寺の秘密…7つの一族の秘密…
リキの一件で、アキもフキも芋づる的に屋敷から消えた。
あの話を聞く限りだと、どちらにしても生贄は一人は必要だったのだが…もし、リキがあのまま普通にあのまま生きていれば、アキもフキも生贄にはならなかったかもしれない。となるといったい誰が生贄になってしまうのだか?と思っていた。
そしたら…
「あー実はもう、ずいぶん大昔に生贄を提出したよ。」
と月城はヘラヘラしながらそう言っていた。
なんとまぁ…
で?いったい誰を…?
その時、私と二央と相原とユキの4人がその現場にはがん首揃えて問いただしていた。
「ユキだけ、ちょっとこっちに来なさい。」
ユキはすごく嫌そうだったが、月城がユキの腕をがっとつかんで、自分の前にユキを立たせて、ユキの耳をふさいだ。
「私の初めてを奪ったあの女さ…。」
それを聞いた途端、
「ふぁーーーーーーーっ!!?」
それを聞いていなかったユキ以外はそろって叫んでいた。
「そんなにイヤだったのですか?」
「そんなにショックだったんですか?」
「そんなに相手がブスだったんか?」
もう数々の質問が飛んだが…
「イヤぁーすっごい美人だったし、もう最高だったよー。
ホントあの時、見事なぐらいに目覚めてしまったのだけどさー。
どうも話を聞く限り、経験人数もうすぐ三桁になるらしいすっごいヤ○○ンで
過去に2回も堕胎していた話を本人から聞いてねー。
前々から聞いていた生贄の件こいつでよくないか?
とそこで思えてね…。」
とユキには聞かせたくない時はずっとユキの耳をふさいで、うまいこと喋り続けていた。
「んもう…何…?」
ユキはところどころ聞こえないから、一人だけモヤっとしている。
「悪いけど、ユキ君はここで聞いていただく。」
「…ううー…」
ユキはちっとも納得してないらしい。
「でも、生贄ってその人だけでいいかと思うのですが、なぜ今回3人も出したのですか?」
「ですよね。リキちゃんはどうであれ、アキさんとフキさんは一度は免除されたのですよね?」
「てか、いくらなんでも厳しすぎ思うけど?」
私たちはそれぞれ思った疑問をぶつけていたが…
「それで?何が最高だったの!?」
ユキからの質問がこれである。
ユキの耳には、その最高だったということだけは聞こえたらしい。
まぁ確かにあれはユキには聞かせられない話である。
「ああ、あの儀式を見るのは最高だよー。
女人の髪が落とされる瞬間を見るのがたまらなく最高だよー。」
となんも悪びれもなくにこやかに言っていた時はもう、ぞわっとした。
それを言ってる月城のすぐそばびいるユキは、最も顔をこわばらせていた。
「まぁ今回、リキはショートヘアでちょっと残念だったが、アキとフキの髪が落ちた時はホント見事だったー。もう、あの場面は何度見ても最高だよー。」
悪趣味すぎる…。
「何度見てもって…?」
「ああ、とっくの昔に出したとはいえ、もう、あの子ら3人もさっき話した女もだけど、それ以外にもかれこれ何人も出してるよ。」
「え…?」
やっぱりこの人鬼畜だ…。
「その中にはシキの母親もいる…。」
「えーーーーーーっ!!?」
まさか、自分の我が子の母親まで差し出したとは…。
「あいつはここに来る前に一度、子供をおろしていたらしい…。」
またそんなヘビーな話を…ユキが聞いてるのだろうか?と思ったら、
「誰よそれー?」
シキさんのお母さんの部分だけはしっかりユキの耳をふさいでいた。
「あの…何度も送り込んでいるということはこれからも…?」
「もちろん、するつもりだ。」
ホントに怖い…。
何を考えてるんだ?このおっさんは?
「おそらく、この先私のもとには誰一人として子供は残らんよ…。」
「え?」
「どういうことだよ!?それ?」
「さぁどういうことだろうねー。私にもわからん…。」
さすがに二央も納得できてない。
「言っておくが二央。」
「なに?」
「お前はこの家の跡取りにはできない。」
「!?」
ずっと二央が跡取りだとこの屋敷の者なら、自他とも思ってきたぐらいだ。
それをいきなり、跡取りにできないとは何事だ?
「別にいいよ…ハナからなる気なかったし…」
と二央は強がって言っているとは思ったが、
「じゃあリキがいない今、一体誰が継ぐというんだ?」
それだ。
そして月城からの答えは意外なものだった。
「誰も継がなくていい」
「え?」
この答えを聞いた時は誰もが驚いた。
どういうこと?
「もう、いろいろ面倒に思えてきてね。いっそこの家は私の代でたたもうと思っているぐらいなんだよ。」
「それって…?」
「じゃあなぜ三緑を月城姓にしたのですか?」
「ああ三緑は、あくまで賭けだよ。」
「賭け?」
月城はあまり言いたくなさげな感じだったが…
「私もあまり信じてはないのだけどね。7つの一族の男子のみ、この世に生を受けてすぐ、あの寺でおおよその人生を占われるんよね。
その時に私に出された結果の一つが「この者のもとには誰一人として、実子は残らないであろう」とでたんだよ。」
「子だくさんだったのもそれが原因だったのですか?」
「まぁ…その予言は嘘だと信じたかったから、ホントノリでこの有様だよ…。」
「でもそれって、わざわざ娘を嫁にやらなくても娘を残せばいいのでは?」
それだ!なんで娘を残さないのだろう?
