キンキン滅茶苦茶社交界
曜子の登場で会場中が一気に静まり返っている。
いや、むしろ凍り付いているといった方がいいのか?
何も前触れもなく、曜子のあのキンキン声を聞かされたのだ。
いうまでもなく曜子は歌ははっきり言ってうまくない。
うまくないどころか、もうアニメトラえもんに出てくるジャイバン並に音痴でしかない。
それも容赦なく大音量で、マイクをつかったのだ。
その場で倒れた人は何人かいた。
さすがに何度も聞いている私なら慣れているか?と思われてるかもだが、生憎あの声は全然なれることはない!もう、その場でゲロも吐きそうなぐらいだ。
本当に申し訳ないが、もうすでにかがんだ状態で本当に吐きそうだ。
そこへ
「これ使って。」
ありがたいことに目の前にはどこから持ってきたのか?バケツがあった。
「うおぇーーーーーーーっ!!」
もうすごい勢いで、遠慮なく吐いてしまった。
目の前のバケツはどこから来た?ということなんか、もう考えている余裕すらなかった。
というか、すごい勢いで目立つことをしてしまった。
さすがにこのげろ吐いた時の声は、この会場中に聞こえていることは間違いない。
「というか、俺も吐きそう…」
「もう頭がくらくらする…」
「気持ち悪っ…」
もういろんな方向から、曜子の歌った結果感想がこれだった。
もはや、誰かがげろ吐いていることなど気にしてる余裕があるものなど、この会場にはいない状態だった?
こんな状況だというのに
「みっんなーーーーっ、どーーーしたのーーーー?
パーティはこれからだよーーーーーーー。さぁ気を取り直して、レッツパーティ!!」
もはやこの時点で、テンション高いのは曜子だけだった。
何が「レッツパーティ」だよ!?
一人だけで盛り上がっている曜子を辛うじて立っていられる者は、黙ったまま呆然と見ているだけだった。もう会場中しらけ切っていた。
「ねね、今のうちにここに隠れた方がいいよ。」
バケツをさしだしたのは、どうやらキキちゃんだったらしい。
そしてすぐ隣には、一緒に踊っていた男の子も一緒だ。
いつの間に…?
「いいから、こっち」
私は白いテーブルクロスの中へ急いで入った。
お行儀が悪いが、この際そんなことも言ってられない。
今は何が何でも曜子に見つかるわけにはいかない。
「ここなら大丈夫だよ。」
男の子はかなり機転が回る子らしい。
この状況とことん荒れそうだ。
誰が止めるんだろ?
もうボディガードの人全員で、抑え込んでやっとかもしれない。
そして曜子の暴走は止まらない…。
「あーそうだー曜子もここで踊っていきたいなーーー。」
え?
あの曜子が…?
「ずっとあこがれていたのよねー。シンデレラの世界みたいなお城のような場所での舞踏会♪」
そりゃ誰もが憧れるけど、あんたがこんなところで踊ったりなんかしたら、そのお城が崩壊してくってーのっ!!
