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こんにちは、はじめまして
この作品、処女作です
・更新不定期
・キャラ設定、背景バラバラな可能性あり
最後までお付き合いいただければ幸いです
雨音
「俊くん。ごはんできてるよ。」
「今いきます。」
「まあ、そんなに急がなくてもいいけどね。」
風上俊。
これが今の僕の名前。
なんか、速そうな感じだねってよくに言われるけど、何が速そうなのかも、どんな感じなのかも全く伝わってこなくて理解できない。
言われた当初も、勿論今も。
年は17で性別は男、
誕生日は………
……っとまあ、自己紹介はこのくらいにしておこう。
「俊くん。」
「あ、ごめんなさい。」
「最近ボーッとしてること多いけど大丈夫?」
「はい。大丈夫です。」
今話してるのは、僕の母親。
少し抜けてるところがあるが、まあいい人だ。
僕や父のことをいつでも気にかけてくれている。
ただ、その分自分に頓着がない人なので、これまでにもかなり危なっかしい目に遭ってきた。
一番ひどかったときのことは……
……思い出すだけで背筋が凍る。
「風邪でもひいた?」
「…いえ。」
「……そっか。無理はしないでね。」
「…はい。」
「……お父さん遅いね。」
「いつもよりも大変な時期だからですかね?」
「そうね。月末だし、仕方ないのかもしれないけど、」
先程、ご飯ができた。
と母が言っていたのだから先に食べればいいんじゃないのか。
と思った人もいるであろう。
それが可能ならばそうしているが、そういうわけではない。
というのも、僕と母が先にご飯を食べられないのはこの家にはあるルールのせいだ。
それは、
"ご飯は必ず揃って食べる"
というものだ。
これは、父の帰りが遅いときであっても、必ず守らなければいけないものであるため父の帰りが遅いときには本当に憂鬱になる。
電話が来れば別なんだけど。
「…ここまで遅くなるなら、電話くれればいいのに。」
「仕方ないですよ。この家のルールなんですから。」
「まあ、そうなんだけど…」
「もう少しで帰ってくると思いますよ。」
「そうだといいんだけどね。」
この家庭にいる以上このルールからは逃げられないのだから仕方がない。
のは分かっているが、とりあえずお腹すいた。早く飯食いたい。
で、寝たい。
というのも、この家では効かない。
嫌いじゃないからいいけど。
「ただいま。」
「あ、お帰りなさい。もう、お腹すいたんだからはやくしてよ。」
「悪い悪い。俊くんもごめんな。」
「いえ、平気です。それに必ず揃って食べるのが決まりですから。」
「そうだな。よし、食べようか。」
父親は厳ついのが特徴だが、中身は見た目とは正反対だ。。
実際、かなりの甘党だが、最近は「控えめでね(威圧)」と医者に言われてるらしい。
母にデレデレで、家ではいつでも頬が緩んでいる。
見ているだけで胃もたれするくらいあまあまな夫婦なのだ。
「学校はどうだ?」
「まあまあうまくやっています。楽しいですよ」
「お友達、おうちに呼んでもいいんだからね?」
「はい。今度つれてきますね。」
「部活は決めたのか?」
「…今のところはまだ決めてません。」
「まあ、ゆっくり決めればいい。」
「はい。」
父も母も、悪い人ではない。
寧ろ、良すぎるくらいいい人たちだ。
でも、どんなにいい人であろうと、四六時中一緒にいようと、僕はまだ、この人たちを信用していない。
いや、信用できない。
だって当然だろう。
僕は_____
_______親に消されたのだから。