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「私!もう!絶対に弄ばれたくないのっ!」



「私!もう!絶対に弄ばれたくないのっ!」



思った通りだった…。


ここまで長いこと、朝日さんの主張を言おうとするたびに、この一言で全部シャットダウンされる。

それもあの忌々しいバカでかいキンキン声で、もう耳が行かれそうになるぐらいそればかり聞かされている。

もういい加減にしてほしい。


「曜子!もういい加減、朝日さんの話も聞いてあげて!」


「だって!曜子と朝日さんは付き合ってるんだもん!お姉ちゃんには関係ない!口出ししないでっ!」


ああもう!このキンキン声の威圧感!

いつも、吐きそうになるぐらいで毎回これに負けてる。


もう本当にイヤになる。


「あのさ、琴金さん。」


「何!?てか、あんたも毎回関係ないのに、いつも私たちのデートについてこないでよっ!」


「なんで、毎回君らを二人きりにさせないか判る?」


「まさか、毎回見張っているの?」


「まぁ毎回だなこれ。どう考えても引き合わせてしまった俺らの責任だから、2回ぐらいは他の奴に任せたことはあるが、だいたいついてきてる。」


なるほど、それは朝日さんが曜子に手を出してないという確固たる証拠ではないか。


「まぁその2回のうち一回は合コン責任者の女の子二人ほどついていったらしいが、その子らもさすがに一回で懲りたらしく、残る一回はその女の子の知り合いのおかまっぽい男子が何とかしてくれたみたいでさ…。」


ホントに見張りもばっちりだな…


「もう!いいかげん二人だけでデートさせてよ!私たち子どもじゃないんだから、放っておいてちょうだい!」


また、キンキン声…


そしていいかげん



「お客様。もう少しお静かに会話していただけないでしょうか?よろしくお願いします。」


店員さんにまで注意されてしまった。


「ほらごらんなさい!あなたたちがうるさいのよ!」


曜子は自分が一番うるさいことなど全く自覚ない。


それにしても兄はいったい何をしてるんだろ?

仕事が上がったらすぐ来るとは言っていたけど、まだだろうか?

今日は待ち合わせ1時間前には上がると聞いていたが、まだ来ていない。


今日の作戦は兄がいてからこそ、うまくいくはずだったのに。

ホントついてない。



「あのね。曜子。あんたが弄ばれたくないというのはあんたの主張でしかないの。そればっかり言ってないで朝日さんのお話も聞いて。」


「だいたい、僕は君に何も…」


「イヤ!私絶対に弄ばれたくない!」


とこれだ…


もうこれはもう…


「話を最後まで聞けと言ってるだろ?なんで言い終わらないうちにお前の主張が飛ぶんだよ?」



「お前って言わないで!私お前って言われるのが嫌なのっ!」


ああくそめんどい!

だいたい、お前って言われるのが嫌なら、言われないような立派な女になってみやがれや!

それにこだわる女に限って、言われて当然って感じの軽い感じの女で、たいしたことがない奴ばかりだ。


お前呼ばわりされるのが嫌な女ってマジでめんどい!

だったら、最初から人に関わってくるな思う!

たったそれだけのことで、ホント無駄に話のターンが無駄になる。


「頼むから、話を聞いてくれ!

僕は君に一切手を出していない!だから、僕は君を弄んだってことにはなってないんだ!」


あれ?

いいきってる?


「うっーうーうーーーーーっ」


あれ?曜子がうめいている。


と思ったら、兄が後ろの席から曜子の口を抑え込んでいた。

曜子は暴れまくっているがそんなのかまうことない。


「今のうちに全部言えば。」


「それに僕は君と付き合うなんて一言も言ってないし、付き合ってもない!だから君の誤解なんだ!僕たちは何でもないんだ!!」


いえた!


ここまで言えば何とか…


「うーーーうーんうーーーっ」


曜子が何とか兄の手をふりほどいた。


スーハ―スーハ―


曜子の息は荒かった。


「もう!お兄ちゃんなんで曜子の口をふさぐの!おかげで息ができなかったじゃん!」


どうやら、兄が曜子の口をふさいだせいで、曜子は息ができなかったらしい。


それで結果は…


「えっと?なにいってたの?」


「へ…?」


あれだけ曜子を黙らせてたのにこれ?



