第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第16話 街道の影
第16話です。
ルーヴェンハイムへ向かう道中で、
初めての戦闘が描かれます。
それぞれの役割や力が見えてくる回になりますので、
楽しんでいただけたら嬉しいです。
街道。
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ルーヴェンハイムへ続く道。
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「思ったより普通だな」
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修一が言う。
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カイゼル
「主要街道ですから」
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「人の行き来も多いですし、整備もされています」
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アルゴ
「安全性 比較的高」
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馬車はゆっくりと進む。
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周囲は森。
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静かだ。
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「……逆に怪しいな」
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修一がぼそっと言う。
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その瞬間。
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「止まれ!!」
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前方から声。
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馬車が止まる。
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森の中から現れる影。
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男たち。
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粗末な装備。
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だが数が多い。
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「荷物を置いていけ」
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カイゼルが小さくつぶやく。
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「……盗賊です」
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修一
「テンプレだな」
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男の一人が笑う。
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「命までは取らねえ」
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「抵抗しなければな」
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沈黙。
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カイゼルが一歩前に出る。
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「……通していただけませんか」
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男たちが笑う。
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「できると思うか?」
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修一
「無理だな」
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カイゼルは小さく息を吐く。
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「……そうですね」
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その瞬間。
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風が走る。
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「風魔法――」
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一瞬で距離を詰める。
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バンッ!!
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先頭の男が吹き飛ぶ。
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「なっ……!?」
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「速――っ」
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続けてもう一撃。
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盗賊が崩れる。
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残りが一斉に動く。
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「囲め!!」
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セリナ
「下がってください!」
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地面に手を当てる。
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「土魔法――展開」
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ドゴッ!!
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地面が盛り上がる。
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壁のように広がる。
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盗賊の動きを止める。
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「なんだこれ!?」
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アルゴ
「敵数 7 接近中」
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修一
「カイゼル、右」
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「セリナ、抑えろ」
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カイゼル
「はい!」
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風が再び走る。
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一人、また一人。
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無駄のない動き。
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セリナは地形を操る。
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足場を崩す。
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転倒。
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「くそっ……!」
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アルゴ
「背後 1」
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修一
「来てるぞ」
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振り向いた男が止まる。
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視線。
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アルゴの赤い光。
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「……っ」
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一瞬の隙。
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カイゼルが叩き込む。
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ドンッ!!
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最後の一人が倒れる。
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静寂。
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風だけが残る。
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修一
「終わりか」
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アルゴ
「制圧完了」
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セリナが息を整える。
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「……大丈夫ですか」
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カイゼル
「問題ありません」
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修一は倒れた盗賊を見る。
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「殺してないな」
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カイゼル
「必要ありませんから」
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修一は少しだけ笑う。
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「いいな、それ」
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アルゴ
「非致死制圧 合理的」
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セリナが小さく言う。
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「……怖くは、ないんですか」
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カイゼルは少しだけ考える。
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「……慣れています」
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その一言に、
少しだけ影があった。
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修一は馬車に戻る。
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「先は長いな」
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カイゼル
「はい」
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アルゴ
「次の危険 予測中」
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セリナは地面を見る。
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「……これが、外の世界」
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修一
「そういうことだ」
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馬車が再び動き出す。
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ルーヴェンハイムへ。
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だが――
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その道は、
決して穏やかではなかった。
読んでいただきありがとうございます!
今回の戦闘では、
カイゼルやセリナの実力、
そしてチームとしての連携が見えてきました。
外の世界は決して安全ではなく、
これからの旅にも様々な危険が待っていることが
少しずつ描かれていきます。
次回はさらに一歩進んだ展開になりますので、
ぜひ引き続き読んでいただけたら嬉しいです。
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