表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バトルシュート!!―平和を守れ! 紅蓮少年隊!!―  作者: 渦目のらりく
第1話 悪い大人は許さない! くらえアルティメットスパイラルライトニングボルカニックシュート!!
2/6

なにぃッ悪い大人が出没しただって!?

 *


ユート「うぉおおお!!」

少年A「今日こそは負けるもんか! いけ、鉄アレイシュート!」

ユート「甘いぜッ」


 赤いジャケットに身を包んだ少年、灼熱(しゃくねつ)ユートは、放たれて来た鉄アレイを身軽に躱した!


悪ガキA「な、なんて華麗なんだ!?」

ユート「いくぜ! 俺の魂の一撃!」


 ユートの右腕のバトルガンに、炎が灯る。


ユート「ファイヤーショットぉ!!」

悪ガキA「うわぁあ!!」


 炎の玉が少年Aに炸裂すると、バトル終了の鐘が響き渡る。


『ブーー!! 勝者、灼熱ユート!』


ユート「よっしゃあぁ!」

子ども達「ユートが勝った!」

タク「やったねユートくん! 流石バトルシュート少年チャンピオンだ!」

ポピー「NICE BATTLE ユート」


 ARバトルが終了し、シュートスカウターに映っていた障害物や装備が消えていく。

 項垂れた悪ガキAが、泣きべそをかきながら逃げ出した。


悪ガキA「ちくしょー! 覚えてやがれ」

悪ガキB「今日の所は勘弁してやらァ」


ユート「へっ! バトルシュート少年チャンピオンの俺が、高学年なんかに負けるかってんだ」


 ドンと胸を張ったユートの元に、タクとユートが駆け寄っていく。


タク「凄いやユートくん! 小学3年生、(よわい)9才にして、高学年にも圧倒的なシュート力を見せつけるなんて!」


 青いジャケットを着た少年、同級生の氷山タクは、身長180センチの巨体でユートを抱き上げた。


ユート「おい、よせよタク! ッはは!」

ポピー「やっぱり、ユートのバトルシュートはスゴイねYEAH☆」


 黄色いジャケットを着た、アフリカ産まれ、アフリカ育ちのポピー・長谷川は、片言の日本語でユートを讃え、白い歯を見せる。


少年達「ありがとうユートくん! 公園に彼等が来て暴れだした時は、どうなる事かと思ったよ」

ユート「おう、困った事があったら、迷わず助けを求めろよな!」


 ユートは同い年位の少年達が高学年から遊び場を奪われそうになっていたのを救ったのだ。

 バトルシュートで公園の平和を守ったユートに、絶え間ない拍手が送られる。


ユート「この町の平和は俺達が守る!」

 

 前に出たユートが、堂々と胸に拳を当てる。するとその背後でタクとポピーがポーズを取った。


タク、ポピー「「紅蓮少年隊!」」


少年A「ありがとう紅蓮少年隊!」

ユート「おう、これで安心して公園で遊べるよな!」

少年達「…………」


 笑顔を消していった少年に気付いたタクが、180センチの高所から彼等を見下ろす。


タク「どうかしたのみんな?」

少年B「それが……」

ポピー「悩み事は俺達紅蓮少年隊に話すヨ」


 少年達は巨大な目をギョロリとさせるポピーの黒い肌を眺めて押し黙る。


ユート「どうしたんだよお前ら? いいから話してみろって」


少年B「う、うん……実はこの近くの公園に最近、悪い大人が出るんだ」

タク「悪い大人だって!?」


 ユート達に衝撃が走り、冷や汗を垂らしていく。


ユート「大変じゃねぇか! どうしてもっと早く俺達に相談しなかった!?」

少年B「それは……奴はとてつもなく卑劣なんだ……だから」

ユート「……ったくよぉ」


 ユートは少年Bの肩に手を置くと、親指を立てて見せる。


ユート「俺達が負けるとでも思ったのかよ少年B! 任せとけって! バトルシュートは大人も子どもも関係ねぇんだ! 俺は絶対に負けないからよ!」


 ユートの背後からポピーがウィンクを送る。すると少年達は瞳を輝かせ始めた。


少年B「でも、本当に危険な大人なんだ」

タク「危険って何が?」

少年C「うん、アイツはバトルシュートで負かした相手のシュートチップを強奪していくんだ」

ユート「なにぃ!?」


 劣悪な反則行為に、流石のユートも一歩後退っていた。


少年C「お小遣いを貯めてやっと手に入れた、僕の竜巻ドラゴンキックのチップも」

少年D「僕の強化パーツ、ハンマーヘッドシャークも……ぅう、誕生日に買って貰ったのに」

少年E「僕のお母さんの形見、マグロスキンもあいつに奪われてしまった……」


 少年達の涙に、タクは歯を食いしばってユートに振り返る。


タク「なんて卑劣な大人なんだ! 絶対に許せない! 直ぐに行こうユートくん!」


 しかし冷静さを欠いていないポピーが彼の勇み足を止める。


ポピー「ちょっと待つよタク。ソイツはみんなのアイテム盗んで相当強くなってる筈」

タク「それは……」


 生唾を飲み込んだタクがユートへと視線を移していく。


タク「ユート……くん?」

ユート「なんて大人なんだ……」

ポピー「……ユート?」

ユート「許せねぇ……ぜってぇにゆるせねぇぞ!」


 瞳に炎を滾らせたユートが、怒りを露わにしていた。


ユート「シュートチップには、みんなの思い出やストーリーが詰まっているんだ!」

ポピー「ユート……」

ユート「その大切な物を奪い去っていく大人を! 俺はゆるせねぇ!!」


 ユートの熱い思いに、少年達は奪われたアイテムを思って涙を流し始める。


ユート「行くぞ紅蓮少年隊! みんなの大切な物を、俺が奪い返してやる!」


 正義を心に宿した3人のシュート戦士が、拳を握って走り始めた!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