プロローグ
---20年前。
そこらじゅうに雄叫びがあがる。
戦争...世界を巻き込んだ戦争がついに起こってしまった。
「撃てえええぇぇぇぇぇ!!!」
「突き進めぇぇ!!勝利を掴めぇえええええええ!!!」
人は戦場に立つと我を忘れてしまう。
その理由は何か?簡単だ。
所詮その者は力なき存在...弱者だからである。
弱者は戦場で命を無駄に投げ出してしまうのである。
この戦争を終わらすためには“圧倒的な力“が必要なのだ。人を屈服させる“圧倒的な力“が...。
「な、何だ.....あいつ......!?」
兵達の前にある青年が立ち塞がった。
「あれはラーファ人....だよな」
武器も鎧も何もない状態でラーファ人...ラーファリット帝国主義連邦の青年はただその場で
笑った。
「んぐッ........ぁ....」
「が........が....あ........。」
その瞬間兵達は次々に倒れていき、ついに力果てた。
青年は狂ったかの様に笑い続けた。
そして全ての兵が死んだのを確認して青年は立ち去った。
ラーファリット帝国主義連邦、略してラーファ連邦。この戦争でラーファ連邦は他国に“圧倒的な力“を見せつけ大勝利した。
その“圧倒的な力“というのは、能力を生み出す魔術を封じ込めた石『アルケミー』である。アルケミーを身につけ、覚醒した者には人類を超越した能力を得ることができると言われるその石をラーファ連邦は極秘に創り戦争に導入したという。
そして後に人々はアルケミーによって覚醒した者を 『アルケミーズ』と呼んだ...。
---そして現代。
鳴り響く悲鳴。逃げ惑うならず者集団。
オレンジ色のポニーテールがよく似合う少女が彼らを追いかけていた。
「ぐわァ!!」
「な....何だコイツ........!女のくせに....!」
真夜中の公園で繰り広げられる乱闘。
しかし乱闘には思えない一方的な攻撃...一人の少女が多数人数相手に圧倒しているのだ。
「これで最後......」
「ひぃ!!逃げっ............がッ」
突然ガタイのいい男が2mあるかないかぐらい大きい斧で最後の一人をまっぷたつにした。
「逃げるなんて男じゃねーな....お、ルーシャか!」
「ダイゴ....最後の一人......」
「ん?あぁすまんすまん、これお前のだったのか」
「全くお前は...その調子だとアルケミーが暴れて理性が保てなくなるぞ」
「分かってるっつーの....どーもああゆうの見るとな」
申し訳なさそうにガタイのいい男は呟いた。
「早く斧を片付けろ、皆と合流する」
「はいよ」
そう言って二人は走り去った...。
彼らは『フリージャイエンツ』。
ラーファリット帝国主義連邦政府直属の治安部隊の一員である。
そしてフリージャイエンツはただの治安部隊ではない。
隊長含め8人全員『アルケミーズ』なのだ。
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小説初投稿です。
時々おかしい部分があると思いますが、よろしくおねがいします。