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招かざる客キンデレラ

「あんたたちホントついてるわねー。」


それを口にしたのはカオリだ。


「え?」


「このパーティ半端ないほどすごいわよー。」


「私また、あの場ステージで歌えると思うと、それだけで酔えてしまうぐらい嬉しい。」


とまで聞かされていた。

ちなみにカオリは歌手志望で、かなり歌がうまいと聞く。

そんなにもすごいステージなのか?と思うとこっちもいろいろ楽しみになってくる。





着た場所は割と田舎だったが、会場に行くとホントにすごかった。



「ここはいったい、誰の…?」


「さぁな。誰のかはわからないけど、月城さんもこの建物を建てるにあたって、かなり寄付をしたらしい。いろんな人の寄付によって成り立っているのがこの建物らしいよ。」


ホントに城かと思えれるほどの大きな家だった。


「まぁここはこの建物に寄付をしている人限定会員制で使える施設らしいね。」


そこに出迎えてくれたのは…


何と小野坂さんだった。


「急遽一人執事が来られなくなったので、今回は私が勤めることになりました。

月城家御一行様。ようこそ。さぁこちらへ。」


よくありがちなのか?


一緒の車にはいないと思ってはいたが、まさかね…



「ごゆっくり、お楽しみください。」


すごく広いホールだ。

早速、目に入ってきた正面には、他ではあまりお目にかかれないほどの素敵なステージがある。あれがカオリが言っていたステージだ。あのステージで去年もおととしもカオリはずっと歌っていたとなると、それは誰にもできない経験だといえるぐらいすごいものある。そこらのプロの歌手でもそんな経験味わえないぐらいだ。


そしてそのステージの目の前ではすでにたくさんの人たちが集まっていた。


そして私の後ろから聞こえてきたのは…


「無理です…」


「そこを何とか…」


「私、うまく合わせるなんてことできませんよー。絶対無理ですー。」


「この際、口パクだけでそこ並んでいればいいからさ。お願いだよ…」


なんか知らない人がしのぶに何か頼んでいるようだ。


「どうされたんですか?」


「いやさ、ちょっと聖歌隊のコーラスの子が足りなくてさ、身長のバランス的にこの子が一番適してる思って、助っ人に入ってもらおうとしてたのだけど、君はこの子のお連れ様ですか?」


「はい。」


ってユキはどうしたのよ?

ユキだって、しのぶよりやや小柄だけど、ユキでもバランス合いそうなのになー。


と思って、ユキを探してみたが、ユキはなんとなぜかに月城にがっしり掴まれており、月城もユキのことは絶対に放してくれそうもなさそうだ。その時一応ユキとは目があったのだが「助けて」と言わんばかりな困った表情をしている。



「あーこの子が無理そうなら、君でもいいや。ごめんね。じゃあお姉さん借りてくよー。」


どうやら私はしのぶのお姉さんと勘違いされたらしい。

それはどうであれ、私はステージ裏の楽屋まで連れていかれた。


そこには…


「あれ?星子さん?」


相原がいた。


「あーこの子の衣装、急遽頼むよ。って相原君の知り合いかね?」


「えぇまぁ一応、一緒にここまで来た子です。」


「じゃあ頼むよ。」


って、せっかく今回またきれいなドレス着れたのに…

来て早々に着替え…

それも聖歌隊の真っ白な服…


「ごめん…あとでまた急いでセットしなおすするから…」


まさか、相原君も私が連れてこられるとは予想してなかったよね。

今回は相原君が来る前に気合入れてみんなの髪をセットしていたのにね…。


こちらこそ、容量悪くつかまってしまって申し訳ない…。


さて、今回はカオリだけでなく、私までステージに立つことに…。

まぁ同じステージでもメインはカオリで、私はただのコーラス。

それも適当に口パクでOKらしいが、これ口パクでも周りとあっていなかったら、間抜けでしかない。


「お待たせしました。パーティのオープニングを飾るのは、阿部カオリ「アベマリア」。」


って阿部カオリにアベマリア歌わせるってw


でも仕方ないのだろうか?この状況?


私もアベマリアなんて、そう何回も聞いたことがないけど、コーラスに「ルルルーーー」とか「マリアーーーマリっアーーー」口パクして合わせればいいのか?

うまくいくかどうかわからないけど…


「アーーーーーベマリーーーーーーーアーーーーーー♪」


はじまった…


なんとか乗り越えないと…


もう


ついていくだけで精一杯だった。


いくらコーラスでその他大勢かもしれないけど、ここまですごいステージだとさすがに失敗するわけにはいかなかった。

初めて見た時から、ものすごく品位が高いステージで自分なんかがこんなところに上がって歌うなんて、夢にも思わなかったぐらいのレベルの高いステージだと思う。


やっぱりみなさん歌唱力のレベルはかなり高い。


ホントに口パクで追いついていくのが精いっぱいだった。


ホールには、各自バラバラにこのステージに注目してるが、もうそこにいるのが誰が誰なのかさっぱり分からなかった。


ただ一人分かったのは…


明らかに呆気に取られている表情した二央ぐらいなものだった。


あちゃーーーー


これ、あきらかに


「なんでお前がそこにいるんだよー!?」


といってますなー。


ホントにそれに言い返す言葉といえば「知らんがな」といいたい。



そしていつの間にやら盛大な拍手が行われた。

やっと終わったらしい。



もういったい何なんだ?


