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予想はしていた展開来る?

あの卒業式の後…


やっぱり…と思っていたことがあった。


ナキさんが亡くなられたらしい。


まぁ当たり前だよなとさえ思えた。



この年度末


いろいろありすぎだ…。



一番、怒っていたのは…



「ウソでしょ!?なんでっ!!?」


この2年もの間、何も事情を知らされずにいた、同い年の姉妹であるリキだった。


そう、ナキはあの結婚式以降、リキやユキ目線は行方知れず状態だった。


問題は、いくら何でもナキの死因が、61のヒヒ爺に嫁いだ挙句の自殺ということを知った日には、月城を殺しにかかるであろう。


考えただけでも恐ろしい…


そこで月城はナキがなくなった原因をリキにはどう伝えるのであろう。


「リキ…お前は自分はもう大人だと言い切ったよな?」


「そうよ!私は大人よっ!」


「では、私がこの先何を言おうが、決して動じることなく受け入れると約束できるよな?」


うわーーーっ…これ絶対にその約束破られる奴じゃん…


おまけにその直後、契約書まで書かされていた。


「うむ。実はナキは…嫁ぎ先で死んだ。」


「はぁ!?」


「はい!動じた!」


「…あ……」


やっぱり早速破られた。


「じゃない!いつの間にそうなってたのよっ!!?」


「やっぱり怒ってるね…」


「当たり前でしょ!?」


「怒っているなら、これ以上の詳細を教えるわけにはいかない。」


「なんでよ!?」


「約束違反だからな。」


まぁそうだ。


結局、そうなるわけか…


「まぁどちらにしてもだ。今すぐ泊まり込みで通夜と葬儀に向かう。」


詳細は語られなかったが、


「私も行きます。」


さすがにリキも行く気はあるらしい。


「当然、リキは連れていくよ。」


で?今回は誰が行くことに…?


ということだが…


一族はもちろんのこと、やっぱり私まで巻き込まれた。

それはもう、屋敷を出て行ったばかりの佐久間親子や、家を出て独立をしたサキさんや嫁いでいったシキさん、そして尼寺に出家したアキさんとフキさんとシキさんの実母まで当然呼ばれた。

私もナキさんとはあまりかかわりがなかったのだが、あの当時いた主要職員はほとんど呼ばれていた。

他、やっぱりいろいろ修行中の身である希実や、ナキと仲が良かった同僚の純子さんや他数名のメイドさんも本人の希望で参加することとなった。


そして、私はそこでナキさんが亡くなられた真実を知ることになるのであった。

それも…あのリキと共に…



そして…




「どういうこと?」


「…」


葬儀に向かうことが決まったはいいが、やっぱりユキだって納得していない…

二央は黙ったままだ。


「ナキさん。あなたの姉さんは嫁ぎ先で亡くなったそうよ…。」




「え?」


「以前聞いたかもだけど、月城さんが自分の娘を次々と嫁に出している話…。」


「じゃあナキさん。いきなりいなくなったと思ったら…お嫁に行っていたということ…?」


「そういうことになる」


「ってナキ姉さんまだ、高校生の年じゃないの!?」


そうだ。

リキだって今年の3月にようやく高校を卒業したのだ。その同い年であるナキも当然、普通ならまだ高校生である年で、嫁がされたのだ。



「…信じられない……。」


まぁそうだ。

リキなんか、完全にキレていたぐらいだ。


まぁリキは出来が良すぎて、月城もさすがに下手には手は出せないが、他の娘はおそらく違うであろう…。



「私…怖い…」



まぁ月城家の娘として、そう思うのが普通だろう。



で、さらなる問題は末っ子のトキの方…


「なんで、私が出て行った召使の葬式に出ないとならないのよ!?」


自分が一応この家のお嬢様という自覚があるだけに、この態度。


まぁ確かに月城の血を継ぐ娘ではあるのだが、その月城の血を継ぐ娘が自分だけと思い込んでいるのだから本当に手を焼く。まぁ月城家の掟も、その分面倒なことばかりだから、そのせいでもあるが…



通夜も含めて泊りがけの葬式だった。


またもやチャーターバスを使っての大所帯の移動だったのもあってか、とんでもないほどのもてなしとなるのだろうなーと思ったら、そこに集った女集は私を含めて皆、そこの手伝いに使われていた。つまり、もてなし料理とかも女手全員で手伝っていた。


手伝いを免除されたのは、小学生であるトキぐらい。


でそのバタバタと忙しい中で、赤子である三緑や匠まで来ていたので、いつも愛用している専属の保育士までそこについてきていた。保育士の彼女だけは子守専用だ。




そして…葬式の時…




上下黒ジャージで頭はボサボサというとんでもない服装で来た人物がいた。



「ども」



と気の抜けた挨拶をしたのみで、式場に入っていった。



誰だろう?



