多の神々が息衝いている。


 肉体を持って降臨している神こそ少ないが、数だけならばそこそこ存在している。シルヴェスタ王国だけでも100近い数の神々が祀られ、それぞれ管理されていたりする。



 そう、神々を管理する者が必要なのだ。


 気難しい神々を祀り、祈りを捧げ、神の機嫌を損ねないよう神殿を管理する存在。それが聖女という役割だ。



 別に聖女になったからといって、特別な力が得られるわけでもない。


 神の世話をしたからといって、何かしらの奇跡を賜るわけでもない。



 それでも神に認められた至高の女性というステイタスは、世の女性の心を捕らえて離さない。


 聖女という肩書きを得るために、世の女性たちがどれほど苦心しているか、私は嫌というほど聞かされてきた。



「……でもなぁ。私は全く興味無いのよねぇ、聖女なんて」



 聖女になったからといって容姿に変化が起こるわけでもなく、実際に神にお会いできる人なんて、本当にひと握りらしいだ。


 この世界に今も間違いなく降臨しているはずの神でさえ、ほとんど姿を現すことがないらしいし。



 大体さぁ。こんな眼を持って生まれた私が、今更神様なんかに憧れを抱くと思う? って話よ。


 単純に神殿の管理業務が増えるだけの、面倒な話よね。


 しかも聖女の仕事ということは人を雇うわけにもいかず、全ての作業を私自身の手で行わなければならないのだし、憧れよりも面倒が勝るわ。



 ……まぁ私が特殊なだけで、聖女に認定されたい女性はいくらでも居る。


 仮に推薦されたとしても、やる気のない私が聖女に選ばれることなどないでしょう。



 ……そう思っていた時期が、私にもありました。




「え、ええ……? なんでこうなるの……?」



 女性って相手の関心を引くためなら、その相手が男性か女性かなんてあまり関係が無くなるのね……。



 誕生プレゼントを全て断った私に対して、どうやって私の関心を引くかと悩んでいた女性陣の間で始まった、聖女への推薦合戦。


 世の女性達の熱意を見縊っていたとしか言えないわ。高い勉強代だった……。



「チロル様にはいつも本当にお世話になっておりまして。微力ながら推薦させていただきます」


「チロル様が居なかったら、私と主人の結婚もあり得ませんでしたわ。あの時のご恩返しというわけでは御座いませんが、チロル様は聖女に相応しいと思いますの」


「世の女性に美の知識を広く教授し、決して偉ぶらずに謙虚な姿勢を貫かれるチロル様は、聖女として世の女性の模範となるべき女性だと思いますわ」


「私は幼い頃のチロル様も存じておりますが、とても勤勉で努力家、学ぶためなら躊躇いなく他国へも足を運ぶ行動力。クラート家に生まれながらも、自分の商会を立ち上げ成功を収める慧眼。貴族だけでなく平民にも分け隔てなく美の知識を広められる博愛の心。まさに聖女に相応しいと言えるでしょう」



 やめてえええええええ!!


 恥ずかしいっ! 恥ずかしすぎるーーーーっ!



 この人たちって私を女性としてのライバルだなんて微塵も思ってないから、私を褒め称えるのに全く容赦がない!


 そして如何に他の女性よりも私の関心を引けるかを競っているから、とにかく私を褒め称える言葉を止めてくれない!



 しかもそんな女性が、把握しきれないくらい沢山いるのよっ!? いったいなんの悪夢なのこれはっ!?



「皆様は私の事を買いかぶりすぎですよ。私は少し商売が上手くいっただけの、平民の娘でしかありませんわ」


「いいえチロル様。悩める多くの女性を救ってきた貴女こそ、聖女として称えられるべき女性ですわ」


「卑しき身分の私が聖女となるなど、お仕えする神様にも失礼にあたるというものでございましょう」


「神は生まれなどより、人の本質を見抜くと言われております。チロル様は身分など気にすることはありません。貴女は聖女として迎えられるに相応しいお人だと信じておりますから」


「私なんかをそのように褒めてくださる皆様こそが、聖女たる資格を持つ女性であると思いますよ」


「私などはチロル様と比べてしまったら、あまりにも未熟で恥ずかしいくらいですわ。未熟な私が聖女となる方が、神様にとって失礼になると思いますの」



 私の話を聞きなさいよ! 私は聖女の身分なんて欲しくないったらーっ!



 聖女なんか貴族令嬢同士で勝手に取り合ってなさいよ! 私は平民で商売人なの! 私が信仰してるのは美容とお金だけだからっ!


 私への褒め殺し合戦なんてさっさと止めて、自分たちが聖女になれるように競いなさいよっ!



 もう! ああ言えばこう言うんだから! だから貴族令嬢って嫌いなのよっ!


