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ざまぁ代行 貴方の無念、晴らします!  作者: りっち
チロル・クラート
13/45

01

 シルヴェスタ王国最大の商会、イーグル商会。


 そのイーグル家を運営しているタリム・クラートの次女として、私はこの世に生を受けた。



「はぁ~……チロルは可愛いなぁ……!」


「…………」



 私を可愛がってくれる両親とは裏腹に、鏡を見る私の心は憂鬱だった。



 正直に言って、私はあまり可愛くないのだ。自分でも分かるくらいに。


 あ、これは性格の話ではなく容姿の話よ? ま、性格も可愛げがないかもしれないけれどね。



 クラート家は国でも評判の美形の一族。両親も兄妹も美男美女ばかりだ。


 その家族とも似ていないとも言えないのに、私の容姿は奇跡のバランスで崩れていた。



 勿論、人が思わず目を逸らしてしまう様なレベルではない。単純に、美人じゃないってだけ。


 肩幅は広いし、顔も大きい。まぶたは一重だし、骨太だ。寸胴で足も短いし、当然のように胸もぺったんこ。極めつけは、深い闇のような漆黒の髪と瞳。


 なんで家族みんな同じパーツなのに、私だけこんな感じなのかしらねぇ……?



「どうしたのチロルちゃん? ぶすーっとして。可愛いお顔が台無しだよー?」



 鏡を見てむくれる私を、ハンナ姉さんはよく抱きしめてくれた。



 幼い頃の私は、自分が美人ではない事に気付けなかった。他のみんなとなんだか違うなぁという違和感こそ抱いていたものの、まだ美醜の判断が付かなかったのだ。


 それと言うのも、両親や上の兄弟がとても私を愛してくれたからだろう。


 みんな口を開けば可愛い可愛いって持て囃してくれるんだもの。むしろ自分の顔に違和感を持てた事の方が奇跡よね?


