第3章 アルゴ進化への道 第4話 影の手
第4話です。
今回は新たな仲間となるクロウとのやり取りと、
少しだけその力の一端が見える回になっています。
ここからアルゴの進化も本格的に始まっていきますので、
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
ヴァルディア外縁。
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地下拠点。
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静かな空間。
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修一とクロウが戻ってくる。
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セリナ
「おかえりなさい」
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カイゼルも視線を向ける。
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修一
「ちょっと話がある」
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クロウを軽く指す。
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「こいつ、クロウ」
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「職人だ」
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クロウは軽く頭を下げる。
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「……クロウだ」
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短く。
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セリナ
「セリナです」
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カイゼル
「カイゼルよ」
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少しだけ様子を見る。
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ノクスはいない。
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修一
「アルゴの調整、こいつがやる」
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セリナ
「え……?」
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カイゼルも驚く。
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修一
「さっき見たけど、レベルが違う」
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クロウは何も言わない。
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ただ、
アルゴを見る。
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その目が、
少し変わる。
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「……分解していいか」
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修一
「任せる」
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作業開始。
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クロウが動く。
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速い。
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正確。
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無駄がない。
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セリナ
「……すごい……」
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カイゼル
「……確かに」
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そのとき。
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クロウの手が、
一瞬止まる。
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ほんのわずか。
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そして、
次の動き。
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カチ、カチ、と。
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調整が終わる。
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アルゴ
「誤差、解消」
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修一の目が細くなる。
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「……今の」
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クロウを見る。
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「なんで止まった」
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沈黙。
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クロウは少し考える。
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そして。
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「……お前には見せておく」
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短く。
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修一
「……何をだ」
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クロウ
「来い」
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拠点の外。
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人気のない場所。
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風が静かに流れる。
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クロウは小さな金属片を取り出す。
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それを軽く投げる。
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落ちる。
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その瞬間。
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クロウの手が動く。
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“落ちる前に”
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掴んでいる。
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修一
「……は?」
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一拍遅れて、
落ちたはずの位置とズレる。
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違和感。
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修一
「……今の何だ」
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クロウ
「少し先が見える」
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「ほんの一瞬だけだ」
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修一
「……未来予知か?」
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クロウ
「そこまで大げさじゃない」
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一拍。
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「次にどうなるかが、少しだけわかる」
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「だから」
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「失敗しそうな動きは、避けられる」
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修一
「……なるほどな」
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クロウ
「ただし――」
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少しだけ間。
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「全部当たるわけじゃない」
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「ズレることもある」
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「だから、頼りすぎると危ない」
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修一
「……完全じゃないってことか」
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クロウ
「そういうことだ」
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沈黙。
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修一は少し笑う。
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「……それでも十分すぎるだろ」
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クロウは何も言わない。
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だが、
少しだけ空気が緩む。
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拠点に戻る。
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セリナ
「どうでした?」
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修一
「……すげえのが来た」
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短く。
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カイゼルもクロウを見る。
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その目に、
興味。
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修一
「よし」
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空気を切り替える。
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「始めるぞ」
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アルゴ
「ユニコーン形態、設計中」
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「試作可能」
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修一
「いいな」
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「やろう」
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地下に、
新しい流れが生まれる。
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進化。
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その中心にいるのは、
AIと人間。
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そして。
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影を持つ男。
読んでいただきありがとうございます!
今回はクロウの合流と、
その能力の一部を描いた回になりました。
一見するとただの職人ですが、
少し先を読む力によって、
普通とは違う立ち位置のキャラクターになっています。
修一との関係もこれから少しずつ変わっていきますので、
そのあたりも楽しんでいただけたら嬉しいです。
そして、いよいよアルゴの進化が本格的にスタートします。
ここからは試行錯誤や失敗も含めて、
新しい力を作っていく流れになりますので、
引き続きよろしくお願いします!
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