「そうね。そこのイケメン!あなたがいいわ。」
「えっ?俺!?」
この声…二央だ。
うわっ、二央かわいそ。曜子から指名されてやんの。ご愁傷さまー。
「私と踊ってくださるかしら?」
とその時だった。
ズテン。
何か大きな音がした。
「いったぁー。やっだぁーびっくりしたー。」
同も曜子が転びそうになったらしい。
その隙に
「お兄さんもこっち。」
キキの連れの男の子が二央までも、テーブルクロスの中に招き入れた。
二央もあわてて、テーブルクロスの中に隠れた。
二央までもがピンチな時に、ちょうど曜子の行動を妨害する者が現れたのだった。
「あれ?さっきのイケメンくんは?」
曜子が、向きを向きなおした時にはすでに二央は隠れていた。
「おっかしいなー。まぁいいや…」
と言って曜子が他の獲物を探そうとした途端、
「ちょっとあんたねー!」
「あらぁOPで歌っていたお姉さんー。」
「あんた、もう歌うたわないでくれる!!?」
曜子に切り出してくれたのは、カオリさんだった。
あのカオリさんにそう言われて、一切心に刺さらないなんてことはないだろうと思っていた。
「あんたのせいで舞踏会どころじゃなくなったってこと判らないの!?」
「え?どういうことですか?」
「あんたが無駄にでかい騒音で歌ったせいで、みんな気分悪くなって迷惑してるのよっ!!」
「え?」
「ごらんなさい!あなたの無駄にでかい声で、倒れた人だっているのよっ!」
OK!カオリさんよく言ってくれた!と誰もが思っていた。
「まぁそれは大変だわ。私の声に聞きほれて思わず感動しすぎてしまったのね。
もう!超うれぴーーーーーーっ!!」
とまたさらに無駄にでかすぎる声で、勘違いな歓喜の声が会場中に響いて、さらにがっくりしたかのように倒れるものが出てきた。
「違うわよっ!あんたのへったくそな歌で、気持ち悪くなって吐いている人もいるのよっ!!見てみなさいっ!!」
どうやら私以外にも吐いている人がいたらしく、カオリは曜子にそのさまを見せているようだ。
「そんなことないもん。曜子お歌は超うまいんだもん。」
うわっ、自覚なし…。
「曜子、高校で音楽選択してたけど、先生は「もう教えることがない」と言われたことがあるぐらい褒められたもの。」
うわ、それって逆でもう教えたところで無理だと思われて匙投げられただけじゃん。
きっとトラえもんのジャイバンも音楽の先生から、そういわれて歌のテストは免除されていたと予想だ。
「その代わりにね。曜子はピアノの実力をあげた方がいいからと言って、いつも楽器のテストだけだったのよ。」
もう曜子の歌は一度聴いたら、二度と聞きたくもないと思えるぐらいだから、音楽の先生がそれを言うのも判る。
「だから、曜子は音楽界ではもう天才的だから、こーんな立派なステージで飛び入り参加いいわよね?」
とまで言い切る有様だった。
ほんっと曜子は自分のことさえ見えてない。
もはや、存在そのものが許せない。
カオリもわなわなと震えている…
「…ないじゃない……」
「え?」
「いいわけないじゃない!!あんたなんか、招かれざる客でここに来ることすら許されてないの!!
この神聖なるこのステージをあんたの声で破壊しないでっ!!」
もう、ここで辛うじて立っていられて、曜子の立ち向かって行けれる元気も辛うじてあって、このステージのことで発言権があるのも、すでにここの場ではカオリだけだった。
「あなたたち!何してるのっ!?こいつをさっさとつまみだしてっ!!」
「えー?なんで?ひどーい。」
「早くっ!!」
カオリがこれだけのことを言って、ようやくボディガードたちは動き出した。
「イヤぁ!!ーーーやめてっ!放してっ!!」
ボディガードに簡単に取り押さえられてしまうが、だからと言っておとなしくしている曜子ではなかった。
「うるさいっ!黙れっ!!」
「おい!誰かこいつの口を押えろっ!!」
「うーううーーうーーーーーー。」
どうもうまいこと曜子の口をふさげたようだ。
だが、曜子は口をふさいだからと言ってもうるさい声をしている。
「うーうー」言ってる声すらうるさい!!
