9話「なんでもない冬の日」
秋っていうのは本当に行事が少ない、2学期は中だるみしやすいともよく言うし。
修学旅行?さぼりましたが何か。学校に友達いないしね僕。
そんなこともあって、冬が来ての日曜日いつものように朝ご飯を作ろうと起きようとしたら、
「動けない。」
うん、誰かが僕の布団の中に入り込んだのは分かるけど、僕の所じゃなくてもいいじゃないですか。
さらに言えば、こんなことする人誰だかわかってるし、ねぇ幽香さん。
「とりあえず、起きるんで離してください。」
「もう少し寝させなさい。」
うん、抵抗しない方がよさそうだ、抱きしめる力が強くなってかなり痛い。
僕が起きたのはそれから、30分経った時だった。
朝ご飯作り終え、みんなでご飯を食べてると、兄ちゃんがやって来て。
「おい、飛鳥雪降って積もってるぞ雪。」
「わかったから、そこに兄ちゃんの分もあるから早く食べて。」
「あい、わかった。」
雪程度で、はしゃぎ過ぎだなぁ。
「ごちそーさん。」
「早っ。」
「と言うわけで、飯食い終った奴から雪合戦だ。」
「兄ちゃん、今日が日曜日でもいうよ。仕事大丈夫なの。」
「デザインしたコートのサンプル作ってきたから、それの感想も兼ねてるから。」
普段が普段だから忘れてたけどやってるときはしっかりやってるんだった。
「わざわざ僕も連れ出す必要もないだろうに。」
「なんだかんだ言っても、付き合いますよね。」
そりゃ、相手が敵意や悪意を持ってたり、僕が嫌われ者で鼻つまみ者な状態ならそれなりの対応しますけどね、そうでない相手には対応も違ってくるわけですよさとりさん。
「学校での行動はそういうことだったんですね。」
そういうことなんですよ。・・・って雪d。
「飛鳥にあたった。」
「チルノちゃん、僕をわざわざ狙う必要があるのかな?」
「最近遊んでくれないし、兄ちゃんも『最近暗いから、無理やりにでも巻き込んでやれ』って。」
「そうか、兄ちゃんの差し金かじゃあやってやろうじゃないか。」
「で、走ろうとしてこけるんですね。」
さすがに僕でもそこまではどんくさk・・・
「やっぱり。」
「僕だって好きでやってるんじゃないんですよ。」
「声に出すぐらいには堪えてるんですね。」
そりゃあ、これでひどい目に遭ったりしてる時もありますし。どうあがいても直せませんし。
「それにしても、結構無差別に投げ合ってるけど大丈夫なのかな。地雷ひきそうだけど。」
あっ、兄ちゃんの雪玉が大ちゃんの相手してる幽香さんにあたった。
あの顔は笑ってるけど笑ってないな幽香さん。
兄ちゃんこっちに来た。
「飛鳥助けてくれ。」
「どいてくれるわよね。」
「どうぞ、幽香さん。」
「ゑっ、即決!!?」
僕も死にたくないんだよ。
「どうなるかわかってるわよね。」
「怒りの沸点が低すぎやしませんか。」
「大人相手には手加減する必要は無いもの。」
うん、今日はみんな体冷やすだろうし南瓜のシチューにしようかな。・・・後ろの悲鳴は気にしない気にしない。