第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第24話 外の空気
第24話です。
ルーヴェンハイムから一度外へ出て、
状況を立て直す回になります。
限られた時間と条件の中で、
どのように動くのか。
そして、少しだけ過去にも触れています。
ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
夜明け前。
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ルーヴェンハイムの外。
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「……出たな」
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修一がつぶやく。
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アルゴ
「結界外 確認」
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セリナ
「……はあ……」
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その場に座り込む。
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カイゼルはいない。
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沈黙。
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修一は空を見上げる。
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「……あいつ、やりやがったな」
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アルゴ
「追跡反応 分散」
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ノクスが壁にもたれる。
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「……限界だ」
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呼吸が荒い。
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修一
「持った方だろ」
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ノクス
「24時間の無効化は負荷が大きい」
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「対象にも影響が出る」
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少し間。
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そして、短く言う。
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「……あと2日は使えない」
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沈黙。
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修一
「今は戻れねえってことか」
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ノクス
「……ああ」
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風が吹く。
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外の空気。
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だが、
軽くはならない。
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セリナが小さく言う。
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「……助けないと」
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修一
「当たり前だ」
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アルゴ
「現状戦力 不足」
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修一
「分かってる」
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沈黙。
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セリナが顔を上げる。
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「……どうしますか」
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修一は少し考える。
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「準備する」
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「突っ込むのはそれからだ」
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アルゴ
「合理的」
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セリナはうなずく。
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「……はい」
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少しの沈黙。
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そして。
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セリナがゆっくり口を開く。
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「……アルベルトさんから」
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修一
「ん?」
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セリナ
「少しだけ……聞いたことがあります」
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「カイゼルのこと」
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修一は黙って聞く。
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セリナは視線を落とす。
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「……お母さんが」
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「亡くなったときの話です」
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風が吹く。
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「助かる可能性は……あったみたいです」
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沈黙。
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「でも……」
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少しだけ迷う。
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「……優先順位があるって」
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「そう言われたって……」
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空気が重くなる。
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修一の目がわずかに変わる。
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セリナ
「……カイゼルは」
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「そのとき、何もできなかったって」
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沈黙。
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修一が小さくつぶやく。
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「……そういうことか」
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セリナは顔を上げる。
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「だから……」
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「見捨てられないんだと思います」
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沈黙。
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修一は少しだけ笑う。
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「いいじゃねえか」
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セリナ
「……え?」
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修一
「理由があるってのは強い」
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「折れねえからな」
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アルゴ
「理論的整合性あり」
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ノクスは何も言わない。
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ただ、
静かに立っている。
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セリナは拳を握る。
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「……助けます」
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「絶対に」
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修一は立ち上がる。
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「準備だ」
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「やれること全部やる」
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アルゴ
「戦闘準備 推奨」
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修一
「関係ねえ」
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その目は、
完全に決まっていた。
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「取り返す」
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ルーヴェンハイム。
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その中で、
一人が待っている。
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今度は。
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こちらが動く番だった。
読んでいただきありがとうございます!
今回は一度落ち着いた中で、
これからの行動を決める回となりました。
ノクスの能力にも限界があること、
そしてカイゼルの過去についても、
少しだけ見えてきたと思います。
彼女がなぜあの選択をしたのか、
その理由が少しずつ繋がっていきます。
ここからはいよいよ救出に向けて動いていきます。
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