私たちが退場した後で、主催者側からの長い挨拶がステージで行われている。


「ごめんねー星子さん。今のうちに急いでセットするよー。」


「カオリさんはいいの?」


「ああカオリさんは着替えてないし、あのままステージから乾杯の音頭に参加するからねー。」


なんかものすごくせわしく動いている。


気が付けば聖歌隊の子たちはすでに私服に着替えていた。


「あれ?あの子たちは?」


「あぁ地域の合唱隊でボランティアの子たちだよ。だから、報酬として会場の食堂で夕飯食べて解散だよ。」


「そうなんだ。」


「まぁこのパーティの参加者の中て、一番真っ当な一般人な子たちだよ。この世界にあまりかかわらせてはいけない子たちだからね。」


「え?どういうこと?」


「まぁこのパーティそのものが、真っ当な集いじゃないとだけとしか言えない。」



相原はまた意味深なことを言っていた。



そして私はパーティ会場に戻った。


私が来る頃にはすでに乾杯の音頭は終わっていたらしく、みんな各自好きに動いていた。


「おいーー。なんであんなとこにいたんだよーー。俺マジで驚いたぞー。」


やっぱり二央には一番最初に絡まれた。


「仕方ないわよ。聖歌隊が一人足りなかったから、急遽助っ人に入ったのよー。」


「そんなことってあるんかよー?」


「私もよくわからないけど、そうだったみたいでさ。ってそんなことよりユキはどこ行ったの?」


ここにきて、ユキが月城に腕をつかまれたままの状態を最後に目にしてからというものの、すごく気になっていた。


「あの通りだ…」


ユキはあいかわらず、月城に掴まれたままだった。

ユキはものすごく嫌がっている様子だった。


「なんであの子、月城さんに掴まれたままなの?」


「さぁな…」


どうやら、あの後ずっと月城と一緒にいて、いろんな人にあいさつ回りをしているらしい。


「どっちにしても、今ここにいる奴とはあまり関わらん方がいいぞ。」


相原だけではなく、二央までそんなことを言っている。


「二央は、いつからこの集いに参加してるの?」


「…」


何も答えてくれなかった。


なんかいやな感じ…


でも、二央がこんなこと言う時は絶対になんかある…



「いいか、なるべく俺から離れるな。」


「え?」


何なの?この空気?

周りはものすごくにぎやかなのに、周りはみんな笑いでいっぱいで楽しそうなのに、なんか心から楽しめない。

せっかく、滅多に食べられない豪華な料理もこんなこと言われてはあまり味わえない。



「さぁ恒例のダンスタイムがやってまいりましたー。参加される方は、パートナーをお誘いあわせの上、ご参加ください。」


え?


まさかの舞踏会が始まった。


そしてまた、要領が悪いことに…


「やめてください。私は舞踏家ではなく、武闘家です!同じ読みでも違います!格闘技なら得意ですが踊ることはできません!」


しのぶがまた、どこかのチャラそうな男に引っかかってた。

私がまた助けようとしていたら、


「ほっとけ」


二央に掴まれた。


「でも…」


「あんなのに構っていたら、キリがない…。それに…」


次の瞬間、チャラ男は吹っ飛んでいた。

そしていつの間にかしのぶは逃げていたのか、そこにはすでにいなかった。


「あいつなら大丈夫だ。」


二央はしのぶの実力を信じていたらしくその態度だった。


「それより…」


気が付いたら、月城が踊っていた…。


その相手は…ユキ……


ユキはすごいイヤそうな顔で、踊っていた。


(「もう、助けてよ~」)


と言わんばかりな顔をしている…。


「…あのさ……いったいあれ何…?」


「まぁあれはあれで、自分なりに自分の娘を守ってるだけだろな…。」


「え?」


結局、何も教えてはくれないが、月城の行動には一応意味があるらしい。


「じゃあ、リキちゃんの時もああだったの?」


「いいや…リキの時は違ってた…。」


なんで?同じ自分の娘なのに?

あえて言えることは、まぁリキちゃんはしっかり者だからか?


二央の視線の方向を見てみると、そこには小夜がいた。

小夜がどこかの中年と二人で会場から出ていくところを見た。


まさか!?


