あの夏の交差点に 1
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今は未来の過去であって後悔を防ぐことが出来る。
僕はしばしばストレスを感じ、そしてため込んでいった。もちろん、そういうのは良くないと知っていた。だが逃げ出せない、現状維持…そんな感じだ。そしてそれはあるきっかけを境に僕に姿を表し始めた。
この話はバブル崩壊と共に産まれた僕の大学4年間とその後の話だ。漠然と過ごした日々、彼女との生活、知らない女の子と寝たこともある、そんな話だ。ちなみに僕はこの期間を青春時代とは呼ばないことにしている。それはある意味では負け惜しみでもあるのかも知れない。この期間に青春時代と言われるようなことを出来なかったことに対する負け惜しみである。
●現在●
僕は大学4年生になると、早々と就職活動を終えた。一応名の知れた電子機器メーカーに内定した。世間体を気にする僕の親は大喜びしたものだった。しかし僕はなんだか悲しかった。普通のサラリーマンになるのかと思うと、夢も糞もないと感じてしまう。実際のところ、一生この会社で働こうなんてこれっぽっちも思っていなかった。
僕は小田急線沿いの登戸に住んでいる。新宿まで20分くらいで交通の便はいい。小田急線の他に南武線も通っているが、急行ができたら乗ろうと思っている。川崎まで急行で行けたらどんなにいいだろう、逆になぜ急行が無いのか僕には疑問だった。実家は横浜で学校に通える距離ではあるが一人暮らしにこだわった。1Kで家賃は5万円と安く、おまけにロフトも付いている。ロフトには天窓があり、晴れた夜には満天の星空が堪能できた。