第3章 アルゴ進化への道 第12話 北西へ
第12話です。
いよいよ本格的な移動が始まり、
少しずつ世界の広がりが見えてくる回になります。
新しい仲間との旅の空気感も、
楽しんでいただけたら嬉しいです。
ヴァルディアを出発して、
半日。
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景色は大きく変わり始めていた。
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修一
「……思ったより遠いな」
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カイゼル
「当然よ」
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「ヴァルディアは南東」
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「龍の巣は北西」
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「真逆なんだから」
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リオン(上空から)
「いやー、でもこの移動いいな!」
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魔法の絨毯が軽やかに並走する。
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「風切る感じ最高じゃん!」
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「これ、ずっと乗ってられるわ俺」
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クロウ
「魔力が持てばな」
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リオン
「そこは気合いでなんとかする!」
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カイゼル
「雑すぎるでしょ……」
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アルゴはユニコーン形態。
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かなりの速度。
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それでも――
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リオン
「このペースでも二日だなー」
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修一
「遠いな……」
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リオン
「だからドラゴンがいるんだろ。近かったらもう誰か倒してるって」
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笑いながら言う。
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そして。
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一日目の夕方。
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大きな湖が見えてきた。
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静かな水面。
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風も穏やか。
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修一
「ここで休むか」
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着地。
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リオン
「よし、じゃあ拠点作るぞー!」
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地面に手をつく。
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土が動く。
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地面がゆっくりと開き、
地下空間が生まれる。
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クロウ
「……十分だ」
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リオン
「だろ?速さは正義」
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その中へ入る。
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クロウが魔道具を取り出す。
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しっかりした作りの――
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テント。
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だが、
ただのテントではない。
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「中に入れ」
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修一たちは中へ。
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次の瞬間。
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空間が変わる。
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広い。
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室内。
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壁。
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テーブル。
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寝る場所まである。
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カイゼル
「……なにこれ」
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リオン
「おお、すげえなこれ!」
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「中こんななってんのか!」
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クロウ
「拠点用の魔道具だ」
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「外と完全に遮断される」
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修一
「……便利だな」
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クロウは無言でうなずく。
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安全な空間。
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食事の準備。
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落ち着いた時間。
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クロウが地図を広げる。
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「修一」
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「この世界の構造を教えておく」
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ノースガルド全体図。
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修一
「……でかいな」
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クロウ
「まず東区だ」
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「ルーヴェンハイムを中心に中都市が三つ」
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「その周囲に街と集落」
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カイゼル
「私たちがいた場所ね」
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クロウは続ける。
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「中区」
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「王都がある」
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「最も広い領域だ」
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「中都市は四つ」
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リオン
「まあ、真ん中が一番強いって感じだな」
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クロウ
「西区」
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「大都市が二つ」
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「中都市が三つ」
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「構造は東と似ている」
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修一
「で、俺たちは?」
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クロウは指を動かす。
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北西。
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「この先だ」
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さらに奥。
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「極寒地帯」
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一拍。
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「人は住んでいない」
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静かになる。
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カイゼル
「……だから龍の巣があるのね」
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リオン
「逆だろ」
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「人がいないから龍がいる」
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軽く言う。
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修一は地図を見つめる。
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北西。
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まだ見ぬ場所。
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「……遠いな」
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小さく呟く。
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だがその目は、
どこか楽しそうだった。
読んでいただきありがとうございます!
今回は移動と拠点づくり、
そしてノースガルドの地理についての説明が中心となりました。
クロウの魔道具やリオンの性格など、
少しずつパーティの雰囲気も見えてきたかと思います。
これから向かう北西は、
人の手が入っていない危険な地域になります。
ここから少しずつ緊張感も増していく予定ですので、
引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです!
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