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夏生詩集2

静かな時に

作者: 夏生

墓石の下に白い器が座っていた

30年拝み続けた白い器に

いつか祖母だったことを思いだし

そこは暗く寒いでしょうと、

伺ってみた


答えはなく、ただ静かだった


死ぬことは荷をおろすこと

荷をおろしほっと息をつき

未だに生きている者に不憫な眼差しを

くれている

静かに静かに


今日、新しい白い器を納めた

そこは暗く寒いでしょうと、

伺ってみた


答えはなく、やはり静かだった


卒塔婆がカタカタ鳴って

線香の煙がゆるやかにのぼっていく


亡くなると魂は瞬時にどこへでも

行けるのよ、と母の言葉が

胸奥に響いて

静かな時の上をゆるやかに昇っていった




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