 貴女達、自分が聖女になりたいんじゃなかったの!? 目的見失ってない!?



 ……ここは逆に聖女に立候補して、周囲のどん引きを狙ってみる!?


 いえ、この人たちのことだから、よく決意してくれました! 私の言葉がチロル様に決心させたのよ! みたいな謎のマウントを取りながら受け入れそう!



 あ~もうっ! どうしたら良いのよーーーー!


 聖女なんてやりたくないんですっ! これが私の本心なの!


 遠慮なんかしてないのにーーーーっ!



 結局私の願いも空しく、推薦者多数という事で聖女として選定を受ける事になった。


 なんで私がこんな目にぃ……。




「それでは聖女認定審査を始めさせていただきます。みなさんから次代の聖女が誕生することを期待しておりますよ」



 修道服に身を包んだ老婆が、良く通る声で審査の開始を宣言した。


 なんで忙しい業務の合間を縫ってこんなことをしなければならないのか。そんな想いで零れそうになる溜め息を必死に堪えた。




 聖女候補に推薦されても、当然すぐに聖女となれるわけではない。


 正式に聖女に認定されるまでには、3つの段階を経る必要があるのだ。



 まずは今回私が不本意にもパスしてしまった『聖女候補』という段階。


 他薦によって、聖女候補に相応しいとされる女性たちが国中から集められるのだ。



 聖女と言っても特別な力があるわけではない、というのは以前にも言ったはずだけど、自薦を認めてしまうと、この世界の殆どの女性が聖女認定を受けに来てしまう。


 だから原則的に自薦、立候補は受け付けていないらしい。


 そんなに希望者多数なら、私なんか無視して勝手にやってと言いたくなるわぁ……。



 ちなみに推薦者も誰でも良いというわけではなく、日頃の行いや家柄など、推薦者自体も審査対象になっているそうだ。


 私の場合は、身分を問わない不特定多数の女性達に推薦されてしまったので、文句のつけようもなく聖女候補に認定されてしまったわ。なんなのよもう。



 そして、王国各地から推薦された聖女候補達は、1ヶ所に集められて『聖女認定審査』なるものを受ける必要がある。



 審査と言っても明確なテストや基準があるわけではなく、一定期間俗世を離れて教会で共同生活をするだけだ。


 コレが何の審査になるのかは知らないけれど、共同生活の様子を見て、教会の方々が参加者1人1人の聖女としての資質を見極めるそうだ。



 流石にこんなところに平民の私が放り込まれても、聖女として認定される事はないと思いたい。


 なんて思っていたんだけど、またしても私の期待は脆くも崩れ去った。



「え~っと……? 食事はいつ運ばれてくるのでしょう?」


「荷物を部屋に運びたいのですけど……。使用人はどこに?」



 平民が貴族令嬢に囲まれて上手くやっていけるはずがないなんて、私は何を考えていたんだっ!


 逆よ逆っ! 貴族令嬢が俗世を離れて共同生活を送るほうが、よっぽど大変なんじゃないっ……!



 これでも美容を提供するものとして、数え切れないほどの貴族女性たちと顔を合わせてきた。


 そして、貴族令嬢の日常生活も知識としては頭に入っているつもりだった。



 ……けど、私はまだまだ視野が狭かったみたい。





「えっ……!? 火を扱うなんて危険じゃないですかっ……!」


「お、お掃除? そ、そんなことをしたら服が汚れてしまいますわよ……?」



 炊事洗濯が出来ないのは当たり前。酷い子になると、着替えすら1人で出来ないレベルだった……。


 いやいや、そりゃあ普段は使用人に着替えさせてもらってるにしてもさ! 自力で着替えも出来ないとか、この子どうやって今まで生きてきたの!?



 なのに、みんな所作だけは本当に美しいの。変に感情的になることもないし、食事の時の動きなんて感動を覚えるレベルだった。


 その所作を身に付けるのに血の滲むような努力をしたんだろうなと感じさせるのに、なんでみんな本当に何も出来ないの……? 逆に意味不明なんだけど……?



 教会での共同生活。


 つまり他の聖女候補が働けないと、私もまともに生活することが出来ない。



 わざと失敗するとか、そういうことを狙えるレベルじゃなかった。普通に生命の危機を感じたわ。



「みなさん。せっかくの機会ですし、普段とは違った事に挑戦してみませんか?」


「普段とは違ったこと、ですか?」


「ええ。たまには変わったことをするというのも新鮮で楽しいものだと思いますよ? 手順は私が教えますから」



 最低限の家事の基本を伝え、まずはなんでも自分の力で行えるのだと、意識の改革が必要だった。


 自分1人で自分の周りのことは全てこなせるのだと教え、それが済んだら少しずつ共同生活のための役割を分担し、料理を教え、掃除をやって見せて、少しずつ状況を改善していった。