 こんなに愛されているんだから、きっと自分は最高に可愛いに違いない! って勘違いしちゃっても仕方ないでしょ。子供だったし。



 だけど可愛げのない私は、みんなの褒め言葉を素直に受け取ることは出来なかった。



「みんなが言うように、私って本当に可愛いのかなぁ……?」



 商人の家に生まれた時私は、父さんと母さんにいつもこう教わってきた。


 常識を疑いなさい。思い込みは止めなさいって。



 それはただの商人の心得だったのに、7歳の私は流石に馬鹿だったのか、こう疑ってしまったのだ。


 私ってみんなに凄く愛されているけど、本当に可愛いのかしら? って。



 ひょっとしたら、私が宿している底知れぬ悪意とやらが、褒め言葉を素直に受け取ることを拒絶してしまったのかもしれないわね。





 それからの私は、人の顔を意識的に観察するようになった。



 都合の良い事に我が家は王国最大の大商人。来客には事欠かない。


 男も女も、老いも若いも、出会った人の顔を出来る限り見続けた。そして毎日鏡の前で、その人たちと自分の容姿を比べていた。



 始めはただの好奇心だったから、毎日人の顔を見るのが楽しかった。


 あの人とはここが違うなぁ、ここは似てるなぁなんて、随分と微笑ましい向き合い方をしていたものね。





「う~ん……。お姉ちゃんみたいに綺麗じゃないし、ミミみたいに可愛くもないし……」



 でもそうやって人の顔を観察する毎日を送っていても、私の体は勝手に成長する。


 体が成長すれば、、勿論心だって成長する。



 毎日色んな人と自分の容姿を比べていた私は、8歳の時にとうとう衝撃的な事に気付いてしまうのだ。



 あれ? もしかして私って、家族が言うほど可愛くないんじゃない? って。



「嘘つき嘘つき嘘つきーっ!! みんなみんな大っ嫌い!!」


「チロル落ち着いてっ……! チロルーっ!!」



 今でもあの頃の事を思い返すと、顔から火が出そうなほどに恥ずかしい。


 両親や兄妹のことをひたすら嘘つき呼ばわりして、癇癪を起こして周りに迷惑を掛けまくってしまったのよね。


 可愛いと言った相手から嘘つき呼ばわりされた家族のみんなが不憫でならないわ……。



 自分が美人でないと悟り、人生の儚さを知った8歳の私は、その後1年間くらいは荒れ続けていたように思う。


 周りの皆様、その節は本当にご迷惑をおかけしました。




 しかしそんな風に不貞腐れ、やさぐれていた9歳の私に人生の転機が訪れる。


 商人教育の中で、化粧の存在を知ったのだ。



「こ、これが私……!?」


「ど~おチロル? 綺麗は作れるのよー?」



 母さんに人生初の化粧を施され、変わり果てた自分の姿に驚愕した。



 お化粧……! 世の中にはこんな裏技が存在していたなんて……!


 可愛いは作れる。女は化けられる。お化粧を極めて、私も美人顔をゲットするのよっー!



 9歳の私は、それはもうやる気満々だったわ。


 ようやく自分へのコンプレックスに対抗する武器を手に入れたと確信したのよ。





「凄い……! お化粧ってこんなに奥が深いんだ……!」



 始めは化粧の道具や、技術について調べることにした。


 そうして調べ始めると、化粧という文化の奥深さに惹かれ、化粧というものがどんどん面白くなっていった。



 道具や技術から始まった興味が、体に良い成分悪い成分、体のどこに効いてどんな影響があるのかなど、化粧品の原料や身体に及ぼす効能にまで意識が向くようになった。



 目を大きく強調する方法。顎を小さく見せる塗り方。どんな色が効果的で、どんな意味があるのか。


 どうしてこんな技術は生まれたのか。他の国ではどんな技術が生まれたのか。



 いつしか私の化粧に対する興味は、そのまま世界への興味へと変わっていった。





「上っ面だけ塗り替えても意味は無いのねっ……! 人の美醜とは内面から滲み出るものなんだっ!」



 美容には適度な運動が必要と知れば、一石二鳥と父に頼んで、護身術の真似事を始めてみたり。


 美容には充分な睡眠が必要だと聞けば、睡眠時間を確保するために、起きている時間の行動の無駄を省き続けた。



「私が可愛くないのは私の努力が足りないせいっ! もっと頑張れば、いつかきっとみんなみたいに綺麗になれるはず……!」



 その想いはまるで祈りのようで……。


 美容という名の神様にこの身を捧げることで、いつか私も美人になることが出来ると信じていた。






 そんな日々が2年以上続いた、11歳の頃。私に残酷な現実が突きつけられ始める。



 ……あれ? 私はこんなに努力しているのに、私より努力していないはずの人の方がずっと綺麗だな? って。

 