「久しぶりだな。七緒…。」



月城さんの知り合い?



「げんきだったか?」



とてもじゃないけど、見てわかるとおり、元気どころか不健康そのものではないか?



「…はい……おかげさまで…。」



それでも七緒はか細い声で、振るいださせながらもそういっていた。



「まぁそうだろうな…君が出て行ったあとは私も責任をもって、一応は仕送りをしてたからな…。」


なんかすごい…

月城が囲っている女はみんな若くてきれいな女ばかりかと思ったら、こんな清潔感のかけらすらない50代のおばさんまでしっかり面倒見ているんだもんな。


「……あの…」


「なんだね?」


「あの子が亡くなったって…本当ですか?」


あの子って?まさか…



「ああ…」



それを言ったとたん…



七緒は棺の前まで駆け出して行って、



「うわーーーーーーーーーーーーーーーーっ」



大声で泣いていた。



その声に僧侶をはじめとする、その場にいた者たちも一瞬びくついていた。




「まぁあの子をここに嫁がせたのも、あれのせいでもある…」


あのことはナキのことか?あれとはやっぱり七緒のことか?



「仕方ないだろ。あれも

初物でここに売られてきた身でね。私もあれを好きで買ったわけじゃないんだよね。かといって愛人でもないし、セフレという感情すらない。自家用風俗嬢って感じな立場でね…。」


初物ってしょじょだよね…?ヤバいではないか?それ…

おいおいおい、だからって何でもありで避妊すらしなかったんか?


「まぁただのお楽しみの子だから、一応お薬は与えていたんだよね。でも自主的なことだったから、飲み忘れが多々あったみたいで…」


聞いてあきれる…





滅茶苦茶ひどい話である…。

おそらくその子どもがナキさんであろう…。


やっぱりこの男。最低だ…。


それにしても七緒さん。どう見ても50代近いほどのおばさんにしか見えないが、ナキさんを産んだのが10代か20代前半だとすると…まだ30代であるまもしれない…


なんであんなぼろ雑巾みたいになってしまったんだろう?


同じ、同い年の娘を持つマチ子さんとは大違いだ。



「あの人、今何をされてる方なんですか?」



「まぁ引きこもりだよ…。ずっと気が病んでてね。一応、私が辛うじて所持しているボロ小屋に住まわせているよ。あの子やいつ壊れてもおかしくないから、いつでも出てっていいとは言ってあるけど、結局ずっとそこに居座ってるよ。」


ああやっぱり不動産をやっているとそういう意味のない不動産も一つや二つはあるわけか…


「でもなんで、あの人ああなったのですか?」



「屋敷にいても子育てもしないし、かといって召使として働かそうとしてもなんもやらないし、ずっとあんな感じで身なりすら整えないし、すでに初物ではないから、他の家の愛人枠として売ろうと思っても、若いってだけじゃなかなか売れなくてね…。


そして、結果的に追放審議会で追い出されてね…。」


ああ月城もめちゃくちゃだと思っていたら、七緒さんもめちゃくちゃな人でしたか…。




「でもま、あれは少なくとも意地悪な奴ではなかったから、わずかながらの情けだけで必要最低限の面倒は見てるわけだよ。」



なるほど。意地悪じゃないか…

だから、ララさんにしても再就職先まで提示してきたわけか。



「それに多分…」



「多分?」



何を出だすかと思えば…



「あれは私以外の男は知らんであろう…」




そこかよ!?




じゃ、他の男を知っているユキの母親とかにはあそこまで真摯に責任持たなかったわけかよ!?

とここで問いたい。


ホント男って、自分以外を知らない女には甘いんだろうか?


そうなると私はそういうことで甘んじることはできない身なのだろうか?



