第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第17話 森の主
第17話です。
今回は街道を外れた先で、
これまでとは一段違う危険に遭遇します。
戦闘の中で、それぞれの力や連携も見えてきますので、
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
街道から外れた森。
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馬車はゆっくりと進んでいた。
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「少し早道です」
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カイゼルが言う。
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「この先を抜ければ、ルーヴェンハイムへの道に戻れます」
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修一
「フラグだな」
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カイゼル
「……?」
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アルゴ
「周囲警戒 強化」
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森は静かだった。
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だが、
どこか重い。
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セリナが小さく言う。
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「……何かいます」
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カイゼルも止まる。
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「……ええ」
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次の瞬間。
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ズンッ……
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地面が揺れる。
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「来ます!!」
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木々の奥から現れる影。
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巨大な体。
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黒い毛。
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鋭い爪。
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「……熊型魔物」
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カイゼルの声が低くなる。
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「縄張りに入ったようです」
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修一
「あれがボスか」
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アルゴ
「危険度 高」
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咆哮。
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「グオオオオオ!!」
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空気が震える。
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「下がってください!」
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セリナが前に出る。
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「土魔法――防壁!」
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ドゴォ!!
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地面が盛り上がる。
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巨大な壁。
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だが――
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ドンッ!!
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一撃でヒビが入る。
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「っ……強い!」
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カイゼルが動く。
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「風魔法――加速!」
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一瞬で距離を詰める。
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斬撃。
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だが。
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硬い。
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「……浅い!」
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反撃。
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振り下ろされる腕。
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「カイゼル!!」
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修一の声。
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アルゴ
「回避指示」
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カイゼルが跳ぶ。
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ギリギリで回避。
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地面がえぐれる。
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「……普通の魔物じゃない」
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カイゼルの表情が変わる。
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アルゴ
「弱点解析中」
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修一
「急げ」
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セリナ
「持ちません……!」
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防壁が崩れる。
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魔物が突進する。
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「っ……!」
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アルゴ
「解析完了」
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「右前脚 関節部 防御薄」
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修一
「カイゼル!!右!!」
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カイゼルが即座に反応する。
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風が集まる。
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「風魔法――圧縮」
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一気に踏み込む。
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狙いは一点。
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ドンッ!!
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命中。
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「グオオオオ!!」
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魔物がよろめく。
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セリナ
「今です!!」
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地面が動く。
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足元を固定。
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カイゼルがもう一撃。
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「風刃!!」
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斬る。
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関節が砕ける。
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魔物が崩れる。
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ドオオオオォン……
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静寂。
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荒い息。
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セリナが座り込む。
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「……はあ……」
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カイゼルも肩で息をする。
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「……強かった」
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修一は少しだけ笑う。
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「やれるじゃねえか」
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カイゼル
「……ギリギリです」
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アルゴ
「連携成功」
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修一
「お前のおかげだな」
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アルゴ
「当然」
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セリナが魔物を見る。
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「……これが、外の世界の魔物」
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修一
「まだ序の口だろ」
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沈黙。
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カイゼルが小さく言う。
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「……はい」
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だがその目は、
どこか楽しそうだった。
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馬車に戻る。
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修一は森を振り返る。
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「先は長いな」
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アルゴ
「危険増加予測」
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セリナ
「……でも」
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「進みます」
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修一
「当然だ」
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馬車が再び動き出す。
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ルーヴェンハイムへ。
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だがその道は、
確実に難しくなっていた。
読んでいただきありがとうございます!
今回の魔物は、これまでとは違う強さを持った存在でした。
単独ではなく、連携して乗り越えることで、
チームとしての力がよりはっきりしてきたと思います。
そして、アルゴの存在が戦いにおいても
重要であることが見えてきました。
旅はまだ続きますが、
ここからさらに厳しい状況も増えていきます。
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