「もう一回行ってくれる?」


もうヤダ…



「俺たちは付き合ってなんかいない!俺は君に何もして…」


「だーかーらー私!絶対にもう二度と弄ばれたくないの!」


もう、いいかげんにして…


「ねぇ?なんであんたは朝日さんの話を最後まで聞こうとしないの?」


「え?…」


「まだ話は終わってないのよ!「僕は君に何もしてないから、弄んでなどない」ということが朝日さんの口から曜子に言いたいことなのに、なんで最後まで聞こうとしないの?」


「…」


「もしかしてわざと?」


「ちが…」


「もしかして、言わせないようにしてる?」


「…」


「こういう時だけだんまりなのね…。」


ホント曜子はずるい。

自分の都合が悪くなると途端に声が小さくなるかだんまりになる。


「そりゃ最初からさ、私からあんたに朝日さんの気持ちを伝えてもよかったんだけどさ。こういう気持ち一つ伝えるにしても本人からの方が説得があると思って、私はあくまでサポートしかしてなかったわけ!」


「…そんな……曜子……もう…弄ば…れたくない……」


「そんなわけで、朝日さんはあんたになんかまったく興味ないわけ!朝日さんには二度と関わらないこと!いいわね。」


「…」


曜子を何とか黙らせることができた。

ホントは朝日さんから、ガツンと言ってほしかった。


でもまぁ仕方ない。


あの曜子を黙らせるには、やっぱり長年の慣れと場数を踏んでないと無理だ。

今回は無理やり終わらせてやった。


「…そういうことだから、さよなら琴金さん…。」


ああ最後の挨拶だけはなんとか言ってくれたみたいだ。


「すみません。お勘定お願いします。」


私たちは曜子だけその場においてすごすごとその場を去っていった。

店員さんには最後に「ご迷惑おかけしました」とだけは言っておいた。


おそらく、あの店には二度と行けれないだろう。



そのあと、私たちは場所を移して打ち上げをしていた。


「一応大成功を祝して、カンパーイ!」


もう、なんの大成功だかーって感じだが、曜子が絡んだ後となると、疲れがたまりにたまっているから、もう飲むしかないという感じだ。


それも場所は朝日さんの住むマンション。


だから、朝日さんはもちろん。兄も富田君も一緒だ。


「いいんですか?俺たちまで?」


「いいんです。ホンの気持ちです。と言っても、つまみはさっきみんなで選んできた総菜ばかりですが、ここの総菜結構うまいんですよー。遠慮なくいただいてください。


あーあとでピザも届きますから、それも楽しみにしてくださいね。」


ホント曜子がいない飲み会で話すことといえば…



「あの…あの曜子さんっていったい何なんですか?」


早速、朝日さんからの質問がこれだった。


「ああ、昔からあんな感じだよ。人の話は聞かないくせに、自分の主張は絶対に曲げないとこあってね。主張が通るまでキンキン吠えるの。」


「吠えるって…星子お前、それw」


「だってホントにキンキン吠えてるやん。マジうるさいぐらいに。」


「キンキン吠えるって、いったいどういう生き物だ?」


「曜子という生き物よー。わがままでうるさくて、自分の主張が通らないことが判ると最終手段で大声で泣き叫ぶのー。卑怯よねー。結局最後泣くから、母親が甘やかしてさ、それが原因で正確あのままよ。」