とにかく、子育てをしなかった割には気持ち的には情はあったらしくて、七緒は葬式の間、棺に突っ伏してずっと泣いていた。


それにしても黒とはいえ、さすがに葬式にジャージで来る人は初めて見た。




そして…


二泊二日での二日目の夜…

とんでもないことが起きるのであった…



あれは夕飯を食べた後のことだった。




「次に来るのは、あんたなの?」


「は?何?」


何か声が聞こえたのでそこに行ってみると、リキが誰かといた。

たしかあの子…この家のお嬢様。



「それにその頭何?ほとんど丸坊主?うぷぷぷぷーーーっ」



うっわーまたもや性格悪すぎなお嬢様だ。

それらを見るとまだ月城家の娘たちはいい子に見える。



「都会じゃそんな頭が流行ってるのーーーっ!?マジウケるんですけどーーーw」


まぁ確かに今年の元旦より髪を伸ばし始めているリキの髪はまだ3センチか4センチぐらいしかない。


「それも金髪?いったいどういうご身分なのかしらー?」


「少なくとも、今年留年が決まったあなたとは違って、私はしっかり首席で卒業しましたから、私の方が上ですけど?」


留年?


まじで?


確かここの子どもは、リキやナキと同い年だとは聞いたが、学校留年していたのか…。



というか普通、ここまでのお金持ちの家の子なら、袖の下を学校に払ってまでも留年を阻止するのが当たり前と聞いたけど、どれですら補えないほどのひどさだったのだろうか?


「ふーん。主席と言ってもどうせ底辺校なんでしょ?月城の家の子ってほら、たいていが中卒と聞くけど?あんたは一応底辺校でも高校行ったのね。偉いわねー。」



「・・・」


「まぁいいわ。どーせあんたみたいな底辺校だから、進路先はどこ?あ、就職かー?何せ月城の家はケチだもんね…」


まぁ確かに、娘に進学させないところはせこい家ではある。


「一応、4月から医大生ですが?なにか?」



「は?まっじーーー!?そりゃおめでとさん。へぇーあの月城さんがよく許したねー。それはそれはお見それしましたー。」



「あんた!人をバカにするのもいい加減にしなさいよっ!」


「おおこわーっあんたの方こそ、ちょっとぐらい頭がいいからと言って図に乗らないでくれる?どっちにしても、私とあんたじゃ格が違うわ。」



「どういうことよ?」


「私は正妻の子。であんたは愛人の子。それが明らかにあなた者超えられない壁ね。」


うわーーーそれ言われちゃ、あの弁が立つリキちゃんでも歯が立たないかもだ。


「多分、あの中でも一番賢そうなメガネの人が、あんたの母親だと予想だけど、結局、あんたの母親もその他大勢の愛人よね?」


うわ…見事にドンピシャでマチ子さん当てているのがすごい…。

まぁ確かに月城家の子どもは全員母親似しかいないから、極めて簡単な問題なのだけど


「だったら、どう考えてもあんたのが格下じゃない?」


さも当然かのようにヘラヘラしていた。



「まぁ少なくとも、あなたたちの母親を見る限りじゃ、あのブスよりかはあんたのが格上いうことは認めるけどね。あなたは所詮愛人の子であり正規の子じゃないのよ。それだけは判ってちょうだい。」


「・・・」


「それにしてもマジでびっくりしたわーーー。色は黒いとはいえ、葬式にジャージで来るんだもん。それにあの頭何?すっごいボサボサじゃん。あんな格好でよく来れるわねー。マジウケるんですけどーーーー」



といったとたんだった。



ばっちーーーん!!



「いたい!なにするのよっ!!」



「正妻だの愛人だの、クッソどーでもいい!!

ねぇ!?聞くけど、あんたがナキ殺したってホントなの!!?」



「え?どういうこと!?」


私は、ナキの死因が自分が予想していたのとは全く違っていたことに驚いていた。


それまで何とか隠れて聞いていたが、思わず声を出してしまって、ついでに身まで出してしまった。



「痛いーーー。ねぇ助けてーーー」



桜花院の娘は私がいることに気が付いて、私に助けを求めてきた。



「ねぇどういうことなの!?私も知りたい!!」



と私までリキと一緒に身を乗り出して彼女に詰め寄った。



「どうなのっ!!こたえてっ‼‼いうまで絶対に逃がさない!」


私が味方になってることをいいことにリキは


「言えっ!」


とまで強気に出ていた。

さすがに多人数でかかるとつよい。



「わかったわよっ!」



観念したらしい。


「あのブス。人妻の分際で、私と同じお嬢様学校に一年遅れで澄ました顔で入ってくるから「あいつ、ヒヒ爺とヤった非処女」と学校中に暴露してやったのよ。


そしたら、アイツの友達になる奴なんか、入学早々だっれもいないでやんの!