 私がどれだけ努力しても決して手の届かない天然美人が、世の中には溢れていたわ。


 イーグル商会の顧客が比較的富裕層に多かったのも、美人に接する機会が多かった理由なのかもね。



 現実を知り私は絶望した。私の努力はなんだったのかと。


 美容の力は、化粧の魔力は、天然モノには決して手が届かないものなのかと。



 私はどれだけ努力しても、すっぴんの彼女達の足元にも及ばない。


 なのに彼女達はそこに化粧を施して、更なる高みを目指すのだから笑えなかった。



 3年近い研究のおかげで、私の美容知識は中々のものになっていた。


 そんな私の化粧の技術や美容知識を姉さんやミミに共有すると、彼女達はどんどん美しくなっていった。



「すっごーい! チロルちゃんのおかげで、お姉ちゃんこんなに綺麗になっちゃったよーっ!」


「チロル姉様すごーいっ! チロル姉様の言う通りにしたら、みんなが綺麗だって褒めてくれたのーっ!」


「う、うん……。2人とも、とっても綺麗だね……」



 ――――私と違って。


 その言葉を何とか飲み込んだ。



 ここで私は1つの真理に辿り着いてしまったのだ。


 美容の力も、化粧の魔力も本物だ。足りないのは、私本人の魅力だけなのだ。



 私の信じてきた全てが肯定されたと同時に、同じく全てが崩れ去ってしまったように感じられた。



 ……なんだか思い返すと、幼い頃から何度世界がひっくり返ったのかと笑ってしまうわね。





「はぁ……。ここまでやったんだから……、もういっかぁ」



 世界の真理に気付いた私は、自分の容姿に対して綺麗さっぱり諦めることにした。


 自分の容姿については諦めたけれど、逆に美容への信仰は高まった気がした。



 私が信じ、私が愛した美容と化粧はなにも間違っていなかった。間違っていたのは私の容姿の方なのだ。


 そんな私が美容の知識と技術を独占しているのは、私が愛した美容への冒涜だと思った。



「母さん。お婆ちゃん。ちょっとこれを試してみない?」



 始めは家族から。


 私の持っている知識と技術の粋を尽くして、この愛すべき美しい人たちを、更なる高みに導くことだけを考えた。


 やがて家族から友人、友人から他人へと、少しずつ美容の輪が広がっていった。



「す、凄いわチロルちゃんっ! 眉間の皺が全然目立たなく……!」


「ねぇチロルちゃん。私は人より少し肌が弱いの。そんな私にも使える化粧品は無いかしら?」



 沢山の人に出会い、様々な考え方に触れることで、私には思うところが出来た。



 身分に関係なく、世の女性はみんな少しでも綺麗になることを望んでいる。しかしその方法を知る者はあまりにも少ない。


 だったら私が、世の女性をなるべく綺麗にしてあげたいっ……!





「父さん! お金を貸して欲しいの!」


「えっ、ええ……? 貸すのは構わないけど、チロルってもうそこそこ稼いでない……?」



 この想いを抱く頃には、私はそこそこ有名になっていた。


 父に直談判して初期費用を工面し、美容部門専門のイーグルハート商会を立ち上げると、ありがたい事に、お客様には大変喜んで頂けた。



 私はこのとき浮かれていた。自分が信じた美容の力はやっぱり本物だったんだと。


 沢山の女性を美しくする事に、使命感すら覚えていた。



 商売は順風満帆そのもので、何にも問題はなかった。


 でも12歳から13歳になってくると、私の心はまたもや沈み始めていた。



「なぁんで、私だけは成長してくれないのかしらねぇ……」



 12~14歳というのは、少女が女性へと美しく生まれ変わっていく時期だ。家族も友人たちも、みんな美しく成長していっている。


 だけど私はいつまで経っても少女のまま。ちんちくりんの幼児体形のままだった。



 私はこんなに美容に詳しいのに、肌のお手入れさえしていないような子にも劣っている。


 なのに私は短足寸胴のまま。胸だってぺったんこだ。3歳下のミミと比べても、とても年上には見えなくなってきた。



 日を追うごとに、1度は諦めた美人への憧れが強くなっていった。


 自分は他の女性の引き立て役で生まれてきたのかと、暗い感情を腹の奥に抱きながら、自分以外の女性を美しくするために仕事に打ち込んだ。



 元々人を観察することから始まった私だ。


 この頃になると、私に対する周囲の反応に気付き始める。


 