「それでか…話が通じなかったのは…」


「おまけにあだ名は「キンキンちゃん」で、あのでかい声で勝つ強い口調でキンキンものを言うから、もうその声を聞いた者はみんな嫌っていくという破壊人よ。」


もう、言いたい放題だった。


「いい。だから二度と曜子とまともに向き合っちゃだめよ。あの子と関わったら、ろくなことないからね。」


ほんとそれだ。


「でもよ。それにしてもあの子の元カレはよく簡単に逃げることができたよな。いったいどうやって逃げたんだろう?」


「ああそれ?そもそも彼氏でもなかったらしいわよ。だってこんかいだってさ、曜子のただの誤解だったじゃん。ぜんかいだってそれっぽいんだよね。」


「ああ、なんか判るかも…結局、あの子が彼氏だと主張してたのは、全部彼氏ではなかったと」


「でしょうねー。」


「まぁそれならそれですっげー納得だなー。」


「で、どうやってその方は逃げきれたんですか?」


「ああ、他に女がいたらしくてね。その女は曜子に直接文句言ってきてかたはついたみたいだよー。おまけにその女もついでに男から逃げられたらしくてさー。」


「つまりはその男、いろんな女のところに居着いては逃げていたモテメンだったから、逃げ切ることができたわけか…」


「まぁそういうことになるわね。」


「なるほど、じゃあそれで今回非モテっぽい朝日が狙われたって感じか…」


非モテ言われて否定はできないが


「まぁ普通の人では、曜子から逃げきるなんて無理だろうね。

私もあの子のせいで、何度引っ越ししているか…」


その時だった…


インターフォンが鳴った


こんな時間に?


「誰だろ?見てくるわ。」


もしかしてお隣さんかな?やかましかったのだろうか?


「お、なんだおまえか?…………。ああいいぞ。今ちょうど飲んでたところだ。お前も飲むか?」


どうも、友達だったらしい。


だれだろ?

というかどんな人だろう?


「あ、こいつ前の合コンの主催者で欠席した…」


と言いかけたとたんだった。



「星子…」



その男は私の名前を口にした。

顔はかなりのイケメンである。それもかなりチャラそう。


だれだっけ?



「知り合い?」



んーと思い出せない…



「俺だよ。能丸。能丸哲平。覚えてない?」



「あーーーーーーーっ!」


すっごい懐かしいー。

まさか、ここで再会するとは…



「お前また、女から追い出されたのかよー。これで何回目だ?」


「べつに。女世話してやってるお前らにそれ言われたくない。」


相変わらず生意気だ。


「まぁいいんだけどさー、今回お前から紹介された女がまた最悪でさー。」


「なんだよー?どんな女だ?そこまで変なの紹介した覚えはないけどなー。」


「それが、女の子たち曰く無理やり割り込んできた女が一人いたらしくてさー」


「てことは人数が、あちらの方が増えたってことだよな?ラッキーだったやん。」


と能丸はホント人事かのように能天気に言っていた。


「それが、うちの妹だったわけ。」


ときっぱり言ってやったら…


「それはあかん奴やん」


さすがの能丸もそればかりは察してくれた…


「てかなんで、お前の妹が?」


「まぁ世間は狭いということで」


「まぁ判る…」


ここで能丸も私に話したいことがありそうなことがなんとなくわかった。


「で、星子の妹が朝日に付きまとっていたということか…」


「そういうこと。もう大変だった。」


「そうそう、今そのことについて話していたのだけど、一度付きまとわれたら、地獄の果てまで追いかけてくるとかでさ。前の男はあんな女からよく逃げ切ったよなーと話していたところ。」


少し間が開いたが…


「へぇそうなのか…」


と能丸も相槌を打っていた。

がなんとなくだが、能丸もここで穏やかではなさそうだ。


「なぁお前らも約束だけどさ」


「ああわかってる。結婚式にはお前をよぶなだろ?」


「まぁ前に結婚式にお前をよんで、大変なことになった奴がいるからなー。」


「え?何があったの?」


「花嫁が倒れたこともあったし、突然退場命令を出されたこととかあったし、ホントたいへんだった。」


「あんたどれだけ、多くの女に手を出してるわけ?」


「さぁー」


「まぁ計り知れないだろうな…」


「ホント次から次へと女との出会いには苦労しないんだよなー。こいつ…」


まぁ昔からそれだったから判らないでもない。


「その代わり女紹介してやってるんだから、問題ないだろ。おまけにお前らに紹介する女は、だいたいは俺のおさがりってわけでもないし。」


そこは一応律儀なのな…



「まぁ今回の星子の妹のことは申し訳なかった。たまにはそういうこともある。

どっちにしても合コン飛び入り参加な奴は地雷でしかないことだけは覚えておけ。」


まぁ能丸も能丸で変わったな。

昔は男に対してはそんな気遣い一つしない奴だったのに、今ではかなり面倒見がよくなっている。


「まぁここに来るのもこれが最後だと思って、まぁ許せや。」


ん?


