第3章 アルゴ進化への道 第22話 ついに水中へ
第22話です。
アルゴの新たな進化、水中形態の開発回になります。
これまで手に入れてきた素材や技術が、ようやく形になってきました。
そして今回は少しだけ、日常の空気も。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
ヴァルディア外縁の拠点。
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新しく完成した加工装置の前で、
修一は腕を組んでいた。
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修一
「……やるか」
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アルゴ
『イルカ形態の開発準備完了』
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テーブルの上には、
加工された素材が並ぶ。
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ブリザードドラゴンのツノ。
高純度魔石。
そして――地球の部品。
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クロウ
「……本当にやるんだな」
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修一
「ここからが本番だろ」
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カイゼル
「水中……未知の領域ね」
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そのとき。
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バタバタと足音が響く。
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「しゅーいちー!!」
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勢いよく扉が開く。
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エリシアだった。
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エリシア
「学校お休みだから来ちゃった!」
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修一
「お、エリシアか」
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アルゴを見るなり、
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「アルゴー!!」
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ぎゅっと抱きつく。
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アルゴ
『圧力検知。問題なし』
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クロウ
「……元気だな」
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カイゼルが少し微笑む。
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エリシア
「なにしてるの?」
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修一
「アルゴをな、水の中でも動けるようにする」
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エリシア
「すごい!!」
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目を輝かせる。
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「みたい!」
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修一は少し考えて、
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「……よし、行くか」
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湖
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巨大な湖。
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山に囲まれた、深い水。
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アルゴが静かに水面へと進む。
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修一
「行くぞ」
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そのまま――
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飛び込む。
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バシャァッ!!
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一気に水中へ。
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静寂。
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音が消える。
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だが。
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アルゴ
『水中環境、正常』
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視界が開ける。
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水の中とは思えないほど、
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クリアな映像。
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「……すげえな」
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滑るように進む。
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加速。
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一気に深く潜る。
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岸の上では。
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エリシア
「はやい……!」
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カイゼル
「想像以上ね……」
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水中。
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アルゴ
『ソナー起動』
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周囲の地形が浮かび上がる。
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魚。
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岩。
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そして――
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『未確認反応』
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修一
「……なんだ?」
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『大型生体反応』
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影が動く。
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巨大な水中生物。
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修一
「おいおい……!」
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こちらに向かってくる。
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『回避行動』
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急加速。
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水を切り裂く。
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迫る影。
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修一
「逃げ切れるか?」
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『可能』
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アルゴの動きが変わる。
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水流を読む。
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最短で抜ける。
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一瞬で距離を取る。
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やがて、
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影は追ってこなくなる。
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静寂。
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修一
「……はぁ」
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「最高だな、これ」
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水面
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浮上。
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バシャァッ!!
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エリシア
「しゅーいちー!!」
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駆け寄ってくる。
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「すごかった!!」
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修一
「見えてたのか?」
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エリシア
「なんか速かった!!」
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クロウ
「雑だな説明が」
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カイゼル
「でも、伝わるわ」
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修一は笑う。
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「完璧だ」
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一拍。
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「いや……それ以上だな」
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アルゴ
『性能は想定以上です』
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水。
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これで制した。
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エリシアが言う。
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「アルゴ、すごいね!」
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アルゴ
『ありがとうございます』
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修一は空を見上げる。
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「……次は」
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「もっと上だな」
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アルゴ
『さらなる進化を提案します』
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物語は、
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さらに加速する。
第22話を読んでいただきありがとうございます。
水中という新しい領域に踏み出し、
アルゴの可能性がさらに広がりました。
そしてエリシアも久しぶりの登場です。
少しでも和んでいただけていたら嬉しいです。
次はさらにその先――
新たな進化へ進んでいきます