「判ったか?そういうことだ。」


嘘…


ここってその…


「裏ではそういうことが行われてるわけだ。」


「あのさ、じゃあキキちゃんがここにいる事って、かなりまずいことでは?」



そう思って、キキを探すとキキは上村さんと一緒にいた。

さすがにここで上村さんをダンスに誘う者はいなかった。


「多分、上村さんは誘われないから安心だ。」


これって上村さんが年増だから…?二央にしては失礼な物言いをすると思った。


「グレーやベージュとか紺とか基本色系のお召し物をを着ている女性は誘ってはいけないという裏ルールがあるんだよ。あと、聖歌隊の白もな。」


だから、上村さんはグレーの衣装なわけだ。

確かに年配の女性でもダンスに誘われている。

なるほど、ドレスの色はグレーとかではない。


「それって、上村さんはそれを判っていてグレーを着ているわけ?」


「ああ、少なくとも上村さんは判っている。去年のアキとフキもグレー着てたけど、あいつらには何も知らせてなかった。」


「じゃあさ、私や他の女の子たちにもグレーとか地味な色を着せればいいんじゃないの?」


「少なくとも24以下の女には、基本色の服は着せてはいけないルールでもある。」


うわっこわ…

そんな怖い世界に誘われていたなんてぞっとする…


「どちらにしても、ユキのあの容姿じゃ真っ先に狙われるのは関の山だろうな…。」


まぁ確かにユキは月城の娘の中で、ぶっちぎりで器量よし言っても過言ではないであろう。

それに対してリキはしっかり者すぎて可愛げないのもあるが、申し訳ないが容姿もイマイチだ…。

月城がああまでしてガードするのも判らんでもない。


「ってこれっていったい?」


といった瞬間だった。


「お嬢さん。私と踊ってくださいますか?」


突然、言ってくる者がいた。


見れば、月城より年をいってるぐらいの50代の年配の男性だった。


「え?えっと…」


確か、ここは社交界の常識的に行けば、誘われても一度は断るのが正解だと聞いたが…。


「私、うまく踊れないので…。」


そうだ。

私だってこんな社交の場自体が初めてであり、社交ダンスなど全くの未経験である。


「大丈夫です。私にお任せください。」


とまで言われて…断りにくくなっていた。


「えっと…その…よろしくお願いします…」


と言って、気づいたらお手を取っていた。


「おい…」


二央は突然のことで、私たちを止めることもできなく、その後は呆けていたのではなかろうか?


だって、このまま断り続けていても礼儀に反するようなことを誰かが言ってたんだもん…

それ以降の、うまい断り文句なんて、こんなところにいきなり連れてこられて、判るわけがない!


ってなんか、成り行きでかなり年の離れた年配の人と踊ってはいるが、ホントにこのままどうなるんだろう?


ひょっとしてこのまま、小夜みたいにこのまま会場から連れ出されて、その後のお相手もさせられるとか?


「ご存じなのですね?」


「へ?」


私は思わず動きが止まりそうになった。


「安心してください。それよりこのまま踊り続けて…」


「…あの……?」


「実はさっきから、君のことを見てる者がいてね…」


「え?」


「このままだと大変なことになるから…誘ったんだよね。」


私を見てる人って!?いったい誰が?


「君、お嬢様ではないよね?」


「…え?……」


「いいかい。ここの関係者は絶対に自分は月城の娘だと言い張るんだ。でないと大変なことになるからね。」


よく判らないけど、本当にそうなの?


と思った瞬間だった。

以上に場が盛り上がってきた。


「キャーなんかかわいいーーー。」


「なんかお似合いだよな…。」


「まるで、幼い時のアントワネット様とモーツァルト様な組み合わせだー。」


なんと、すぐ近くでキキちゃんが踊っていた。


「ああ、……家の御子息ね…。」


どこの御子息だか聞こえなかったが、どこかの家の御子息がキキちゃんを誘ってダンスしていたらしい。

年齢的に


「まだ小学5年生らしくてよ。」


キキちゃんと一緒ぐらいかと思ったら、一つ年下だったらしい。

確かにこの会場ではお似合いだ。


まさかここでこんなシンデレラストーリーがあったとは意外だった。


そもそもこんな幼い二人の社交ダンスが見れるとは思えれなかった。

さすがに私たちまでダンスをとめてまで見入ってしまっていた。



すごくかわいらしいものを見た。



最終的にこの二人だけが踊っていて、本当に注目の的だった。


曲が終わって、拍手大喝采だった。


「いいかい。絶対さっき言ったことは守るんだよ。」


私と一緒に踊った男性はそれだけを言い残して、私から離れて行ってしまった。



まぁふしぎなことだったけど…



そしてまた次の瞬間すごいことが起こった。



「あーーーーーーーーーべ、マリーーーーーーーーーーーーーアーーーーーーーーーーーー♪

あーーーーーーーーああああああーーーーーーーーーーーーーーー♪」



この声…


これを聞いた途端に、半ば倒れかけているものが続出していた。

私もものすごく気持ち悪い…


ステージを見ると小夜じゃなくて…曜子がいた……。


なんで!?


こんなとこまで曜子がいるの!!?



「ヤッホーーーーー!!私、琴金曜子でーーーーす!!」


曜子はステージでVサインしていた。


それもあの素敵なステージで、そのノリ。


どうしよう?


これマジで見つかったらやばい…

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