「うるさいっ!!「うーうー」言うなっ!!」
しまいには、そこまで言われていた。
もちろんそこまで言われたところで曜子は「うーうー」言うのすらやめない。
もう、はっきり言ってその「うーうー」言ってる声ですら、気持ち悪くて受け付けられない。
もはや、なんか口に出してないと生きていけない病気なんでしょうなーとしか思えれなかった。
これでやっとどうにかなったと思ったら大間違いだった。
今度は舞台袖でギャン泣きする有様…。
ホント最終的にはいつもこれだから、あの曜子には誰も関わりたいだなんて思わないのである。
専門学校生になった今、そこでようやくわずかながらの友達はできたというが、ホントかどうか…。
これでホントに20近い女だということ事態が信じられない。
それでもまぁ昔に比べてみれば、ギャン泣きするのも少しはひいては来たとは思うが、それでもあの声はいつ聞いても慣れない…。ホントにあいつは最終的には大声で泣きさえすれば、周りは自分の思い通りになると勘違いしてるんだものね。かといって今の今まで、だれがどう頑張ってあの鳴き声に説得しても無駄だったのだから、その我儘も曲がり通ってしまうのだから、こうなってしまうのも仕方ない…。
誰もあの、曜子の声には勝てないのだから…。
小夜も小夜で声が怪獣みたいだったが、少なくとも曜子とは逆のダミ声すぎというだけだ。少なくとも耳にキンキン響かないだけましである。それでも小夜は自覚あるからなのか?自分の声にコンプレックスがあるかなのか?は判らないが、普段は何も喋らないので不快感はない。まぁ小夜の声を聞いたことあるのはあれっきりなかったりするので、多分情事をしない限りは大丈夫であろう。
「本日はお忙しい中、お集りのところ誠に申し訳ないのですが、かなり早いですがここでパーティはお開きにしたいと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?」
曜子の泣き声が聞こえてくる中、いきなり小野坂さんが司会を切り出した。
「賛同の方は、お手をあげてくださると大変ありがたいです。」
この場合、普通は「賛同の方は拍手でお願いします」なはずだ。しかし、ここにはもう拍手をする元気すらない人の方が多いので、それなりな配慮であろう。
あくまでテーブルクロスの中に隠れているので、外の状態はよく判らないが、おそらくはここにいるほとんどの人はその意見に賛成であろう。
てか今テーブルクロスの中はかなり狭い…。
実はさっき気が付いたら、なんでかユキまで入ってきたのだから…。
「では、過半数が賛同されたのでこれにてお開きにしたいと思います。」
やっと解放されるのか?
「あのさ、月城さんからの伝言で、ここに迎えの人が来るまで、この中から出ないでだって。」
えー?
まだこんな狭い中にいないといけないわけ?
「じゃあさ、僕だけ出てくよ。」
「え」
「ここもうすごく狭いからさ」
確かにほんとこのまま待つのはさすがに厳しい。
「この中では、僕だけ月城さんとは関係ないし」
それもそうだ。
「今日は楽しかったよ。」
「また会えるよね?」
「んーそれは判らないけど…」
ホント、いい感じな二人なのにまさかのそれか?
「あそうだ、こんなので申し訳ないけど、これあげるよ。」
「え?」
男の子がキキの薬指に何かはめた。
まさかの指輪??
それも薬指!!?それって…
と思った瞬間だった。
冷静に見てみると…
「それお守りね。」
「おまもり?」
男女どちらが持っていても違和感がない、シンプルな感じのキーホルダーだった。
キーホルダーのわっかの部分をキキの指に引っ掛けただけだった。
「少なくともこの会場を出るまでは、それ外さないで。」
どういうこと?
「なるほどね…」
それを見て二央はなんか判っている様子だった。
え?なに?
「じゃ素敵なクリスマスを。」
と言って男の子は素早く出て行った。
いったい何だったんだろう?
しかしまぁ、もらったものは指輪ではなくキーホルダーだったものの…
その年齢で、かなりロマンチックな感じで、プレゼントしてもらえたことはすごい経験である。
「なにそれーーー!?私だってそんな素敵なプレゼントもらったことなんかなーーーい!」
とユキ…
「しーーーっ!」
「…あ……」
あくまで私たちはここで隠れていることを忘れてはならない。
「…やっぱり……納得できない…」
いや…ユキだって、学校ではモテモテじゃないの…
と言いたかったが、ここはなるべく喋らないようにしないとね…。
そんなわけで私たちは待った…
すっごい待った…
そして…
ようやく迎えは来た。
「星子さん」
外から聞きなれた声がした。
小野坂さんだ。
「ここを出る前にこれを…」
差し出されたグラスには透明な水が入っていた。
確かに何か飲みたいと思っていたけど…これなんだろう?
