第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第32話 持ち帰ったもの
第32話です。
無事に戻ることができ、
ここから新たな準備が始まります。
これまでとは違う力を手に入れ、
物語も次の段階へ進んでいきます。
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
光。
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歪み。
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再び、
空間が裂ける。
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森の奥。
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簡易拠点。
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セリナが顔を上げる。
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「……来た……!」
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次の瞬間。
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空間が開く。
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修一とカイゼルが飛び出す。
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「――っ!」
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着地。
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重い荷物が地面に落ちる。
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セリナ
「修一さん!」
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駆け寄る。
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「大丈夫ですか!?」
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修一
「……なんとかな」
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息は荒いが、
立っている。
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カイゼルも膝をつきながら答える。
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「……無事、です」
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ノクスは無言でそれを見ている。
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わずかに目を細める。
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「……戻れたか」
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短く。
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それだけ。
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修一
「ギリギリだったな」
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ノクス
「想定内だ」
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だがその声には、
わずかな疲労が混じっていた。
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セリナの視線が、
足元に落ちる。
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「……これ、全部……?」
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そこには、
大量のバッグ。
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五つ。
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パンパンに膨らんでいる。
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修一は軽く笑う。
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「戦利品だ」
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セリナ
「せ、戦利品って……」
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一つを開ける。
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中には、
見たことのない機械。
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コード。
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金属部品。
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そして、
本。
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セリナ
「……これが……」
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修一
「俺の世界の知識だ」
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短く。
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だが、
その重みは違う。
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カイゼルもバッグを開ける。
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中には、
薬品や資料。
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「……これで」
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「救えるんですか」
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修一
「増やせる」
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「確実に」
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言い切る。
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沈黙。
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セリナの表情が変わる。
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希望。
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それが見える。
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アルゴが動く。
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「データ取得 開始」
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機材に接続する。
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「解析対象 多数」
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修一
「全部読み込め」
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アルゴ
「了解」
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その瞬間。
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アルゴの目の光が強くなる。
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処理が始まる。
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セリナ
「……すごい……」
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カイゼルも静かに見ている。
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ノクスは少し離れた場所から、
それを見ている。
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沈黙。
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修一はバッグを一つ叩く。
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「ここからだ」
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「やっとスタートラインだ」
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その言葉。
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全員の空気が変わる。
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守るだけじゃない。
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変える。
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その段階に入った。
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ノクスは小さくつぶやく。
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「……変わるか」
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誰にも聞こえない声。
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だが。
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その目は、
わずかに揺れていた。
読んでいただきありがとうございます!
今回は無事に帰還し、
持ち帰った物資や知識がこれからの鍵になる回となりました。
これまでの「どう戦うか」から、
「どう変えていくか」へと、
少しずつ方向が変わってきています。
そしてアルゴの進化も含めて、
ここから一気に戦力が整っていきます。
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