第1章 未開の地の冒険 第6話 起動しない設計図
第6話です。
研究施設で見つかった装置と謎のユニット。
しかし、すぐには使えない“何か”があるようです。
ここから少しずつ物語の核心に近づいていきますので、
楽しんでいただけたら嬉しいです!
研究施設の奥。
静寂が支配していた。
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壊れた機材。
崩れた壁。
だが――
中心部だけは、まだ“生きている”。
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神谷修一は、その中央装置の前に立っていた。
手にはエーテルコア。
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「……これが動力か」
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アルゴ
「高密度エネルギー体を確認」
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修一
「試してみるか」
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ゆっくりと、装置に差し込む。
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一瞬の静寂。
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そして――
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ブゥン……
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低い振動音。
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光が走る。
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施設の一部が、わずかに“起動”する。
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カイゼルが息をのむ。
「……動いた」
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修一は目を細める。
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「まだ生きてるな、ここ」
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アルゴが反応する。
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「新規データを検出」
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修一
「どこだ」
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案内された先。
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あの台。
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五つのユニット。
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「……やっぱりこれか」
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修一は一つ手に取る。
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その瞬間。
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一瞬だけ、映像が流れる。
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分解。
再構成。
変形。
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「……っ」
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手を離す。
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カイゼル
「何か見えたのですか?」
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修一
「……変形してた」
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カイゼル
「変形……?」
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アルゴ
「該当データ 未確認」
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修一はユニットを見つめる。
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「これ、お前用だな」
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アルゴ
「可能性あり」
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修一
「でも――」
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装置を見る。
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ユニットを見る。
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「動かない」
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沈黙。
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修一は床に座り込む。
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「設計はある」
「エネルギーもある」
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「なのに起動しない」
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小さく笑う。
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「……未完成か」
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アルゴが言う。
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「不足要素を確認」
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修一
「何が足りない」
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「情報、資源、設備」
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一拍置いて。
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「すべてです」
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修一はため息をつく。
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「全部かよ」
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カイゼルが静かに言う。
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「それなら――」
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修一は顔を上げる。
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「この地では無理です」
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「ですが」
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「ノースガルド大陸なら」
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空気が変わる。
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修一
「……北の大陸か」
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カイゼル
「はい」
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「魔法文明の中心」
「知識も技術も集まる場所です」
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アルゴ
「合理的判断」
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修一は立ち上がる。
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「……決まりだな」
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ユニットを見る。
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ポケットに入れる。
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「これは持ってく」
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残りのユニットを見る。
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「全部、必要になる」
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そのとき。
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アルゴの内部で、わずかな変化。
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「エネルギーライン 再構築中」
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だが、それはまだ表に出ない。
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修一は歩き出す。
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「帰るぞ」
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カイゼルもうなずく。
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研究施設を後にする。
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外の光。
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風。
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広がる未開の地。
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修一は振り返らない。
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だが、確信していた。
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ここに戻ると。
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小さくつぶやく。
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「次は……」
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「もっと先だな」
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遠くに見える空。
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その向こう。
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ノースガルド大陸。
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まだ知らない世界。
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まだ届かない技術。
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そして――
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“起動しない設計図”。
読んでいただきありがとうございます!
エーテルコアを手に入れてもなお、動かない設計。
そして謎のユニット。
ここからアルゴの進化や、物語の大きな軸につながっていきます。
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次回は拠点に戻り、少しずつ変化が現れ始めます。
ぜひ続きも読んでいただけたら嬉しいです!




