プロローグ2「なんだかんだでおせっかいを焼く人はいるんだよね」
長らくお待たせしたッス。
「飛鳥―、まだ寝てるのか?」
タイミングの悪い時にやってきたと思いながら対応しようとすると、すでに何人かいない。
嫌な予感がして玄関の方に向かうと。
「何をする。うわ、やめ(ry」
最後までセリフを言わせてもらえずにフルボッコされているであろう、音を聞きながら玄関の方に向かい。
「子供相手に何ぼこぼこにされてるの兄ちゃん。」
「この人お兄さんなんですか。」
サイドテールの女の子、確か"大ちゃん"って呼ばれてたっけ。
一人だけ止めようとしてたみたいだね、うん、苦労人オーラが出てそうな感じだね。
「こんなんだけど、近所に住んでる兄ちゃんで顔見知りだから大丈夫だよ。」
「こんなんって、ひどいぞ飛鳥。」
死んでなかったんだ。
黒髪黒目のぼさぼさ頭(にされた)兄ちゃんは、青髪の女の子とか、肩にかみついている金髪の女の子とかを引き離しながら立ち上がった。
「兄ちゃんさんは、大丈夫ですか。」
「ゑっ、俺の呼ばれ方それ?敬称二つっておかしくないか。」
"大ちゃん"は天然が入っているみたいだ。
「それはともかく、兄ちゃん、現在結構ややこしい事態になってるからこっち来た方が状況がつかめると思う、というか僕もつかめてない。」
「ゑっ、何それ怖い。」
旅は道連れって言うし、巻き込めるときに巻き込んだ方が楽になるよね。
「えっとどちら様方ですか?」
「まず、自分から名乗るのが礼儀だと思いますわよ。」
兄ちゃんがこうなるのも無理はないと思う。
で、金の長髪でドアノブカバーみたいな帽子をかぶった、"紫"さんだっけ、ぶれないなーこの人は。
「あ、はい、私のなm「兄ちゃんさんですよね。」」
兄ちゃんが名乗ろうとした時、ピンク髪の目玉の形をしたアクセサリーをつけた・・・名前知らないや。
「さとりです。」
あれ?声に出てたっけ?
「出てませんよ。」
口元を隠しながら笑っているさとりさんは、もしかして人の心が・・・
「読めますよ。」
考えてること先回りして言われるのは・・・楽だからいいや。
「あれ、嫌がらないんですね。」
別に問題無いし、しゃべる労力使わなくていいし、ってなんで呆れたような表情してるんですか?
「・・・皆がそんな考え方ができたらいいんですけどね。」
?・・・どういうことだろ?
まっ、いいや、兄ちゃんの方は・・・打ちひしがれてる。
「どうしたの兄ちゃん。」
「俺はお針子じゃない。俺は(ry」
「どういう状況になったらこんな壊れ方になるんですか。」
勝ち誇ったように笑っている紫さんは答えてくれた。
「職業はファッションデザイナーって言うから、他の人にも分かるように説明したらこうなりましたのよ。」
「・・・そうですか。」
絶対面白くなるように誘導しましたよね。
「お針子さんは大丈夫なんですか?」
「やめたげてよぉ。せめて別の呼び方にしてあげて。」
「兄ちゃんさんの方がマシだから、その呼び方はやめてくれ。」
「は、はい。」
大ちゃんは、天然すぎて何言いだすか分からないな。兄ちゃんはその反動で復活したけど。
「そういえば、他の人はどうしたんですか?だいぶ人が少なくなってますけど。」
「それなら、各々好き勝手にどこか行ったわよ。」
「ゑっ、フリーダム過ぎるでしょ。えっと、大ちゃんとさとりさん、他の人探しに行きますから手伝ってください。」
「「はい!」」
あー、本当に厄介なことになったな。これから大丈夫な気がしない。
「行ったわね。」
「行きましたね。」
「先ほどは聞きませんでしたが、なぜあなたはあの子の保護者みたいなことをやっていますの?赤の他人と言っても差し支えないでしょうに。」
「広い家に独りで住んでいる子供が居たら誰だって心配するじゃないですか。それに飛鳥は今でこそだいぶ明るくなってるけど、昔はもっとひねくれてましたしね。」
「そうですか。」
「今でも、ほっておくと大変なことになりますけどね。それに・・・」
―――子供を守るのは大人の役目じゃないですか。―――
「俺は、飛鳥の手伝いに行ってきますよ。」
そして、兄ちゃんは部屋を出て行く。
「本当にお人よしね。」
紫は、何か懐かしそうにその光景を見ていた。
ちなみに、兄ちゃんの呼び方はこのままで行くつもりッス。




