やらかしクィーンの復讐結果
ナキさんが亡くなって49日明けた5月某日…
桜花院家の一人娘真弥の退学処分が決まったらしい。
それに絡んでいたのが…
「私、何のことだか、さっぱりわかりません。」
リキだった。
完全にしらばっくれてはいるが、桜花院の主が娘から聞いた話によれば、同もリキが娘をそそのかしたと言っているとのこと。
何をやらかしたといえば…
「この子は何も知らないと言っているが…」
「そんなことはない。うちの娘は葬儀に来た金髪で短髪のその子から、誘われたと聞いている!」
金髪で短髪とか言われているが、リキはすでに髪を黒く戻していて、今は金髪ではないが、当時のことを言えば、明らかにリキであろう…
そしてリキは一度金髪に染めたことは、すでに無かったかのようにふるまっていた。
「あの、大変いいにくいことですが、娘さんはあのAVに出ていた女王様の役の子が、私とか言っていたのですよね?」
何か…いきなりAVに出ていたという話になったが、なんと桜花院の娘はAV出演させられていたらしい…
まぁ、桜花院家の財力でもみ消すとしても、さすがにAVに出ていたことがバレたら、無理だろう。
「確かに女王様役は、金髪ですがロングじゃないですか?おまけに、女王様こんなデブでブサイクですよ。これが私だなんて、失礼すぎやしませんか?」
「娘曰く、ヅラとお面をかぶっていたとかで、君だけ誰だか判らないようにしていたというではないか!?」
確かに、ヅラとお面かぶっていては誰だか判らない。そのデブ体型にしてもだ、おそらく服の中に何かいろいろ詰め込んで、わざと判らなくしたのであろう。
パッと見は、よく化けたものだとは思ったが、よく見たら体系にしては手足は細い…それがバレるかどうかである。
「それでも私、こんな人じゃありません。」
私も一部の18歳以上の職員とともにそのAVを見たが、女王役のこのセリフは一切なく、うまいこと女王の正体は隠されていた。
それもその女王の動きは、ただ単位玉座っぽい椅子にどっしり座ったまま、時々床とかに鞭をふるうだけの動作しかなかった。
以前は金髪であったリキだが、今では黒髪ショートで黒ぶちメガネのどうみても真面目そうな子にしか見えない。そんな姿で言われては、さすがに信じるしかなかった。
「おまけにうちの娘は妊娠までさせられた。こんな大勢いる中の誰の子だかも判らない状態で…産むしかないという選択肢…あまりにも不憫だと思わんか!?」
って、産むしかないってなんでここまでこだわってるんだろう?
「何があろうと桜花院の血を絶やしてはならぬのだ!桜花院の血はおそらく真弥が何とかしなければならぬ。真弥に子を諦めるという選択肢はないのだ。」
はぁーそっちですか?
ホント名門家は血にこだわるわけで。
「それで、今回真弥ちゃんは高校を諦めたと…」
「まぁあいつも、去年わしに甘えていればちゃんと卒業できたのに、どうしても留年すると聞かなかったからな…。あいつもホント要領が悪い。」
桜花院の主もいろいろ愚痴っていたが…
「私はもう、よろしいでしょうか?」
「…」
もう何をどう考えても明らかにリキが容疑者であるのに、そのリキ本人が一番にその場を去ろうとしていた。
「リキ…今までの話からしてそれはないだろう?」
「私はもう無理です!!こんなデブの女王だと言われて、不愉快極まりないです!
これで失礼します!」
引き留める月城を振り切って、無理やり部屋を出て行った。
私はこのままリキの後を追って、リキを捕まえた。
リキは運動神経的には、まぁ普通なので簡単に追いついた。
「ここじゃなんだから、場所を移しで話さない?」
と条件を出して、聞きだすことにした。
行先は、すごい久しぶりの801号室
まだ暗証番号は変わってなかった。
「何?あのおっさんから、何か聞きだして来い?言われたんでしょ?」
「それはない」
正直リキが出ていってすぐ、駆けだしてきたので、さすがにそれはない。
「ふーん」
まぁここはずばり聞いてしまうよりか、方向性は違えど、何らか関係ある話をした方がよさそうだ。
「それにしてもすごかったよねー。あのAV。よくあんな演出思いつくよねー。」
そしたら、いきなりにこりと笑って
「そうそう、18歳のバースデーに18人の男から、お祝いしてもらえるっていうあれ、最高よねーw」
最高って…
「まぁ私もそんなだったからさ…」
それってやっぱり、お前がやったんじゃねぇかー!