「チロル様。コレで宜しいのですか?」


「へ~。使用人たちはこのような仕事をしておりますの? なかなか大変なのねぇ」



 流石は聖女候補として集められた女性達。言われたことには素直に頷き、反発されることは殆どなかった。



 普段は厨房に立ったり、ハタキや雑巾を持つ事は無いのだろう。


 始めは戸惑っていた料理や掃除も、思ったよりも楽しんで覚えてくれた。審査が終わったら使用人を労おうなんて言い出す女性もチラホラ出てきた。


 

 1ヶ月間の共同生活でみんな簡単な家事はこなせるようになり、私は最低限の生活水準が保てた事にただただ感謝した。



「チロル・クラート様。貴女の奉仕と献身の姿、拝見させて頂いておりましたよ」



 審査が終わって、審査結果を個別に発表される。



 でも奉仕と献身ってさぁ……。介護と教育の間違いじゃないのぉ……?


 殆ど悪意を持たず、素直に言う事を聞く聖女候補のみなさんを、あんまり悪くは言いたくないんだけどさぁ……。



「他の候補者達からも貴女を聖女に推す声が挙がっています。こんなこと今までありませんでしたよ。本当に素晴らしい事です」


「はぁ……。そうですかぁ……」



 流石にここで落選するのは諦めたから、もうどうでもいいわ……。


 私はただ普通の生活をしたかっただけなのに、それすらこなせていない普段の認定審査っていったい……。



「今まで無かったと言いますと、普段の認定審査はどのような状態なのですか?」


「あ~……。普段の様子ですかぁ……」



 興味が湧いた私は、つい普段の認定審査の様子を尋ねてしまった。


 尋ねられた教会の人から、遠い目をしながら淡々と散々な状況を語られてしまった。



 普段の審査では簡単な調理すらこなせる者は少なく、だいたい初日から教会の人の補助が入るらしい。


 そしてサポートがあることを知った令嬢達は、それ以後も何もしなくなってしまうことも少なくないらしい。


 教会側としても候補者の女性達の身の安全を優先せざるを得ないため、何食も食事が用意されていなければ介入しないわけにもいかず、審査の続行を断念してしまう場合すらあるそうだ。



 えっと……。聖女になりたくて共同生活を送りに来たはずのに、なにもしないその人たちって、いったい何がしたいわけ?



「これは私の推測でしかありませんが……」



 首を傾げる私に、教会の人は躊躇いがちに口を開く。


 聖女候補者自身には悪意が無く、また高貴な身分の方も数多いので、あまり滅多なことは言えないのでしょうね。



 それでも審査の状況に疑問を抱いた私に語らずには居られないほど、色々溜め込んじゃっているのかもしれない。



「そういう令嬢たちは、家事などの生活の営みを行なうことが、貴族としても聖女としても相応しくないと思えるのでしょうね」


「相応しくない、ですか?」


「聖女というのは理想の女性というイメージが根強いですから。彼女達は聖女が家事を行なうなど、想像したこともないのでしょう」


「え、えぇ……?」



 聖女って神とそのお住まいを管理する立場にある者のはずよね? 最低限の家事も出来ずに神の神殿を管理なんて、出来るはずないでしょ。


 なんでそういう考えになるか、本当に不思議だわぁ……。




 うちの家族なんて全員が料理をするし、普段は女性陣が食事を用意するけど、お祝い事には男性陣が張り切って食事を用意するのよね。


 15歳のお誕生会では、お祖父様が陣頭指揮を取ってご馳走を用意してくれたっけ。


 美味しかったし嬉しかったなぁ。お兄様たちが作ってくださったバースデーケーキも、素晴らしい出来栄えだったしねー。



 別に家事が出来なくたって生きていけるけど、家事を出来た方が家族を喜ばせてあげやすいと思うんだけどなぁ。



「教会のサポート無しで認定審査を終えられたことが、まず快挙なんです」


「それが快挙の時点で色々間違ってません?」


「そして他の聖女候補の皆様も、不平不満を漏らすどころか自主的に家事を学び、たった1ヶ月で身の回りのことが出来るまでになりました。これも初めてのことなんですっ」


「いえ、候補者のみなさんは素直で良い人ばかりでしたよ? 指導する者さえいれば、みなさん自立してくださると思いますが」


「そして、他の聖女候補が揃いも揃って貴女を褒め称えているのです。聖女候補者に推薦される貴女こそ、真の聖女と言えるでしょうっ」



 私のツッコミを総スルーして、教会の人が熱く語っている。


 これって意図的にスルーしてるのか、熱くなって私の声が耳に届いていないのか分からないわぁ……。



 でもさぁ。聖女認定審査の内容を見直したほうがいいんじゃないかしら? これじゃ平民の娘が1人混じってたら、だいたいその子が聖女になっちゃうと思うんだけど?