私はその水を飲み干した。
よく判らないが何かありそうだ。
「申し訳ございません。塩水です」
「え?」
なぜに塩水?
「あなたはあの舞台に上がってしまった。だからお清めのため、ここを出る前に塩水を飲まないとなりません。」
「お清めって?」
「カオリさんもあの聖歌隊の子たちもあなたの妹さんにも、すでにみんなこれを飲んでいただきました。」
「それって…」
「いいですか?あのステージは一見立派に見えますが、いわくつきでもあるのです。」
「えーーーーーっ!!?」
「そのためにここを出る前には必ず、塩水を飲むか塩をかぶるかしてお清めして出る必要があるのです。」
まぁ一応従っておこう。
ここでしたがっておかないと大変なことになりそうだ。
「あとのことはお任せください。大丈夫です。こっちです。」
小野坂は何もかも察している感じではあった。
小野坂さんに連れていかれた。
ようやく、外の駐車場までたどり着いたと思ったら、月城家の送迎バスは、たった今発車していってしまった。中には上村さんや朝美さんやしのぶさんやカオリさんや相原くんが乗っていたことは確認できた。
「行ってしまいましたよ…?」
「これでいいのです」
なんか意味が分からなかった。
これって帰れないということ?
「いいって?」
「星子さん。あなた、あの子から逃げないといけないんじゃなかったですか?」
「まさか…」
あのバスに曜子が乗っていたとか?
確かにこんな辺鄙な場所では、今更帰る交通手段は自家用車や自家用バス以外はまずありえない。
そうだ、月城家のあの自家用バスで曜子と一緒に帰るなんて、私にはできない。
「まぁ今日のところは、こちらにも一応宿泊施設もあるので、一部の人はここに泊まっていく方もいるみたいですが、いかがされますか?」
とたずねられた。
そしたら…
「私は帰りたいかな…」
とキキちゃん。
指にはまだ、あのキーホルダーをつけている。
「ああそれは…なるほど。洋生くんから、いただいたのですね。
確かにそれをつけたままで、ここにずっといるのは動きにくいですね。」
「これって?」
「まぁあの子も言っていたようにお守りです。
あの場に来る大抵の女性は本来はお守りとして、指輪をはめているのですが、まぁそれもありといえばありでしょう。」
「他人からもらったものでないと有効ではないからな。それは。まぁ意味としては…」
「コホン」
二央が意味を説明をしようとしたところ、小野坂の咳払いで止められてしまった。
「あー確かに子供が知るにはまだ早い事情ですなー。あはははは…」
ごまかされた…まぁいいや。子供がいないところで、あとでしっかり聞こうではないか…
「では、あなたたちが乗っていく車はこちらです。」
なんと案内されたのはバスではなく、普通の乗用車だった。
運転手はアラフォーぐらいの女性ドライバーだった。
「え?これだと?」
5人も乗れない。
「大丈夫です。私は旦那様と一緒に今日はこちらに宿泊していくつもりです。
君の妹さんのことで、まだ片付いてない問題もありましてね。もう少し、ゆっくりそのことを考えないといけないので。」
「そうなんですか?」
「大丈夫です。あとはこの方にお任せください。」
小野坂さんは女性運転手のことを指して言っていた。
「あとはよろしくお願いしますよ。」
「はい、了解しました。」
「あとこれを、そちらのご主人様に渡していただきたいです。」
小野坂は鍵付きの小さなカバンを差し出した。
「了解しました。では後のことはお任せください。」
女性ドライバーも小野坂さんに挨拶をしていた。
「大丈夫です。私たちもすぐに屋敷に帰ります。」
小野坂さんが私たちにそれを言った後車は発進した。
ところがだ…
すごく長い間車に乗っていると思ったら、
ついたところは月篠の屋敷ではなかった…。
どういうこと?
