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すっごく大きな卒業式

「さすがに君には1本取られたよ。」


「…」


「そうやってずっと沈黙を貫いてきた挙句、1本どころか100本とられたぐらいの痛手だが仕方ない。君の我慢がちだ。」


「…」


これを数日後に聞くとは思わなかった。



3月に入った今…

季節は卒業シーズン。


今年卒業するのはリキとキキ。


リキはほとんど留年が決まっていたようなものだったが、なんとか最後のラストスパートで学年トップを取り、なんとか留年は免れたそうだ。

それもまたすごいことに、あれほど厳しいと言われていた医学部にも、2次募集で何とか合格するという、すごいことをやってのけた。


あれほど同級生から、丸坊主のことをいじられ続けていたというのに、卒業ギリギリで進路までしっかり決まって、同級生を黙らせたのは、本当にすごいと思う。それも…


「あんたみたいな低俗な家庭教師の力など借りなくても、やってのけたわっ!」


とまで言われてしまった。


頭脳系同士の張り合いでそこまで見かえされたのは悔しいものあったが、それ以上にリキの実力はホント見事だと心から思えたので、


「おめでとう」


と素直に言えた。


私のその態度だけは、結果的にリキは面白くなかったらしい。



で、リキは卒業後どうするかといえば、学校へ通う利便性の問題から、結局家に残るらしい。

何せ、自分の母と同じ大学へ通うのだから、母が学生時代に下宿先として利用していたのが、ここ月城家だ。


どうやら、私はここを出ていくまではリキと顔を合わすことになるらしい。


まぁ曜子とか利江とかじゃないから、別にいいと今はそう考えておこう。



そして意外だったのはキキである…


超宇高製の卒業式は制服で出席するのが定番だが、小学生の卒業式はかわいい感じの制服っぽいスーツが定番だ。というか「こんなの今買って、これまた着る時ってあるの?」と疑問になるようなスーツ。デザイン的にもサイズ的にも着れるのはこの年頃まで。まぁ長い目で見て、月城家みたいに妹が何人もいる

家なら使いようもあるが、それでも流行り廃れがある。だからああいう服いちいち買ってる家庭はもったいない思う。


いったいこども用スーツ買ったところで、卒業式以外にいつ着るんだろう?


という疑問のスーツをキキが着るかと思っていた。


ところがキキが着たのは


「いやーやっぱり女の子はこういうのがいいよなー。」


袴姿のハイカラさんスタイルだった。

一応聞きもギリギリハーフアップがギリギリできるボブだったから、しっかり映えてる。


月城はずっと写真を撮っている。


それを見て嫉妬したのが…


「私の時は河立中学の制服だったのにーーーーっ!!」


ユキだった…


「それも何代もの後のおさがりでーーーー!?どれだけ惨めだったかーーーーっ!!?」


それは、扱いが天と地の差だ…。

そうなると気持ちは判る。


「でもさユキもさ、今やこの辺りの学校では制服がかわいいことで有名な学校じゃないの。それもその制服を提案してくれたのも月城さんのおかげなのだから、ここはおさえて。」


「それにしてもだよ。最近のあの子いい思いばかりして、なんかずるいんだよね。」


それはユキばかりではなく、同じくその場面を目にしていたトキだって同じだろう。



「イヤぁ私も一緒に写真に写りたいよー。ホントうれしい。」


「え?」


「あ、ララ君。」


「はいでは私がお撮りします。」


「いいや、君も一緒にだ。」


「え?…」


「写真は相原君に頼むよ。」


「あの?私…作業着ですよ?」


着付け師として呼ばれたららの服装はいつも通りのメイド服だ。そのメイド服とハイカラさんと同時に映る写真はいかがなものか?


「私の命令だ。君がこの子を着付けてくれたのだから、君も一緒に映る権利はある。」


なんだそれ?