 ま、平民の娘は他薦を得るのが難しいのよね。そういう意味ではどちらにしろ狭き門なんでしょうけれど。



 とにかく、次回から聖女候補になるためには一定水準の家事技能が必要とか、もう少し細かい条件を追加すべきじゃない?



「今回選出される聖女は3名。その内の1名は貴女です。チロル様。よろしくお願いします」



 そう、聖女というのは1人ではない。


 この国だけでも100人近い神々が存在し、それぞれに聖女が認定されているのだ。



 でも基本的に神が増えないのに、聖女が毎年選ばれるのは何故か。


 それは勿論、聖女の代替わりが必要だからだ。


 

「大変なお役目ではありますが……。チロル様であれば立派に聖女としての務めを果たされることでしょう」



 なんか熱っぽい視線で私を称えてくれる教会の人の言葉を聞き流しながら、自分の今後について思いを馳せる。



 これでめでたく? 教会に聖女として認定された私だけれど、実はまだ正式な聖女というわけではない。


 聖女になるには、最後にもう1つクリアしなければならないハードルがある。



 聖女になるための3つ目の条件。それは、仕える神に認められること。


 実際に神の住まう神殿に赴き、神自身に聖女として認めてもらわないといけないのだ。



 殆どの神様は聖女との交流なんて持たないので、多くの聖女は認める認められない以前に、神とお会いすることも無い。


 特にトラブルも無い限り聖女を辞める事も無く、同じ人が長く聖女を務めることになるのだけれど……。神々の中には何柱か気難しい神も存在している。


 そういった気難しい神様だって人々の前に姿を現す事は殆ど無いんだけど、何らかの理由で神様から拒絶されてしまうと、担当の聖女が体調を崩し始めるらしいのだ。



 聖女の体調不良が神からの拒絶だと判断されたら、その神には新しい聖女を連れてこなければならない。


 そして、神に拒絶された聖女は体調を崩すだけでは収まらず、『神に拒まれた女性』として、ある種の屈辱的なレッテルを貼られて生きていかなければならなくなる。



 ……だからやりたくないのよねぇ聖女なんて。百害あって一利無しって感じじゃない?


 なんで世の女性がみんな憧れているのか、私には全然理解できないわ。



「大変心苦しいのですが、最も聖女としての期待が高いチロル様には、最も気難しいと言われている神の聖女を務めて頂きたいと思っております」


「最も気難しい神、ですか……」


「はい。人々の負の感情を喰らい、世の治安を保つ古の神。不浄なる古の神の聖女を、どうか……!」



 申し訳無さそうに懇願する教会の人とは裏腹に、私の気分はそこまで悪くなかった。


 この展開は予想してたわ。ある意味災難、ある意味ラッキーよね。



 実際にお会いしたことはないけれど、不浄の神が気難しいのは周知の事実。


 体調不良になるのは憂鬱だけど、聖女としての期間はきっと短いものになるでしょう。



「畏まりました。身に余る大役ですが、謹んでお受け致します」



 ここまで話が進んだら元々拒否権なんて無いに等しいけれど、それでも意思表示は大切よね。


 教会の人には笑顔を見せて、聖女役へのやる気くらいアピールしておきましょう。どうせ直ぐに拒絶されちゃうでしょうしね。



 でも、受肉している神様に会えるかもしれないと思うと、多少は好奇心が刺激されちゃうわ。


 負の感情を喰らう神なんて、なんだか私と縁がありそうだしっ。



 人間の顔は散々見てきたけれど、流石の私も神の顔を見たことはあんまりないものね。


 さぁて、不浄の神はいったいどんなお姿をされているのかしらっ?

※ひと口メモ


 作中では魔王のような扱いをされているチロルですが、唯一彼女の弱点を挙げるとするなら、それは人の善意です。


 生まれながらに悪意を宿し、悪意に塗れてきたチロルには、悪意は非常に御しやすいものとして認識されている一方、善意をどう扱っていいのか分からないという一面があります。



 チロルを陥れようとして行動する分には、チロルはなんとでも対処することが出来たと思います。


 しかしチロルを聖女に推薦した人々も、認定審査で一緒になった聖女候補の女性達も、悪意を持たず打算も無くチロルに接してしまったため、チロルはなす術無く状況に流されてしまいました。



 家族からの無償の愛を受けて育ったチロルにとって、人の善意をコントロールしようという発想は無く、人の善意とは出来るだけ対立したくないというのが本音なのだと思います。


 きっとチロルがその気になれば善意ごと叩き潰すことも可能なのでしょうが、他ならぬチロル自身が人の善意を否定することを嫌っているのだと思います。


 悪人には特効効果を持つチロルですが、逆に善人にはとても弱いのかもしれません。

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