今、能丸なんて言った?

なんか、違和感覚えた?


「なんだよー能丸―。また突然消えるとかー?」


「お前それ何回目だよーw」


「なんかい目ってw別に俺がいなくてもお前らうまいこと生きてきたじゃないかーw」


「まぁそうだけどさー」


こうしてまたにぎやかに飲み続けるのであった。




そして…




「…おい……星子……」



朝、目覚めたら…

すぐ横には朝日くんが寝ていた…


思いっきり雑魚寝していた。


そして起こしてくれたのは能丸だった。



「なに?どうした…」



「ちょっと話したいことあるんだけど、いいか?」


私はそのまま、外まで連れ出されてしまった。



近くのコンビニの前で、水を飲みながら、能丸の話を聞くことにした。


「あのさ…俺さ…実はお前の妹とも一時期関係を持っていたことがある。」


それを聞いて水を吹き出しそうになった…


「ごめん…。」


「って、アイツ弄んだのはあんたか!?」


「そういうことになる。」


「だから、あんたあの場でバツが悪そうにしてたのか?」


「さすがにお前でも怒るわな…」



「いや怒ってはないけど…なんで、あんたが曜子と関わるはめになった?と不思議でならん。あんたなら、もっと要領よく動けそうだし。」



「無茶いうなよ。俺もあれの強引さには勝てなかったんだ。」


「まさか…?曜子から襲われたとか…?」


「いや、さすがに襲われたわけじゃないけどさ。ただ単にうるさいのを部屋まで注意しに行っただけで、運命の出会いと勘違いされたんだぞ。あれはないわ…」


「それで、そのまま関係もってしまったと…」


全くこいつは女なら、誰でもいいんかね…とさえ毎度思えてしまう。


「俺だって、あんな女勘弁だったわ。で「手料理食べてくれるまで返さない!」とまで言われて…」


「それで、胃袋掴まされてしまったわけかい?」


「……まぁそんなとこ…。お前の妹、あの時の女より飯はうまかったし…」


ああ、言われてみれば、曜子は料理だけは小さい時からやらされているから、まぁ人並みにはできる。


「それで、しばらく曜子の部屋に転がり込んでいたわけかい?」


「おぅ…一応お前の妹。俺がいる時はいつもより静かでいたし、抱いてるときは変わった吠え方してたしで、まぁたまにはこんなのもありと思えていたわけで…。」


全くもう…


と呆れていたら…


「ちなみにただの勘だけど…」


「何?」


「もう手遅れだと思う…」


「え?」


「多分、朝日とお前の妹結婚する。」


「でも、昨日曜子にきっぱり断ったばかりよ?」


「関係ない。」


「関係ないって?」


「お前の妹のことだ。あそこまで長引いて、ただで諦めると思うか?」


よくよく考えたらおそらく無理だろう。

私なんか今の今まで、ずっと追いかけ続けられているのだ。


「どちらにしても、もう俺は朝日に合わす顔がない。」


まぁいわれてみれば、もし朝日くんが曜子と結婚するのならば、夫となる朝日くんは妻の前の男のことなんか見たくもないだろう。



「まぁ後は任せた。としか言えん。」


「ちょ無責任な。」


「それにいいじゃん。少なくともお前が曜子と結婚するわけじゃないんだから。そこまで心配しなくても。」


言われてみれば、曜子と結婚するとすれば、今のところ候補者は朝日くんである。


「まぁ朝日の気持ち次第じゃね?」


「えー」


「じゃ俺、逃げるわw多分もう会わんとは思うけど、さらば。」


「ちょっとー」


能丸はそのまま姿を消した。




そして…


それから半年後…


能丸の予言?通り、曜子は朝日くんと結婚するのであった…


詳しい話はまた次回で…

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