第1章 未開の地の冒険 第9話 流れ着いたもの
第9話です。
未開の地の探索の中で、新たな発見があります。
ここから物語が大きく動き始めます。
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!
朝。
澄んだ空気の中、風がゆっくりと流れていた。
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拠点の前で、神谷修一は軽く伸びをする。
「……よし」
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カイゼルが外に出てくる。
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「今日はどうするのですか?」
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修一
「ちょっと遠くまで見てくる」
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アルゴ
「未探索領域の調査を推奨」
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修一
「それだな」
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三人は歩き出す。
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草原を抜け、
森を越え、
さらに進む。
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やがて――
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視界が開けた。
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「……海か」
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青く広がる水面。
波が静かに打ち寄せる。
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修一は思わず足を止める。
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「やっぱいいな……」
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小さくつぶやく。
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カイゼルはその様子を見て、少しだけ首をかしげる。
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「海はお好きなのですか?」
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修一
「なんとなくな」
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「見てると落ち着く」
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そのとき。
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アルゴが反応する。
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「前方に人工物を確認」
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修一
「人工物?」
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砂浜の先。
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何かが横たわっている。
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三人は近づく。
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それは――
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船だった。
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「……これは」
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カイゼルが息をのむ。
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修一
「やっぱ船か」
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木製の船体。
折れたマスト。
裂けた帆。
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明らかに、激しい嵐に巻き込まれた跡。
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カイゼルは船体に触れる。
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「……ノースガルドの船です」
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修一
「やっぱりか」
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修一は船を見上げる。
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「船って、普通に使われてるのか?」
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カイゼルはうなずく。
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「はい」
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「ノースガルド大陸では、交易や移動に使われています」
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修一
「なるほどな」
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船の中を調べる。
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荷物はほとんど流されている。
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人の気配はない。
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静まり返っている。
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カイゼルは目を伏せる。
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「……おそらく」
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「嵐に巻き込まれたのでしょう」
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修一は何も言わない。
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ただ、船体に手を当てる。
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アルゴ
「構造は部分的に維持されています」
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修一
「……直せるか?」
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アルゴ
「修復可能と判断」
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修一は少しだけ笑う。
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「いいじゃん」
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船体を軽く叩く。
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「これ、使えるな」
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カイゼルが顔を上げる。
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「……まさか」
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修一
「行くんだろ?」
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カイゼル
「ノースガルドへ……」
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修一はうなずく。
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「そのための足だ」
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風が吹く。
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波の音が重なる。
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カイゼルは船を見つめる。
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少しだけ迷い。
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だが――
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「……行きましょう」
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修一
「決まりだな」
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アルゴ
「航行計画の構築を開始します」
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修一は船を見上げる。
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「まずは修理だな」
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その表情には
わずかな高揚があった。
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砂浜に立つ三人。
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目の前にあるのは
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流れ着いた“可能性”。
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そしてそれは――
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未知の世界へと続く道だった。
読んでいただきありがとうございます!
ついに次の場所へ向かう手段が見つかりました。
ここから物語は新たなステージへと進んでいきます。
第1章もいよいよクライマックスです。
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次回は出航に向けた準備、そして大きな展開へ。
ぜひ続きも読んでいただけたら嬉しいです!