ホント意味わからない組み合わせだけど、その写真は何枚か取られた。

しかしその光景には不思議なことに何も違和感がなかった。


そのあとで、リキ、二央、ユキ、トキといった今現在月城家にいるファミリー全員も含めた写真も何枚か取った。


そして私や相原君、小野坂夫妻、上村さんといった主要スタッフと一緒の写真も数枚とってくれた。

あと、希実君ともツーショットで一緒に取っていた。


希実君。あまり写真を撮られたことがなかったらしく、この経験も一つのマナーの勉強だったらしい。


そこへ



「だったら、私も希実君と一緒にとって。」


と出しゃばってきたのはトキだった。


まぁトキは希実君を一目見た時から、ぞっこんだったことは誰が見ても判る。


「…」


さすがに希実君もあの時みたいにトキをブス呼ばわりはしなかったが「これも勉強か?」と言わんばかりに上村さんにアイコンタクトを送っていた。


「今日の主役はあくまでキキ様です。」


え?様?って?


「あなたが出過ぎてはなりません。」


上村さんはトキにぴしゃりと言っていた。


そんなこともあってか…


この後すぐとんでもないことが起きた。


私も今回は、なぜかキキちゃんと一緒に卒業式にいってくれと頼まれていた。本当は上村さんが出る予定だった。それで私がリキの卒業式に出る予定だった。が私とリキが仲たがいをしてしまったことで、シフトをトレードする形になってしまったのだった。


私とキキが車まで向かう時だった。


私たちめがけていきなり、水が飛んできたのだった。

私はうまいこと避けることができたが、問題はキキの方…


主役のはずのキキはずぶ濡れになってしまった。


え?どうしよう?



水が飛んできた先を見ると…



「あはははははーーーーざっまぁーーーっ!!」


やっぱりやったのはトキだった。


「奴隷の分際でいい思いするからよ!」


トキは手にはホースを持ったまま笑っていた。


このまま、突進していこうとしたが、それではまたこっちに水かけられそうだ。


仕方ない…


私は自分が持っていたカバンをトキにめがけて投げつけた。


「いたっ!」


それは見事に時に命中して、その隙にトキに思いっきり体当たりして、トキを転ばせた。


「いったいなーーーっ!!何するんだよっ!!?」


と反撃しようとしていたが、トキの手元にはすでにホースはなく、そのホースはすでに私が奪っていた。


そして私はもう遠慮なく、そのホースを使って、


「うわぁーーーーーーーっ!!」


まだ転んだままのトキめがけて勢いよく水ぶっかけてやった。


いうまでもなく、トキは水だらけどころか、泥だらけになってしまった。



「お前なぁ!身内の晴れの舞台ぐらい気持ちよくお祝いしてやれよっ!!それがマナーというもんだろうがっ!!!」


と私はキレてしまった。

ホントこいつにはあきれてものが言えない。



そこへ…



「どうされましたか?」



小野坂さんが来て、すごい有様を目にしてしまって



「これはひどい…。」


そりゃそうだわな…


私は靴とカバン以外はほぼ無傷だが、主役のキキはずぶ濡れで、トキは転んだまま泥だらけで…


「うぉーーーー!なんでよーーーーーっ!!!?」


といきなりトキは立ち上がって、突進してきた。


当然狙いはキキ。


まさか、キキを水びだしにしただけじゃ飽き足らず、泥だらけになった自分と一緒にキキまでも泥だらけにしようしてる?