もうクッソおもろいから、ずっとそれでいじってやったのよ!」



「なんてひどいことを…」



一番輝いているはずの、高校生活が始まってすぐに悪いうわさを流されるほどきついものはない。


「ひどい?ホントのことじゃなーい。

それにこんな面白いネタはいいふらすにかぎるじゃん。その気持ちわからない?」


こいつマジでクズ過ぎる…


なんなんだ?

いくら、自分の家に自分と同い年の若いお義母さんがいる環境になったからと言って、ここまで心が曲がるものなのか?


「もうそれやったら、毎日が楽しくて楽しくてたまらなくてさー。

もう、アイツの反応が面白すぎて毎日それで遊んでいたんだよねー。」



なんなのこのこ?



「もう、あのブスが清純ぶらせてたまるかーと思ってさー。

いろんな男に客とらせて、おっもしろい遊びも次から次へと思いついてさー。

まいにちが最高だったわー。あはははははーーーー。」


ひどすぎる…


さっきリキがこいつのことをひっぱたいていたが、私までひっぱたきたくなってきた。



そこで…



リキが言った一言とは



「それで、あんた処女なの?」



は?


こんな時になんてこと聞くんだ?と思ったが…


「は?」


やっぱり私と同じ反応だ…。



「何それ?ついにあんたもおかしくなった?」


うん、私もそれ思った。

さすがにリキの今の質問は何気に不自然だ。



「お前が処女かどうか聞いてるんだよっ!!」


「…え?」


気が付いたらリキは彼女の体を揺さぶっていた。



「さっさと答えろやっ!!」



リキはさっきよりもすごい勢いで彼女の体を揺さぶっていた。



「ちょ、そんなわけないじゃん。ハァハァ…」


「ふーん」


そんなわけないって?そんな言い方でよくわかるよね?

結局そういう答えで?どっちなんだ?とさえ思うんだけど、そこで許すんか?



「で?まだ質問いい?」



「どうぞ。」


ここまでくるとさすがに普通に会話になっている。



「あんたが留年した原因は何?」


今度はまた全然違う質問だ。



「ひょっとして大学受験全部落ちたとか?」



今度はリキの方が、何気にプゲラしてそうな質問だ。



「ちがうわー!


あと一年わざと残って、アイツの高校生活3年間邪魔する予定だったんだわーーーっ!


どうせ、奈緒美も初子も留年予定だったし、一緒に残ってあいつからかおうという話になってさ、それは面白い思って乗ったんだよね。


で、あのじじいには「留年したのも私の不手際が原因です。あと一年反省という意味を込めて責任もって留年します。」とかいって拝み倒したら、あっけなく納得してくれたんだよねー。


やっぱあのオヤジはちょろいわーw」


なんだそれ?

いじめをするために留年?


「それで、アイツ私がまた一年留年するということを知って、ショックで死んだわけよ。

まじおもろいよなーwww

まぁ私としてはー、もう一年気楽にJKがやれるからさー、留年だろうと何だろうと受けて立つけどねー。」


確かにそれだと、やっぱり間接的にはこの女が殺したことになる…



リキは怒っているかのように思えた。


リキは静かにうつむいていた。


今度は何をするかと思えば…



「……そうですか…。」


「え…?」





私もリキのその態度には驚いた。



「判りました…」



と静かに言ってその場を去っていくリキ…



あれだけ自分の妹のことをめちゃくちゃに言っておきながら、そこまであっさり引き下がるなんて…。



ちょっとどういうこと?



もうこうなると私も引き下がるしかなかった…


何よりも、こんな気でも狂った人間を一人で相手にするのは、無理だと判断したからだ。

私もリキを追うようにその場を後にした。



ホント、ここ数年曜子並に変な奴をよく目にする…



これは神が曜子一匹ごときで動揺するなとでも言っているのだろうか?


と思えれるぐらいに…



そして…



後日また恐ろしいことをリキはやらかすのであった…


確かにあのリキがこのままおとなしくあの女を放置するわけがないとは思ったけど…


そしてあの女は、自分がわざと留年したことをそこで激しく後悔するのであった。

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