 まず男性。子供と高齢者は私にも分け隔てなく懐いてくれる人が多い。


 ご老人達の中には、ちんちくりんの私を変に可愛がってくれる人も居たくらいだ。



 でも殆どの男性は、私に女性としての魅力と興味を抱いていなかった。


 男性というのは、恋愛対象になりえない女性には、あまり意識を割かない人が多いみたいだった。



 そして女性。私を猫可愛がりしてくれる人は、中年層から老人まで幅広かった。


 比較的若い女性、いわゆる結婚適齢期の女性達はお互いバチバチやりあっているのに、私に対しては全く敵意を向けてくることはなかった。



 つまり、女性的な魅力に欠ける私のことなんて、彼女たちは眼中にも無いのだ。


 女性というのは、自分のライバルになりえない女に対しては、こんなにも敵意を抱かないものなのかと驚いた。



「はっ! つまり私は愛玩動物のように愛でられるだけの存在で、女性として見られるような女じゃないってことね」



 男性からの評価は、姉や妹に近寄るための橋頭堡。


 女性からの評価は、自身の魅力を高め周囲を蹴落とすための、味方に引き入れるべき武器であり駒。



 美を信仰し、布教しているはずの私のことを、誰も美しいとは思ってくれていなかった。



「うーん……。私の家って結構お金持ちなのに、お金目当ての縁談すら来ないのは徹底してるわねぇ」



 姉さんもミミもいるから、あえて醜い私を狙う必要も無いのかしら?



 男性も女性も、意外と醜い者には容赦が無いわ。


 悪意もなく、無意識に軽んじられているのって、中々に気分が悪いものね。



「……上等じゃない。こっちだってアンタたちに興味なんて無いわよ。私には家族さえいればそれで充分。あとは等しく私の贄となればいい」



 まだ15年も生きていない私だけれど、クラート家令嬢という恵まれた立場に生まれながら、それでもなにも思うように進まなかった人生を歩んでいるうちに、流石に性格は歪んで来ちゃったわ。