今度こそ私が前に出て庇わなきゃいけないのに、もう間に合いそうもない。


もう最悪だと思った瞬間…


小野坂さんがトキを無理やり捕まえていた。


ホッ事なきを得た…


「やめて離して!!」


トキはそれでも小野坂に抱えられながらもジタバタしていた。


「てか、人の胸触るな!エロジジイ!!」


うわ、もうこれそんなことを理由に離すわけにもいかない状況だ。

もしこのまま小野坂さんがトキを離してしまったら、トキは絶対に危機の着物を汚しにかかるのは目に見えているから…



「どうされました?」


「きゃっ!」


もうこの騒動を聞いて次から次へと使用人が集まりだした。


「ここはいったん私が納めるから、槇原君たちを呼んできてくれたまえ。

あと、キキさんを安全なところへ。」



「はい!」



小野坂さんはこんな時でも冷静だ。

キキはメイドたちによって、連れていかれた。

あとは槇原さんを待つのみだ。



「あの…ごめんなさい…。」


「なにがだね?」


「こんなことになってしまって…。」


「多分だが悪いのはこの子であって、君は何も悪くない。」



それでも小野坂さんはトキを抑え込んでいた。

こういう時、男の力はある意味偉大である。

私一人だったら、小学生とはいえ、こんなおデブな女の子を抑え込むことは無理だろうから。


はっきり言って、小学生女子のスクールカーストの頂点に立つのは、意外にもデブの女の子なことも多々あるのだ。なぜか小学生時代って太った女の子のパワーは尋常でないのだ。

実はかつて私の親友だった碧依もガタイがでかいパワー系でぽっちゃりをやや上回るぐらいなデブだったことを思い出した。あれが、日比野の初恋の相手なのだから、今思えば日比野は見た目では判断しないの名とさえ、今になって思えてきた。


まぁそれはさておきだ。さすがのこの騒動、次に来たのは主の月城だった。


「何があったんだ!?」


「申し訳ございません。ご主人様…」


と小野坂さんがしゃべりかけていた時、


「お父様ーーーっ!この者が私の胸を鷲掴みにしたのーーー!!首にしてちょうだいっ!!」


とトキがいきなり叫び出した。


その時だった。




ばっしーん!!!




月城がいきなりトキの頬にビンタをした。



「…」


「…」


「…」



トキを含めてその場にいた全員が静まり返った。



そして…



「残念だが、君には私の娘をやめてもらう。」



と月城の一言…



「え…?」



さすがにトキもこの一言には黙った。



シンと静まり返る中…



「小野坂。」



「はい」



「今すぐ、この子をお風呂に入れてやれ。槇原もすぐ来る。」



小野坂はあっけに取られていたが…



「かしこまりました」



その場はなんとか、おさまった。



問題はこのままどうやって卒業式に参加できるかだ。


私は靴とカバンさえ変えれば、このままでも行けるが問題はキキの方だ。


私はキキが心配になって、急いで相原のサロンへ向かった。多分あの様子だと、今キキがいるのは相原のサロンだ。



「キキちゃん」



相原のサロンに入った時、キキは相原にドライヤーで髪を乾かしてもらっていた。


「大丈夫だった?」


「ああ、まだ泥だらけにならなかっただけよかったよ。」


キキが着ていたあの和服はすぐそこに掛けられていた。


「まぁ残念だけど今回はあの着物は無理かな…。」


かといって、この子もユキと同じく河立中学の制服ではかわいそうだ。


「何か、代用できる衣装はないの?」


「んーーー。」




相原は考えた結果…




今、一応私は卒業式の会場にいる。

あれから、なんとか無事に事なきを得た。



ほんとここまで来るのに目まぐるしい一日であった。




「佐久間キキ」



キキの名前が呼ばれた。


「はい!」


実はもう一着、色違いの袴があったらしく、色違いの和装でキキは卒業式に参加していた。




その時…



「お隣いいですかね?」


「あ、どうぞ…って…え?」


月城だった。


「なんだね?娘の卒業式に来てそんなにおかしいかね?」


いやおかしくはないが…

あの状況で、まさか来るとは思ってなかった。


「一応、これでも子供たちのこういう行事には少ない時間であってもこっそりであっても、一応は参加してはいる。」


ああそうですか…


「まぁこれも最後だな。」


「最後って?」


「あの子は今日で、月城家を出ていく。」


「え!?」



ちょっとまって!


私、何も聞いてない!