「結果のうちのまた一つに「この者の娘は20までに家を出さないと生涯独身となろう」とあってね。まぁ私は子を残すことはできなくても、せめて娘たちぐらいはと思ってのことで。」
この部分もユキには聞かれたくないことか、ユキの耳をふさがれていた。
てことは…私はユキに独身への道を進めてしまったことになる…。
いや…ユキの場合はまだ決まった事ではないが、高校を出てからすぐ、いい相手が見つかるかどうかはかなり難しいかもしれない。
ごめんユキ…。
「そこで考えたのは、実子ではなく実孫を後継ぎにすることによって、この家の存続をつなげようとしたわけだよ。」
「それで、三緑くんを養子に取ったと…」
まぁ相原の言う通り三緑は戸籍上三緑の養子だが…ただの養子ではない。
相原もユキも屋敷内の他のほとんどの者は事実は知らないが、三緑は月城の子ではないが孫ではある。
「そういうことになるな」
つまり…月城は…その予言を打ち破るため、実子ではないが、実孫である三緑にかけたと…いう結論に私の頭の中では結びついた。おそらく二央もそういう結論にたどり着いたであろう顔をしていた。
だがここでまた、すごい疑問がある…
「じゃあさ、俺のその予言はどうだったんだよ?」
そうそれだ。
この流れによると二央にはまだ、二央の予言の中身を二央はまだ知らないとされる。
「申し訳ないが、お前にはまだそれを渡すわけにはいかない。」
「どうしてだよっ!!?」
「お前にはまだ無理なんだよ。」
「またお約束な年齢制限とかか?」
「いいや。本来なら10歳になればその予言は読むのを許可されるさ。しかし、お前にはいろいろ特殊な事情があって、まだ読ませるわけにはいかないのだよ。」
なにそれ?
「それでもお前には、他の兄弟とは違って制限はなかったし、しきたりだってゆるかったし、いろいろ隠さず伝えてはきた特別な存在だ。」
「だからって!」
「だからって、それで許してくれとは言わない!!!今しばらく待ってはくれないか?」
月城はこの件に関してはかなり必死に訴えてきた。
どんな事情があるのかは判らないがかなり真剣な顔をしていた。
「判ったよ…。」
さすがに二央もそれには折れた。
「でも、読ませることはできなくても、月城さんはその内容は知ってらしてるんですよね?伝えることはできないのですか?」
「だめなんだ。その予言はまず本人が一番に読まないといけないきまりなんだ。寺関係者を除く、本人以外の者がそれを先に見てしまった場合、その者はなぜか死ぬ…。」
「えぇーーーーっ!!?」
「現に私の兄たちはそれが原因で死んだと私は父から聞いた。」
もうホントめちゃくちゃな家だ。
「あのまだ質問いいですか?」
「なんなりと」
「その7つの一族の中で、すでに途絶えた一族はないのですか?」
そうだこんな複雑なしきたりを守り続けないといけない一族なら、そのしきたりに嫌気がさしていっそ絶やしてしまう一族だっておかしくはない。
「ああ、今でも一つだけもうなくなるかもしれない一族ならあるよ。」
やっぱり
「それでもまぁ、特殊な事情で辛うじてつなげられそうだけどね。」
つなげられそうなのかい!?
「過去の長い歴史の中にかなり大昔にもそういう危機に遭った一族が何件か他にあったのだが、結局、根絶やしにはならずに続いているらしいよ。」
「なんとまぁ…しぶといことで…」
「だから、もうどうあがいても無駄いうことが判っているから、どこの家も根絶やし作戦は諦めているんだよね。」
なんか、家計的に無縁仏になってしまう家なんかたくさんあるというのに…この7つの一族はホント罪深い一族だ。
「まぁどっちにしても、今消え入りそうなその一族も一応はそれを願っているのだけど、どうなるかは次期当主にかかっているとしか…」
なんにしてもすごい一族であることを聞かされた。
ところどころ聞くことができなかったユキは不満げだが、これはさすがにユキが全部聞くのはやっぱり荷が重すぎる。
その時だ…
「旦那様。リキ様がお戻りになられました。」
「!!?」
小野坂がリキを連れて入ってきた。
リキはあの時と同じく丸坊主のままだった。
どういうこと!?
月城曰く、あの寺からはかなり厳しい修行を期限内に全部クリアした者しか帰ってこられないと聞いている。それはよほどの忍耐が強かろうが、よほどの天才であろうが無理だと言われている。
それをリキは約2か月で帰ってきたのだ。
さすがに月城も驚いてはいると思ったが、そうではなさそうだ。
月城の表情を見れば、こうなることもすべてお見通しだったかのような顔をしている。
いったい…?なぜ…?