「申し訳ございません。
月城さんからのお願いで、あなたたち4人を冬休みの間だけでもこちらでお預かりすることを頼まれましたので、あなたたちにはしばらくこちらで過ごしていただきます」
え?ここはいったい?
「水谷家へようこそ。」
水谷?
ここもまた、結構な数の使用人がいるらしい。
それでも月城家よりかはやや少ない。
「客室はこちらになります。」
案内されている。
「聞くところ、皆さんご兄弟同士とのことなので、同じ部屋になりますがよろしいですかね?」
まぁ私だけは兄弟ではないけど、大丈夫でしょう。
と思ったとたん
「あの…」
あーなにも知らない人がいた。
私はその声をかき消すかのように
「はい大丈夫です!!どうかよろしくお願いします!!」
とこういう時だけはハキハキした声で答えた。
「そうですか。ではこちらをご自由にお使いください。失礼しました。」
と言って戸を閉めて、使用人は出て行ってしまった。
やっと、ホッとしたっと思ったら、
「なに、嘘ついてるんですか!!?私は困ります!!」
怒ってるのはキキちゃんだ。
「ごめんねキキちゃん。実は私ね。あのパーティ会場で一緒に踊っていた人から、ここの関係者には、あくまで自分は月城の娘であるという主張を通すようにと言われたのね。もし、それができないようだったら、大変なことになるからと言われたのね。できればキキちゃんもそうしてほしいんだけど…」
「えー、そりゃ先生やユキさんはいいけど…その…二央さまと一緒だと…その…」
あーやっぱり思春期入ってしまった女の子には、まだ実の兄弟と知らされてない男の子が一緒だと厳しいか…
「なんだと?俺と一緒だとそんなにもイヤか?」
と二央も出るとこ出た。
「え・・そのあの…イヤとか云々の前に…その…身分が違うというか…お坊ちゃんと使用人というか…その…・それなのに一緒にされて恐れ多いというか…」
ホントいろいろもじもじしてる
「なんだーそのことか?だったら気にするな!!俺はお前のことは妹みたいなものと認識してる。だから遠慮するな。」
「え?」
すごいうまいこと言ってのけた。
やっぱり二央だ。
二央には二面性がある。
それは毎度思う。
「まぁ、私も二央に関しては慣れというものだからいいのよ。二央っていつもこうだけど、根は案外気さくなものよ。」
と私も言ってみた。
まぁこれは適当ではあるが、大方あって入るだろうこと。
とにかく今はキキを納得させるのに必死だった。
それによく事情が判らないところにいる今、おそらくこの4人で同じ行動をしていた方が安全だろう。
その時だったノックの音がした。
さっきの使用人かな?
と思って出てみたら。
ユキぐらいの年齢の女の子だった。
それもかなり高価な服を着ていた。
「へぇあなたたちがね…」
顔もあまりかわいくはないが、態度がでかいってことは?
「あなたたち、ここでお世話になるというのに、ここの令嬢である私に挨拶もなしなわけ?」
やっぱりだ。
二央に初めて会った時もでかい態度とられたけど、ここでもか…
「失礼いたしました。私たち月城家から、こちらの方でお世話になることになりました。星子と申します。
弟と妹と共にお世話になります。しばらくの間よろしくお願いいたします。」
とかなり焦っていた状態ではあったが挨拶をした。
月城家の者は主と三緑以外は月城の姓を名乗れないので、ぶしつけかもしれないが名前のみ名乗った。
めんどくさいものだ。
「ふうん、まぁそれでいいけど…」
もう何で金持ちの子って、こういう性格多いの?
「で?この中のうちで誰なの?うちにずっとこの先残ることになる人質は?」
私はその意味を聞いてどういう意味だ?と謎が残った。