「そのことはキキちゃんも知っているのでしょうか?」


「多分、知らないよ。」


なんなん!?この人は!!??


「だから…最後のはなむけに…」


素敵な着物を着せたわけか?


「まぁそうだな」


これ、またキキちゃんがあとで悲しむ奴?

ここにきてそればっかり。


「実はね…あの墓参りの後…土取家と金田家と木橋家から、あの子への縁談を持ち込まれてね…」


「は?」


「ホント参ったよ…」


「確か、あの一族同士での結婚は禁止では?」


「ああ確かにそれだがね、跡取りがそれするのはタブーということで、その家から出ていくものとかなら可能なんだよ。土取家は次男坊だし、木橋家は末っ子なので跡取りからは一応外れてるのね。おまけに木橋家に限っては末息子がすでに糖尿病らしくて子供は望めないことは判っているから、それだろうね…。」


「何それ…」


糖尿病の男に嫁がせるって?おかしくないか!?ふざけてる!!


「まぁ金田家はのあの子は跡取り確定だから無理だろうね。おそらく息子の方ではなく、あの偏屈オヤジの愛人候補だろうね。」


「それって、今の金田家の当主ですよね?それもまずいのでは?」



「ああ多分、あの子との間に子どもは作らないという前提だろうね。跡取りは前に来ていた民雄君確定だし、一応あの家は3兄弟なのでもうスペアも十分にいるから、もう子供はいらないとまで言っていたしな。」


なんという滅茶苦茶な…

あの一族はやっぱり、どこの家庭も異常な一族ばかりだ。


以前月城さんが「日渡家が安定してる」という意味がよく分かった気がする。


「で?断ったんですよね?」


「まぁ残った土取家はありっちゃありだとは思うんだけど、どう思う?」


土取家の次男坊って?

あの寡黙で不愛想な強面なあの子よね。


ただのデブの木橋家の末っ子よりかはマシかもだけど…



「源次君は今時珍しいほど、硬派な子だよ。あらゆる武道にも精通してるから、一生守ってもらえるぐらいだから、あの中では信頼はしている。いい縁談だと思うんだけどなー。」


そりゃ、この月城が今まで娘に進めてきた縁談の中では聞いてきた限りでは一番マシな縁談だけど…


それでも…



これまた自分の娘の意思は全く無視で進めていることには変わりはない。



「まぁ正直な話…」



と月城が言いかけた時だった。



「えーこれより、来賓代表で月城弘三郎さんより祝辞」


え?と思ったがいきなり月城が名指しで指名されてしまって、月城はステージの上に行ってしまった。



月城はいつもとは違ってかなり立派な祝辞を言っていたが、もうそんなこと何も頭に入らないぐらいにイラついていた。

よりにもよって小学校を卒業したばかりの娘を卒業と同時に婚約者の家に嫁がせてしまうなんて、本当に狂ってる。


これ、次にまずいのはおそらくユキであろう…


多分、月城はユキに関しては高校卒業するまでは、何も手を付けないとは思う。それだけはなぜか約束されているから。


あの子もおそらく高校と同時にそれやられそうで…



もう、無理だ。


あの男の考えにはついていけない。




これはきっぱり言うべきだ。

私がなんか言ったところで、どうにもならないかもしれないけど、もしかしたら、どうにかなるかもしれないので、言うだけは言おう。


私は決心をした。



月城はあの後、来賓席に行ってしまって私の隣には戻ってこなかった。


アイツやっぱり逃げたな。

私から、何か言われる思って。


絶対に許さないんだから!!




と思って卒業式が終わった後、ふと来賓席を見たら、アイツはすでにいなかった。



いったいどこに行ったんだか!?


とはいえ、私はあくまでキキの保護者代行なので、他の保護者同様にキキの教室で、小学校生活最後の教室にいなければならなかった。


ホントに最後の最後で感動な時だというのに、全然落ち着かなかった。


ホントどうすればいいんだろ?