経験人数合計24人だっけ?なるほどねー。頷けるわそれは…
「あ…」
リキはこの時、うっかり喋ってしまったことに気付いたらしい。
「まぁいいよ。私もあの女にはムカついていたからね。あんたホントによくやった思うわ…。」
「え…?」
「実は、あなたがあんな話を聞いてもあっさり引き下がっちゃったから、らしくないなとは思っていた。」
「…あ……」
「それで、あなたはどうするんだろうと思って、一応見守ろうとしていたら、いつの間にかいなくなっていて、いつの間にか一人で全部やってのけちゃうってことに驚いてね。」
と次にリキがいる方に振り返った時には、さらに驚いた…
リキはいつの間にか小型のナイフを持っていた…
「それで私を刺すの?それとも自分殺すの?」
こんな時なのに、なぜか冷静だった。
リキは震えていたのだ。
いきなり、何かを傷つけることは無いということは察した。
「うるさいっ!!」
おそらく、自分の悪事がバレてしまったから、焦っているのであろう。
「私を刺したいならどうぞ」
リキは目を大きく見開いている。余計に動揺しているようだ。
私はね。どこに行っても妹に邪魔されてばかりで、この先もずっと妹に追い回される人生かと思うと絶望しかないのね。なら、いっそ妹に追い回されずに済んでいる今のうちに、死んでいた方が幸せとさえ思えてるぐらいなのでね。
と言い切ってしまいたいぐらいな気分だった。
ホントにそうだ。
今は離れて住んでいるから、そう滅多に来ることはできないが、それでも曜子はしぶとく東京までくる。そこで、毎回めんどうくさい騒ぎを起こしていく…。
もう、はっきり言って、こんな人生もううんざりだ。
「どうして…」
「…ん?」
「なんで、あんたはそんな澄ました顔してられるのよっ!!」
とすごい怒りの顔でリキはこっちに突進してきた。
ああいよいよか…
と思った瞬間だった。
確かに今刺されえてしまった…
が…全然痛みはない…
そうか実際刺されてみると思った以上に痛みは感じられないわけか…
でも、痛みは無くても厚いと感じるということは聞いたことはある…
が…
熱いとさえ感じない…
なぜだ…?
「…ハァ……やっと表情崩してくれた…」
というリキの声…
「やーねー。マジックナイフよこれ…」
「あ…」
見事に騙された…
「星子さんさ、全然表情崩さないんだもん。ホントそこズルくってさ。」
なるほどね、それでなかなか心を開いてくれなかったわけか。
そういや、私からこういう話は誰にもしたことがなかったということに今更気づいた。
「結局…ナキさんの復讐したわけよね?」
「まぁそうなる。あれはさすがにむかついた。」
「でもよく、桜花院の娘のことを短時間であそこまで調べることができたね。」
ホントそれだ。
「実はあの女がお風呂に入っている間、あの女の部屋に入って学生証見つけて、速攻でそれ写真撮った。」
「なるほどね…」
「そこで、3月26日があの子の誕生日だと知って、その日に実行しようと思い立った。でも一旦、使えそうな奴が多いこっちに戻って、いろいろ話をつけて、あの女を迎えに行った。」
でもだ…
「あれだけのお嬢さんだから、派手にお祝いしてくれる予定じゃなかったの?」
「それがさ、春休みを理由に良くて前日にプレゼントだけ渡した子が数人いただけで、当日誰からも祝ってもらえない予定だったらしいよ。」
「うっそー」
「というか、「仲直りのお詫びに誕生日に合コンしない?」とかいったら、簡単に引っかかったわよ。どうもずっとお嬢さん学校で男には飢えてたみたいでさ。」
あぁ女子高の子に合コンの誘いなんかしたら、何を差し置いてでも来るわなー。
「それも、その誘いをするときの連れ、あの子よりも明らかにブスか、垢ぬけてない子とか連れていたから、もう速攻で来たよ。
それも、高校卒業後最後の年度末合コンだから、参加服は制服限定にしたら、ものすごい勢いで自分の家まで征服撮りに行ったのには、ホントに笑ったよw」
「なるほど、それであの時のあの子、自分の学校の制服をそのまま着ていたのね。だから学校にもバレたわけね。」
「まぁ他の子もいたけどさ、その子たちは実はコスプレだったり、全然関係ない学校の制服だったから、スルーされたのね。」
なんかいろいろ聞けた。
問題はだ。ここに盗聴器とかがなければいいとは思うが。
こんな事件があって、あの子が通っていたお嬢様学校は、急遽来年から制服のデザインを変えるとのこと。制服でAVで噂になってしまっては、そこの学校は制服を変えざる得ないよな。
まさか、あの月城がここで私たちが話していたことを知ったところで、あのおじさんが軽々しくそれを言うことはまずないとは思う。
あのおじさんはとにかく、他人の不幸話は蜜の味のように常々思っているのは間違いないので、桜花院の家がどうなろうが、知らん顔だと思う。
まぁそれでも桜花院のおじさんの手早い処置のおかげで、噂の被害は最小限に納めることはできたらしいが、避けることができなかったのは自分の娘の妊娠。
本当はうまく言えば、ナキにもう一人産んでもらう予定だったか?といえば違うらしい。
ナキはあくまで老後の後添いなだけで、今更、子供は期待していなかったとのこと。
でも、どんな形であれ、自分の娘にはいずれは後継ぎは産んでもらう予定だったとのこと。
しかし物は考えようだが、自分の年がすでに60過ぎで後継ぎをどう育てるんだ?といことが疑問だ。
ホント金持ち男の勝手な人生設計で、あきれてものが言えない。
てことは…
5年後にトキがナキの代わりにあのおじさんの後添え予定らしいが、あの我儘すぎる性格のトキがおとなしく言うこと聞いてくれないのでは?とさえ思う。
そもそも…
あの家にはすでにイヤな性格の女が二人もいるわけで…
この先どうなっていくかは…それは別のお話で…