 好意的な言葉を信じられない。


 敵意、悪意、害意こそが人の本質。



 家族からの愛を疑った事はないけれど、それは私のおかげじゃなくて、私の家族が素敵な人たちだっただけ。



 持って生まれたこの眼の影響も少なからずあったかもしれないけれど、私を見ようとしない人たちを、私だって見ようとは思わなかった。





「私の恋人は商売よっ。生涯商人として生きていけば、それが私の幸せなのっ」



 この頃には、私は自分の人生というものを諦めきっていた。


 醜い私は表舞台には立てない。私が家族以外の誰かに愛される事はないのだと。



 私を愛してくれる家族の為だけに生きよう。


 その為に世界中の女性を美しくして、イーグル商会に貢献することだけを考えて生きていこう。





「今回も素晴らしい体験でしたわっ! ありがとうチロルさんっ!」


「ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」



 自分自身に諦めがついた後、業績は伸びる一方だった。



 顧客からは感謝され、友人は増えていった。


 女性としての自分を諦めた私を、世の女性達は脅威と捉えることは無くなり、完全に気を許せる相手として認識されたようだった。



 私自身も自分の容姿に諦めがついたことで、顧客と自分を比較して、勝手に落ち込むこともなくなった。


 顧客と私の間に不快感も警戒心もなくなり、イーグルハート商会は、イーグル商会全体で見てもトップの業績を叩きだすほどになってしまった。



「……やはり私には第三者がお似合いね」



 自分は舞台に上がらず、役者達を磨き上げることが私の役割。


 決して出しゃばらず、ただ役者達を魅力的に見せる事が私の仕事なのだ。



 ……そんな私の引いた態度が顧客達には気に入られ、顧客は増える一方だった。





「お待ちしておりましたわチロル様っ! まさか来ていただけるとは思っておりませんでしたっ!」



 業績が伸びるに連れて、平民の身であるにも拘らず、様々なパーティに呼ばれる機会が増えた。


 高貴な方々からのお茶会、夜会の誘いも、出席しきれないほど届くようになった。



 差出人は全て女性。家族以外の男性にエスコートを申し込まれた事は1度もない。


 これでも15歳の娘だっていうのにね。我ながら笑っちゃうわ。



 男性からの誘いがまったく無いというのも、女性たちには好評だった。


 絶対に自分の意中の相手の興味を引く心配がない私は、まるで使い勝手の良い化粧道具のようね。





「それでですねチロル様っ! 先日こんなことがありまして……!」


「チロルさんにはいつもお世話になっていますから、感謝の気持ちを形に致しましたのよ?」



 私を自陣に引き込みたい女性たちから、猛烈なアプローチを受けるようになり始めた。


 皆様、そのアプローチは意中の殿方にするべきでしてよ? 私にアプローチされても、殿方は私を見ていないのですから。



 勝手に様々な便宜を図られ、私と話をしたいという令嬢からのお手紙で私の屋敷は埋まりそうな勢いだ。


 私が男性だったら選び放題の状態ね。仮に男性だったら、こんなに女性にモテなかったでしょうけれど。



「ねぇねぇチロルさん。ここだけの話なんですけど……」


「これは秘密なんですけど……。チロル様には特別にお伝えします」



 女性達は私に会うと色々な話を私に聞かせた。


 そんなことまで私に話しても良いのかと、聞かされている私のほうが不安になるようなことまで、彼女たちは喜々として語るようになっていった。


 片思い、意中の相手、恋愛指南、恋愛遍歴。女性の話題なんて色恋ばかりね。



「あの夜会でご一緒した方が素敵で……!」


「あのご令嬢と一緒にいた男性、チロル様はご存知ですかっ?」



 次第に、自分の恋愛の相談ごとまで私に持ちかけてくる始末。


 絶対に私が自分の恋のライバルになり得ないと、無意識で確信しているんだろうな。



「ふふ。それではこうしてみたら如何でしょう?」



 悪意のない見下しにもとっくに慣れた。


 彼女達の話に笑顔で聞き役を務めるなんて造作もない。



 大金持ちであるのに、恋愛市場というフィールドに乗っていないと判断されている私に対して、彼女達はどれだけの秘密を提供できるか競うようになっていった。


 まるで私と共有した秘密の重さが、私との親密度でもあるかのように。



 いやいや、そんなわけないでしょ。勝手に秘密を共有されても、私が好意を抱くかは別の話に決まってる。


 でも、女性って秘密の共有が好きなんだなぁと実感した。






「「「チロル、15歳の誕生日おめでとーっ!」」」


「ありがとうみんな。こんなに祝ってくれて嬉しいわ」



 そんな鬱屈とした日々の中、無事に15歳を迎えることが出来た。



 盛大なお祝いを開催することを望まれたけれど全て断り、家族だけでささやかに祝ってもらった。


 愛する家族にだけ祝福してもらえれば充分。裏方の私にパーティなど必要ないのだ。



「私もチロル様のお誕生日をお祝いしたかったのですのに~」


「お気持ちだけで充分ですよ。平民の我が身に盛大なパーティなんて身に余るだけですから」


「流石はチロル様! 国1番の大商人であるのに、無駄な浪費をしない姿勢には感心させられますわっ」



 けれどその判断がまた慎ましいなどと思われたらしく、顧客には絶賛されてしまった。


 ……もうこの人たち、私が何をやっても褒めてくれそうよね。



「そうだわっ! 私、良いことを思いつきましたのっ」



 そんな暢気な事を考えていた時だった。


 私の人生を大きく変える、爆弾発言が飛び出したのは。



「私、今度の聖女候補に、チロル様を推薦したいと思っておりますのっ!」



 …………はぁ? 私が、聖女ぉ?

※ひと口メモ


 容姿にコンプレックスを持っているチロルですが、ニュアンスとしてはチロルが醜いのではなく、チロルの家族が人並み外れて美形だという方が正しいです。


 チロルは自分で思っているほど容姿が悪いわけではありませんが、人外の美貌を持つ家族がいる為、人並みの容姿を持つチロルは自身の容姿に否定的に育たざるを得ませんでした。


 しかし家族からの真っ直ぐな愛情を受け続けた事により、ギリギリのところで大切な物を手放すことなく成長できました。



 生来の負けず嫌いであったチロルは、先天的な要素に負けることが許せなかったので美容にのめり込み、しかし全てをかけた美容にも自分の容姿を否定されたと感じてしまいます。


 美容も努力も間違っていなかったけれど、それをするのが自分だったのが間違っていたと、拗れた自己否定を募らせる事になりました。

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