と思っていた時だった。


「ね?そっちはどう?」


といきなり背後から声がした。


「ひっ」


振り向くと探していた月城本人がいた。


「なんなんですか!?」


私はそれでも怒りを抑えて、なんとかひそひそ声で月城に怒った。


「ちょっとびっくりしたぐらいのことで、そんな怒ることないでしょうに。」


「怒りたくもなりますよー」


「あ、あの子の迎えの者も、実は卒業式に来ててね。」


「えーーーっ!!」


私は抑えていた声が思わず出てしまった。

教室にいた人たちは全員私の方を見ている。


「す、すみません…」



私と月城はいったん教室を出て一旦廊下にでた。


「どういうことですか!?」


「キキとその人と私とで記念に写真を撮っていただけないかと…」


「は?イヤですよ!そんなの!」


「えーまさか断られるとは思わなかったな…」



「だって迎えの人って…」


「実はね。今日、あの子の実の母親が来てるんだよ…。」



「え?それって…」


「彼女はこれからはキキのことは全面的に引き取ると言っていた。」


「だから私はもう、あの子には何も手出しはできない。」


「じゃあさっきの話は…?」


「うむ。正直な話。まだ早すぎるのもあるけど、あの子はもうすぐ私の管轄外になってしまうから、どう断ろうかと悩んでいたんだよね。あいつら、思っている以上にしつこいからな…。つい愚痴ってしまった申し訳なかった。」


そういうわけか…


「しかし、あの子も意外にもモテるから、これから心配でしかないけど、これからは遠くから見守るしかできなくなってしまうんだよなー。いやぁ寂しくなるもんだ。」


だからと言って、いいかげん自分の娘を勝手に嫁がせるのはやめろよと言いたかったが、あれがただの愚痴だと判って、さすがに今は言えなかった。


「まぁあの子にしてみれば、小学生を卒業とともに月城家からも卒業ということだよ。」


「そうですね。本当におめでたい日になってよかったと思います。」


本人に隠しているのは、あまり関心はできないけど、キキにとって本当のお母さんが迎えに来るのだから、それはいいことである。



「あと、もう一つ注意点として言っておきたいのだけど…」


「なんでしょう?」



それはまたとんでもないことだった…



そしてさらにとんでもないことに…



「え?」



キキの母親は…











「……ララさん?」






だった…

さすがに私も驚いた。


だって、ララさんの年は25歳。

てことは…希実の母よりも若い…




そして…


「佐久間キキ君。君は本日をもって月城家を卒業する!」



と月城さんから言い渡された。



「え?」



「これからはお姉さんと一緒に暮らしていくことを命ずる。」



そうです。

ララさんはキキにとって実の母親ではあるが、あまりにも若すぎるために時が来るまでは、ララのことはお義母さんではなく、お姉さんと思わせてほしいとのことだった。



「よかったわね。」



「ごめんねキキ。今まで黙ってて…。」


「あ、あの…」


「キキが小学校を卒業するまでということもあるけど、キキがある程度、何でもできるような子にもしておきたかった。あと何よりも生活基準があまりにも不安定だったから、ずっと月城さんにお世話になっていたの。ゆるしてね。」



「あの私…」


キキはあまりにも突然なことで驚いていた。


「ごめんね。突然なことで慣れないかもしれないけど、こうでもしないとあの家を一緒に出られない思ったから…」




まぁ確かに異常な家だ。

ここまで強引にでもしないと無理はありそうな事情はありそうではある…




「さすがに君には1本取られたよ。」


「…」


「そうやってずっと沈黙を貫いてきた挙句、1本どころか100本とられたぐらいの痛手だが仕方ない。君の我慢がちだ。」


「…」


うん、こればっかりはそうだ。

ララさんは月城家で小学一年生の時から、一人で戦ってきたのだからね。


本当に我慢したと思う。



本当に今までに見たこともない大きな卒業式だった。

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