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バトルシュート!!―平和を守れ! 紅蓮少年隊!!―  作者: 渦目のらりく
第1話 悪い大人は許さない! くらえアルティメットスパイラルライトニングボルカニックシュート!!
3/6

いくぜ☆ シュート! オン!

 *


 別の公園。ユート達は低い藪の中に身を潜めながら公園の様子を窺っていた。


デンジャラス有本「ひっひゃひゃひゃ! バトルシュートで負けたんだ、そのイタリア製生ハムショットのチップを置いて行きやがれ!」

少年F「うわぁあん、嫌だよぅ、これはお父さんに頼まれてた大切な物なんだ」

デンジャラス有本「黙れクソガキ! 痛い目にあうか?」

少年F「うわぁあん!!」


 スーツ姿の中年男性が小学生を虐げる光景に、ユートは藪から立ち上がろとしていた。


タク「駄目だよユートくん! まだ敵の情報が割れてないんだ!」

ユート「離せタク! このまま大人に虐められる子どもを見てられるか!」

タク「このまま正面から向かって行ったんじゃ分が悪いだろう!」


 ガサガサと藪で物音を立てる二人に、ポピーは指を立てて聞かせる。


ポピー「こんな言葉があるよ……」

ユート「ポピー?」

ポピー「鳩の足に豆鉄砲」

ユート「……ポピー……ッ! すまねぇ取り乱しちまってた」

ポピー「YEAH☆」


デンジャラス有本「おい、そこの藪に誰かいやがるのか!?」


 デンジャラス有本の言葉に、3人は縮み上がる。


タク「どうしてバレたんだろう!? っくそ、さっきユートくんが暴れたから!」


デンジャラス有本「青いジャケットの貴様! しゃがみ込んで藪に顔だけ突っ込んで何してやがる! 背中から尻まで全部見えてんだよぉ、隠れたつもりんか!?」

タク「くそっ、ここまでか……」

ユート「もうやるしかねぇぞ!」


 3人は藪から飛び出して、デンジャラス有本の前に姿を現してポーズを決める。


ユート、タク、ポピー「我等紅蓮少年隊!」

デンジャラス有本「しょ、少年……?」


 デンジャラス有本は、まじまじとタクの姿を眺めながらやや驚いた様子を見せる。


デンジャラス有本「お前、少年なのか?」

タク「そうだ! 僕等は9才! ジャスティス学校三年生! 正義を守る紅蓮少年隊だ!」


 間髪入れずに、ユートが怒りを胸に前へと繰り出した。それにユートとポピーも続いていく。


ユート「お前、大人の癖に何やってるんだ!」

デンジャラス有本「な、なにぃ?」

ポピー「見たところお前四十代。会社では中堅て所ね。なのにこんな昼間に公園で何してるのか?」

デンジャラス有本「黙れ! 大人にも事情ってのがあるんだよ!」

タク「何が事情だ! みんなの大切な思い出が詰まったシュートチップを奪い去る事情があるっていうのか!」

デンジャラス有本「くっ!」

 

 3人の激しい瞳に多少怯んだ様子を見せたデンジャラス有本であったが、ハンカチで額の汗を拭うと、今度は不気味に笑い始めた。


デンジャラス有本「ひひゃひゃひゃ! ビビらせやがって、ただの子どもじゃねぇかよ!」


 情熱的な態度でユートがデンジャラス有本の言葉を遮っていく。


ユート「子どもがどうした!?」

デンジャラス有本「――ぁっ!?」


 ユートの言わんとする暑い思いを継いで、タクとポピーが二の句を継いでいく。


タク「僕達は……!」

ユート「ピーマンが食べられる!」

ポピー「体育5! 国語1! 視力は2.5!」


 目を剥いたデンジャラス有本のこめかみに、緊張の汗が垂れ始めていた。


タク「そんな子どもだぁ!」

デンジャラス有本「!?」

ポピー「YEAH☆」


 彼等の背後に爆発する様な気迫を感じたデンジャラス有本は、静かに囁いていた。


デンジャラス有本「いったい……どういう意味なんだ……」


 ユートの瞳がめらめらと燃える。


デンジャラス有本「だがなんだ。この少年達から伝わって来る凄まじいオーラはっ!?」


 ユートはデンジャラス有本に指先を向けて叫んだ。


ユート「俺とバトルシュートしろ! 勿論、アルティメットモードでなぁ! デンジャラス有本!」


 アルティメットモードと聞いてポピーは顔を蒼白にさせていく。


ポピー「ユート! アルティメットモードで負ければ、お前もただではすまないよ!」

ユート「はん! 分かってるぜポピー! だけどよ、こんな大人は徹底的に叩かなきゃ駄目だ!」


デンジャラス有本「なんだと!? この俺に、バトルシュートで、しかもアルティメットモードで挑むというのかぁー! あっははは!」

タク「何を笑う! 大人の癖にふざけた名を名乗りっていやがる癖に!」

デンジャラス有本「いいぜぇガキ共! この俺にバトルシュートで挑んだ事を後悔しな! 大人の力で直ぐに捻り潰してやるぜぇ」

ユート「バトルシュートに年齢は関係無い! バトルが始まったその瞬間から! 俺達は対等なんだあ!」


 ユートとデンジャラス有本が、同時にバトルスカウターを空に投げる。


ユート「行くぜ! バトルスカウター! オン!」

デンジャラス有本「AR展開! シュートガン装着!」


 装着したバトルスカウター越しに、光の障壁がランダムに現れて防壁を作る。そして二人の手元にシュートガンが、そして全身にバトルスーツが現れる。


ユート「いっくぞおお!! シュート!! オン!!」


 公園にバトル開始のブザーが鳴り響いた。

 大人と子どもの仁義なき戦いが今始まる!


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